住宅の話をまとめ。<日本のホームインスペクション制度、実は消費者のためではない>、<不動産業者が依頼したホームインスペクション業者が偽装する理由>、<消費者軽視で不動産会社重視な謎の法律…作ったのは誰だったのか?>、<超有名住宅会社が役員占める団体、政治家らに年に何度も要望行う>などをまとめています。
冒頭に追記
2023/06/21追記:
●有名住宅メーカーがひどい…約束したのを無視して連絡すら来ない!
2023/10/08追記:
●住宅メーカーがすぐ取れる幅木コーナーキャップを使う目的は? 【NEW】
●有名住宅メーカーがひどい…約束したのを無視して連絡すら来ない!
2023/06/21追記:住宅の不満に関する話をどこに書こうかな?と思ってこちらに。今回の住宅メーカーは業界トップクラスではないものの、東証スタンダード上場ではあるという企業。この住宅メーカーはとにかく何を依頼しても遅く、そもそも約束したのを無視して連絡すら来ないことが多いそうなのでひどいですね。
この住宅メーカーが不思議なのは、「これはうちのミスなので直します」とわざわざ言い出す良心的な対応も見せること。ところが、「じゃあお願いします」と頼むと全く音沙汰なし。家主が確認するたびに「忘れてました。春にやるので連絡します」を繰り返して、結局、何年も放置されたとのこと。余計顧客満足度が下がってしまいそうです。
ただ、今回書くのは住宅のつくりの問題で、おそらく他の住宅メーカーでもよくあると思われるもの。以下の画像にあるような「幅木コーナーキャップ」などといったものがあるのですが、これが引き渡し時点ですでにパカパカと簡単に取れてしまい、不便極まりないとこの住宅に住む人が言っていました。掃除機に当たると、簡単にとれちゃうのです。
凸【出隅】 LIXIL コーナーキャップ 【ファミリー幅木用】 幅木 出隅コーナーキャップ 10個入り 巾木 リフォーム DIY 壁の角カバー メンテナンス 補修 TOSTEM リクシル トステムNZD□027
フレキシブルコーナーキャップ(出隅用)幅木用コーナーキャップ(巾木用)・2個入り(NZD◆018)リクシル じゅうたす 住+
引き渡しのときにこの問題について住宅メーカーの人に聞くと、「こういう作りのものであり、問題ない。むしろメリットがある」といった説明だったそうな。今後もう少し詳しく書きますが、どうもこのやり方だと安く家を作れるようで、購入者にとってもメリットがあるとは言えます。ただ、パカパカ取れてしまうのですから、住んでいて不便なのも確かですね…。
●住宅メーカーがすぐ取れる幅木コーナーキャップを使う目的は?
2023/10/08追記:前回書いたパカパカ取れるコーナーキャップですが、普通に施工不良だと思われます。外れた部材を見ると、接着剤の後があり、その付け方が悪いのか、接着剤自体が悪いのか。引き渡し時点ですでに取れたため、経年劣化ですらありません。ただ、他社でも経年劣化でとれる…ということはありそうで、その場合はやはり困るでしょう。
このコーナーキャップについて検索していて出てきたのが、
1年点検後の補修(その3)~残念な部材~ | 帰りたくなるおうち 整理収納のB-Lighthouse(ビー・ライトハウス)(2017-03-04)というページでした。整理収納アドバイザーだという、よしなかなおこさんのブログだそうです。
ブログによると、住んでいる家で残念だと思っているところが、 幅木コーナーキャップ という部材。「接着が甘く、指で押さえるとプカプカする箇所も。」「樹脂製なので見ためが安っぽい。」などといった理由だそうです。一方、このような幅木コーナーキャップが多用されるのは、以下のような理由だといいます。
<私の父は現役時代は不動産会社の営業マンで、主に戸建販売をしていました。その父が言うには……
昔はこのようなコーナーキャップは使わず、大工さんが現場で巾木を45度の角度に削って接合していた。しかし、高度な技術を持った大工さんの減少や、ハウスメーカーの経費削減と工期短縮のために最近ではこのような簡素な仕上げ方をする家が増えてきた。>
「ハウスメーカーの経費削減と工期短縮」は価格の低下をもたらしますので、消費者にもメリットがあります。前回書いたように、これが住宅メーカーの人が言うメリットでしょう。ただ、デメリットがあるのも確か。また、引き渡し時点ですでに取れるのは普通に施工不良だと思われ、そこまでは正当化できないでしょうね…。
●欧米では当たり前…ホームインスペクション(住宅診断)とは何か?
2020/07/13:ホームインスペクションとは、聞き慣れない言い方ですが、「住宅診断」という日本語で言うともう少しイメージが湧くでしょう。簡単に言うと、「欠陥住宅ではないか」「いつごろ、どこに、いくらくらいのお金がかかるのか」 「あと何年くらいもつのか」といったものを見ることみたいですね。
より難しく言うと、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う業務だとのこと。
(
「住宅診断」業界は癒着天国、欠陥隠ぺいの恐れも | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) 2017/05/18 08:00 長嶋 修 より、以下※1)
日本ではまだ馴染みが薄いものの、欧米ではホームインスペクション(住宅診断)は当たり前。日本でも2018年4月から、不動産取引の媒介契約を結ぶ際などに、ホームインスペクション(住宅診断)を説明義務化する「改正宅建業法」が施行されました。とても良いことのように見えます。
●日本のホームインスペクション制度、実は消費者のためではない
ところが、日本の場合、良いことだとは言いづらいところがあるようです。ホームインスペクションを手掛けている長嶋 修 さんによると、なぜか日本の「改正宅建業法」には、いくつもの制度的な不備がみられ、買い手である消費者に不利で、売り手である不動産会社に有利な設計になっているといいます。
例えば「媒介契約時に、宅建業者がインスペクション業者の斡旋の可否を示し、媒介依頼者の意向に応じて斡旋を行う」というところ。難しい言い方をしていますが、これは要するにすでに契約という時点でインスペクションを斡旋を行うということ。もっと先にやっておかなくちゃいけない話で、意味不明です。
(
ホームインスペクション義務化による「市場の失敗」のリスク | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) 2018/04/19 15:00 長嶋 修 より、以下※2)
また、日本では売り主がホームインスペクションを行うことを想定していますが、これだと当然売り主に都合が良いようになります。売り主としては、住宅に欠陥が見つかって売れなくなると困るので、欠陥を見逃してくれる住宅診断業者を使いたがる…ということに当然なるのです。
●不動産業者が依頼したホームインスペクション業者が偽装する理由
実際、長嶋 修さんがやっているホームインスペクションを手掛けるさくら事務所では、不動産業者から都合の悪い事実の削除を要求されることがあるとのこと。さくら事務所では当然これを許さずに、欠陥を指摘しますが、その不動産業者からは次の仕事の依頼は来ないといいます。
このように欠陥の隠蔽を拒否したことで問題が解決したか?と言うとそうではありません。次の仕事の依頼が来ていないことから、別の会社、欠陥を隠蔽してくれる会社にホームインスペクションを依頼していると予想されます。住宅診断をする業者も次の仕事がほしいために、不動産業者側に味方する人が多いでしょう。こうして日本の「改正宅建業法」によるホームインスペクションは全然消費者のためにならないものになってしまいました。(※1より)
ホームインスペクションが進んでいる海外ではこの問題が起きたために、すでに対策が行われているとのこと。例えば、アメリカでは州ごとに「売主によるインスペクター紹介禁止」などで対応。オーストラリアでも、「売主のインスペクションは虚偽が多い」と問題になり、買主がインスペクションするしくみが創設されたそうです。(※2より)
本来なら良いところを真似られる後進国である日本が、すでに良いお手本があるのにも関わらず、わざわざ失敗したやり方、売り手に優しく消費者に厳しい制度を取り入れたというのはよくわかりませんね。住宅業界と癒着した政治家、いわゆる族議員がまた悪さをしたのではないか?と疑ってしまいます。
●消費者軽視で不動産会社重視な謎の法律…作ったのは誰だったのか?
2021/11/07追記:前述の通り、「改正宅建業法」にホームインスペクションが盛り込まれたのは良いのですが、買い手である消費者に不利で、売り手である不動産会社に有利という妙なしくみになってしまいました。この関係で当時の「改正宅建業法」は誰が中心となって作ったものなのか?と気になりました。
「宅建業法」は何度も改正されているため、まず、いつの改正かというのを調べなくてはいけません。検索して見つけた
宅建業法改正でインスペクションが義務化調査の価格相場、内容、そして今後の問題は︖ :: リフォーム産業新聞では、<2016年にインスペクションの活用を盛り込んだ法改正が国会で成立。いよいよ今年4月から施行させれる流れとなっている>という記述がありました。
国では西暦ではなく和暦を使用。2016年というのは、平成28年にあたります。で、平成28年の第190回国会を見ると、
「宅地建物取引業法の一部を改正する法律案」がありました。衆議院議案受理が平成28年 2月26日で、平成28年 5月27日に参議院審議終了、可決成立していますので、これが該当の法改正でしょう。
私が知りたかったのは、議案提出者で、これは「内閣」となっていました。安倍内閣による法案だったようです。ちなみに、この2年前にあたる平成26年の宅地建物取引業法の一部を改正する法律案の場合は、議案提出者は国土交通委員長でした。2016年にも国土交通委員会のメンバーも法案に絡んでいる可能性がありそうですから、こちらも見てみましょう。
先にこの国土交通委員会というのを説明。国土交通委員会は、衆議院、参議院にそれぞれ置かれる常任委員会の一つで、メンバーは国会議員の方々です。委員長は与党の人が務めますし、近年は与党が圧倒的多数派であるため、どの委員会においても多数派を占めています。国会でもそうであるように、野党の声はほとんど反映されません。
で、平成28年・2016年の国土交通委員長ですが、衆議院の場合、2人。最初が自民党の今村雅弘議員で、途中から自民党の谷公一議員に変わっています。その後さらに西銘恒三郎議員に変わっていますが、この人は2016年9月と日付が判明しているので、法案成立後だとわかりました。
ということで、当時の委員長は、今村雅弘議員と谷公一議員のどちらか。両方関わっていたかもしれません。お二人の中では、今村雅弘議員の方が有名ですかね。いろいろやっていますが、東日本大震災の被害に関し「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な、甚大な額になった」と述べたことがインパクトあった方です。
●超有名住宅会社が役員占める団体、政治家らに年に何度も要望行う
2023/01/10追記:不動産関係でも族議員っているのかな?というのを検索。具体的に不動産族議員と言われていたわけではないのですが、とりあえず、住宅生産団体連合会が自民党住宅土地・都市政策調査会などに年に何度も要望を行っていることはわかりましたので、確実に不動業界とのコネクションはあるようです。
住宅生産団体連合会は「国土交通省所管の社団法人として発足」と説明があります。となると、民間の会社は関係ないと思われそうですが、役員名簿を見ると、会長含めて、民間の超有名住宅会社の役員がずらりと並ぶ豪華すぎる顔ぶれであり、国土交通省のOBなどが構成する団体みたいなものではなさそうでした。
2022年度(令和4年度)
令和5年度 税制改正・予算要望
11月17日、自由民主党住宅土地・都市政策調査会に出席し、令和5年度税制改正および予算要望を行いました。
経済対策重点要望
10月5日、自由民主党住宅対策促進議員連盟総会に出席し、経済対策に関する要望を行いました。
岸田総理、斉藤国交大臣を表敬訪問
芳井会長等が11月29日に岸田総理大臣、11月30日に斉藤国交大臣を表敬訪問し、経済対策の策定及び補正予算案の編成に対しお礼を申し上げました。
また、現下の住宅市場に関する課題や問題点について意見交換を行うとともに、住宅ローン減税をはじめとする住宅税制の改正について改めて要望を申し上げました。
(
要望・提言|一般社団法人 住宅生産団体連合会より)
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住団連とは|一般社団法人 住宅生産団体連合会<住団連は住宅に関する調査・研究・提言・国際交流・情報提供をしている団体です。国土交通省所管の社団法人として平成4年6月に発足。低層住宅を建設する団体を中心に、中高層住宅から住宅設備機器類関連に至る迄、幅広い団体で構成されています。>
構成団体
一般社団法人 プレハブ建築協会
一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
一般財団法人 住宅生産振興財団
一般社団法人 全国住宅産業協会
一般社団法人 日本木造住宅産業協会
一般社団法人 リビングアメニティ協会
一般社団法人 新都市ハウジング協会
一般社団法人 輸入住宅産業協会
一般社団法人 JBN・全国工務店協会
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