ココイチの話をまとめ。<平凡でダメそうなカレーソース、これがむしろ魅力である理由とは?>、<ゴーゴーカレーに圧勝、ココイチが店舗数がダントツ日本一の理由>、<平均年収1000万円!ブラックどころじゃなくて超ホワイト>などをまとめています。
●ルーはハウス食品のものを使用、しかも高いのに人気のココイチ
2014/6/9:この前ゴーゴーカレーの話(
社員研修は靖国神社!愛国的なゴーゴーカレーを食べて応援を!)を書いたときにココイチの記事も引用したところ、それ以来ココイチのカレーが食べたくて仕方がなくなりました。ちょうど近くにあるんですよね、ココイチ。
冷凍庫の中の食材が切れたときのために…と保存していたレトルトカレーなどを食べながら、食べたい気持ちを我慢していたのですけど、先日我慢しきれずにお店へ行ってしまいました。私はコマーシャルなどを見てもほしくなることがめったにないと思っていたのですが、カレーには弱いのかも。今も書いていて激しく食べたくなってきました。
実際に行ってみて食べたココイチの味の話ですが、おいしかったです。ただ、実はココイチにしても他のカレー屋さんにしてもほとんど食べたことがありませんので、私の感想はあまり当てにならず。他店と比べてどうこうってのはよくわからないですね。私はそもそもおいしくないカレーというもの自体が記憶にないです。
そんなこんなで気になって仕方がなかったココイチには行けたので満足。しかし、この前書いたときにちらっと紹介したココイチの記事の方も、おもしろそうだったので気になっていましたので、今回はその話を。
一人勝ちココイチの秘密…ルーはハウス、値下げなし、独特FC | ビジネスジャーナル 2012.12.29という記事。タイトルを見た感じ、不利そうなやり方なのに一人勝ちになっている…という印象を受けます。
●実を言うと、カレーはルーが難しい ココイチが強い理由のひとつに
このビジネスジャーナルの記事は2012年のものですね。当時はまだデフレから脱する傾向が見られないときであり、記事では、牛丼戦争を尻目に"「カレーハウスCoco壱番屋」(ココイチ)が、ライバル不在の一人勝ち状態を続けている"といったところから話に入っていました。
カレーチェーン経営のポイントのひとつは、ルーの安定調達力だとのこと。ココイチはルー製造で国内最大手のハウス食品から調達。ハウス食品は壱番屋の株式を約19%所有、持株比率で第2位の大株主で、壱番屋を持分法適用関連会社としているという間柄。ココイチの強さを支えているのは、まずはこのハウス食品との関係だといいます。
また、気になるのは「値下げなし」として、元記事のタイトルにもなっていた価格戦略ですね。私もココイチは高いなぁと思いながら食べていました。記事では、以下のように書かれており、やはり高い!という書き方です。
<ココイチの強さの秘訣として次に挙げられるのは、商品政策だ。ココイチの料金は決して安くない。都内のある店舗で従業員に確認したところ「客単価は800~850円」。最も安いのは「ポークカレー」で430円。だが、この従業員によると「ほとんどの客はトッピングを注文する」といい、これが客単価を押し上げているのだ>
価格が高いので売上が大きいというのはわかります。ただ、なぜ高くて大丈夫なのか?は不明。"決して値下げをしないのもココイチの特徴だ"とあるだけで、記事では理由を書いていません。"デフレ下で値下げしなくとも業績が堅調なのは、それだけ消費者に支持され続けているから"とあるくらいです。ここらへんは謎ですね。
●平凡でダメそうなカレーソース、これがむしろ魅力である理由とは?
おもしろかったのは、「ココイチのカレーソースにはこれといった特徴がなく、平凡な味」(外食関係者)だという点です。これは一見弱点に見えます。ところが、カレーソースの平凡さはむしろココイチの長所だというのです。
前述の通り、ココイチはトッピングで稼ぐ形です。そして、癖がないことは、このトッピングと合わせる上で有利に働くという意外なメリットがあるんだそうな。外食関係者は、以下のように想像していました。ここらへんは顧客に対する人気の理由とも言えるかもしれません。
「トッピングとケンカせず、複数のトッピングを付けても、味全体が重すぎない。あえて平凡な味にして、トッピングを生かせるソースを開発したのではないだろうか」
●ゴーゴーカレーに圧勝、ココイチが店舗数がダントツ日本一の理由
ココイチがおもしろいのは、顧客以外からも人気みたいだということ。どこからか?と言うと、フランチャイズ(FC)店舗からの人気です。「他の飲食FCチェーンのような、本部とFCとの不協和音が漏れ伝わってこない」(名古屋市内の飲食業者)としていました。当時の店舗数が1204店でカレーチェーン2位クラスの「ゴーゴーカレー」と「福島上等カレー」の50店を大きく引き離していたのは、こういった理由も大きいかもしれません。
なぜこうなったのか?と言うと、ユニークなフランチャイズ方式に理由がありそうです。開業資金の融資を受ける際には、本社が債務保証というのは他でもあるかもしれませんけど、非常に変わっていると感じたのがFCオーナーを一般から募集"せずに"すべて社員からの独立でやっているという点です。
また、3週間程度の事前研修を経て店舗をオープンするのが外食業界で一般的な中、「独立候補社員」として2~5年勤務を経験できるという丁寧な支援も他に例がなさそうでした。経験が少ないのに拡大を優先してトラブルを起こすというのはフランチャイズではありがち。その点、ココイチは気を遣っているようです。
●平均年収1000万円!ブラックどころじゃなくて超ホワイト
3週間程度の事前研修を経て店舗をオープンする外食が多いのは、お金儲け優先であるためです。外食産業は扱いも給与もブラックということで有名なのもそういう理由でしょうね。ただ、ココイチの場合、上記のように扱いはホワイトな感じ。さらに独立した人たちの平均年収はなんと1000万円とのこと。ちょっと信じられないほどの高収入です。
客単価が低くても回転数を増やすことで収入を増やしている業態もあり一概には言えないのですけど、ココイチと他の外食チェーンを比べた場合、食事が安いところは収入も低い、食事が高いところは収入も高い…というそのまんまの結果になっています。
じゃあ、高いところに行ってあげる方がブラック企業が淘汰されて世の中のためにいいじゃん!という話になるのですが、つい価格が安いすき家あたりに私は行っちゃうんですよね…。
(2014/6/9 12時追記:などと書いていたのですけど、すき家の人件費はむしろ高い方だそうな。
すき家「鍋の乱」で大量閉店の真相:日経ビジネスオンラインでは、<採用が難しいのは、すき家の時給が安いからではない。むしろ近隣のコンビニエンスストアや飲食店よりも高い場合も多い。それでもなかなか集まらない>とされていました)
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