2019/10/22:
●米政府高官「世俗主義者が結託し宗教と伝統的な道徳を排除」と主張
●トランプ大統領全面擁護のバー長官、父ブッシュ時代にも長官
●宗教と関係が深いのは右派?左派? 日本でもアメリカでも同じ傾向
2020/01/05:
●強固な支持基盤だったアメリカののキリスト教福音派の有力誌が離反
●米政府高官「世俗主義者が結託し宗教と伝統的な道徳を排除」と主張
2019/10/22:ノートルダム法科大学院の演説で宗教っぽい発言をしているアメリカの政府高官の方がいました。難解でまどろっこしく理解できないことを言う人が「すごい」という変な理解もありそのせいなのか、それとも単に和訳がまずいのかは不明ですが、よくわからない主張です。
この話をしていたのは、米司法長官のウィリアム・バーさん。世俗主義が社会から宗教と伝統的な道徳を排除しているという主張だそうです。陰謀論的なところもすごいですね。以下のようなことをおっしゃっていました。
「私はこの新しい世俗主義の時代がもたらす悪い効果について語るつもりはありません。伝統的な道徳秩序を滅ぼすキャンペーンが同時に起こっていると言うだけで十分です。そしてそれは計り知れない苦しみと悲しみをもたらしたと私は認識しています」
「世俗主義者とその仲間はマスコミ、ポップカルチャー、娯楽産業、そして学界など全ての力を結集し、宗教と伝統的価値を絶え間なく攻撃しています。これらの道具を使って世俗的な正統性を積極的に促進するだけでなく、反対の声をかき消し、沈黙させています」
人々はキリスト教に見られる「ミクロ道徳」から離れつつあると話したそうで、ここらへんはより露骨に宗教…というかキリスト教が良いものであるという主張が見えますね。
ミクロ道徳とは、自分自身の道徳と寛容に焦点を当てることによって世界を変えようとする道徳システムだとのこと。そして、現代の世俗主義者は、政治的目的と集団行動によって社会問題の解決を図る「マクロ道徳」を推し進めていると主張しました。放蕩で無責任な人の行為が社会全体にもたらすコストは非常に高くなるという言い方もしていたので、大きな政府的なところも批判しているのかもしれません。
この部分では、「非嫡出子が増加すると、性的責任ではなく中絶によって解決しようとし、薬物中毒に対しては安全な注射施設を提供することで解決しようとするのです」とも言っていました。中絶をも批判しているようです。これもアメリカの宗教界の意見と一致します。
(
米司法長官ウィリアム・バー氏 が世俗主義の拡大に警鐘 「伝統的な道徳秩序を滅ぼしている」 2019年10月21日 12時09分 大紀元時報より)
●トランプ大統領全面擁護のバー長官、父ブッシュ時代にも長官
彼は現在の司法長官ですので、当然トランプ政権の政府高官。また、ウィリアム・バーさんの経歴を見ても、右派の共和党との結びつきが強いようです。
<CIAに入局後、レーガン政権のもと、法務政策担当を務めたのち、司法省に入省。1991年から1993年まで、ブッシュ(父)政権で司法長官を務めた経験があり、司法長官に就くのは2回目>(
ウィリアム・バー|NHK NEWS WEBより)
今回は宗教の話がメインなので重要な話ではないものの、トランプ大統領を強く擁護している人だとのこと。「ロシア疑惑」の捜査をめぐり、FBI長官がトランプ大統領から解任された際、「大統領は人事を刷新する権利がある。理解できる」と述べて解任を擁護しました。
また、司法省に対し、「モラー特別検察官が、ロシアとの共謀について捜査するのは任務の範囲内だが、コミー前長官の解任を、司法妨害として捜査するのはおかしい」と主張する覚書を送っています。ここは古い情報だけで記載がありませんでしたが、その後のウクライナ疑惑では、自身も疑惑の渦中にあるという状態の方です。
●宗教と関係が深いのは右派?左派? 日本でもアメリカでも同じ傾向
このロシア疑惑・ウクライナ疑惑は良いとして、私が宗教との関係で紹介したかったのは、彼が右派であること。過去にも書いているように、なぜか日本を含めてどの国でも右派の方が宗教との結びつきが深いんですよね。
例えば、ウィリアム・バーさんの話にも出てきた「中絶」に関する問題でもそれはわかります。
「まともなレイプ」発言にパニクる共和党 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(2012年8月22日)では、キリスト教的倫理観を重んじる共和党陣営には中絶反対派が多いと紹介しています。
この記事の中身自体は、右派の共和党の有力議員がレイプで妊娠した場合でさえ中絶を認めない理由について質問されると、女性の生殖器系には望まぬ妊娠を防ぐ機能があり、レイプされて妊娠するケースは「非常にまれ」だと主張したという話。「妊娠する女性は実際には強姦されておらず嘘を言っている」という含みもあるかもしれませんね。宗教とは関係ないのですけど、強姦魔の方に味方しやすいというのも右派の特徴として見えるところです。
また、
人工妊娠中絶禁止国では9歳少女も出産 日本は少子化対策で反対論、野田聖子議員が主張では、二人の共和党議員が中絶反対を唱えながら、不倫相手などの自身の関係する女性には中絶を迫っていたという身勝手すぎる話もありました。
それから、このタイトルでわかるように日本での中絶反対議員である野田聖子議員も右派の自民党所属。なおかつキリスト教徒ということで、やはりモロに宗教色が強いです。また、日本での中絶反対派の宗教である生長の家や統一教会なども、自民党との関係が深い宗教勢力。統一教会は過去に最も自民党に強く影響力を持っていたところで、今ナンバーワンの日本会議の重鎮は生長の家出身だと言われており、新旧の大物宗教団体が揃った形です。
今日は中絶だけで十分な量になったのでもうやめますけど、宗教と政治的な右派との関係エピソードはたくさんありますので、ちょこちょこと追加していこうかと思います。
●宗教の信者はむしろ良心がない?キリスト教福音派の有力誌がやっと改心
2020/01/05:宗教やっている人の支持する政治家を見ていると、良心はないのか?と疑問に思うことが多いのですけど、やっとこさ改心するところが出てきました。
米福音派有力誌がトランプ氏から離反 ウクライナ疑惑受け:日本経済新聞(2019/12/21)うというニュースが入ってきています。アメリカのキリスト教福音派の有力誌「クリスチャニティー・トゥデー」が、福音派の多くの信者が支持してきたトランプ大統領を上院での弾劾裁判で罷免すべきだとする論評を掲載したのです。
福音派はキリスト教保守勢力であり、政治的にもそのまんま保守派(右派)との関係がたいへん深いところ。クリスチャニティー・トゥデーも、福音派に大きな影響力を持ったビリー・グラハム師が創刊したところであり、彼も2016年の大統領選ではトランプさんを支持していました。この時点でどうなの?って感じですけどね。
記事では、「ウクライナ疑惑」について、トランプ大統領が2020年の大統領選で優位に立つためウクライナ政府を通じてバイデン前副大統領の信用をおとしめようとしたと指摘。「これは道徳心を失って混乱する人間のほぼ完璧な典型例だ」「上院で罷免するか、次の選挙で落とすかは良識で判断すべきだ」とぶった切っています。
これに対して、トランプ大統領はツイッターで同誌を「極左雑誌だ」と批判。たとえ身内の右派でも「左翼だ!」とレッテル貼りして批判するというのは、日本の右派といっしょ。彼らの理論だと、自分に逆らう人間は全部左翼になっちゃいます。めちゃくちゃですね。
あと、トランプ大統領は「私はどの歴代大統領よりも福音派のために成果を出してきた」とも主張。これは、エルサレムをイスラエルの首都として承認したり、人工妊娠中絶に厳しい姿勢を示したりしたことを指しているようです。ただ、これ、「選挙で支持を得るためにやった」と自分でバラすようなもの。ウクライナ疑惑自体がそういった行為であるように右派ではよくあることで、支持者は全然気にならないんでしょうけど…。
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