2018/11/12:
●寝だめはダメで意味なし?睡眠を貯金することは可能か不可能か
●「睡眠負債」の西野精治・スタンフォード大教授の寝だめに関する見解
●良い睡眠をとるためにお風呂に入る時間、正しいのは?
2021/05/10:
●堀田秀吾教授が提唱、ストレスを軽減する睡眠のための3つのルール 【NEW】
●寝だめはダメで意味なし?睡眠を貯金することは可能か不可能か
2018/11/12:どこかの投稿で寝だめはダメという話を書いた気がします。ただ、今検索しても出てきませんでした。なので、うろ覚えなのですけど、確かそのときの説明だと、「たくさん睡眠を取ることによって、後で寝なくても平気で過ごせる…といった貯金はできない」といったものでした。
週末の「寝だめ」というのは、このたとえで言うと、貯金ではなく借金の返済であるようです。平日に寝ていなくてマイナスになっている分を取り返そう…といった試みです。
借金を返済できるのであれば、それでも悪くないように思えます。ただ、「寝だめ」は効果的なものではありません。まず、睡眠不足はたとえ少しであっても、注意力を下げたり、健康に悪影響を及ぼしたりするものです。さっきのたとえで言えば、寝だめでは借金を返却しきれず借金が残り続けるといった感じです。
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また、週末に遅く起きるといったことをしてしまうと、睡眠のリズムが崩れてしまうというのも心配。サマータイムが悪いのは起床時間の変化により、死亡率が高まるなど、大きな影響が出てくるため。寝だめは到底勧められるようなものではありません。
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●「睡眠負債」の西野精治・スタンフォード大教授の寝だめに関する見解
以上のような話を思い出したのは、
寝だめ、実は要注意 スタンフォード大・西野教授に聞く「睡眠負債を作らない方法」:朝日新聞GLOBE+(2018.11.05)という記事を見かけたためです。米スタンフォード大学の医学部教授、西野精治(63)さんに話を聞いたという記事でした。
この西野精治教授は、「睡眠負債」で日本社会に衝撃を与えたという方だそうです。「睡眠負債」は、慢性的に睡眠時間が足りないことで簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていく状態、とされていました。その他に以下のような説明があり、大体さっきの私の理解で良さそうな感じでした。
<金銭的な負債と同じで、容易に返すことができなくなるという意味をこめてスタンフォード大睡眠研究所の創設者が提唱した。この概念によると、普段の寝不足を「寝だめ」で解消しようとする生活が脳や体にダメージを与え、がんや認知症といった疾患のリスクを高める。普段のパフォーマンスも悪くなり、寿命も短くなる恐れがあるという>
寝だめが余計問題を引き起こしているとわかるのが、毎日平均7.5時間寝ていた健康な8人を、寝だめと同じように14時間無理やりベッドに入れて寝かせようとした実験の話です。実験では、初日は13時間、翌日も13時間眠りました。ただ、その後、寝れない時間が長くなっていき、3週間後にやっと平均8.2時間に落ち着いたそうです。
この実験で注目すべきなのは、生理的に必要な睡眠時間と思われる8.2時間に落ち着くまでに3週間もかかったということなのだと、西野教授は指摘。一度寝だめをするだけで、長く影響が残るということみたいです。たった1回寝だめをするだけで3週間も影響が残るというのですから、寝だめは効果がないどころではなく、最悪ですね。
●良い睡眠をとるためにお風呂に入る時間、正しいのは?
睡眠負債のある人には、副交感神経が優位になって脳と体を休ませるはずの睡眠中も、そうなっていない人が多いことがわかっているそうです。その対策として挙げられていたのが、「入眠90分前の入浴」。入浴は過去にも出てきた気がして検索すると、
眠れないときはむしろ寝ない方が良い?寝酒も間違った寝る方法 不眠対策は食事と入浴が大事がヒット。ただ、このときは、「食後1時間以上あけて、就寝1時間前くらいがベスト」とされていました。
今回の記事では、体温でその根拠を論理的に説明しています。まず、人間は体内の体温(深部体温)が皮膚温度より高いそうです。しかし、入浴すると深部体温はいったん上がり、その後に急降下。実験によると、40度のお湯に10分つかると深層温度は約0.5度上がり、元に戻るまで90分かりました。つまり、以前紹介した1時間ではまだ元に戻りきっていないってことですね。
また、90分経って元に戻った後も深層温度は下がるとのことで、これが今回重要なポイントになっていました。この深部体温は睡眠中は低く、皮膚温度との差は小さくなっています。入浴で深層温度が下がっていく状態を作り出して、睡眠中の状態に近づき、「深い眠りにつくことができる」という説明でした。
●堀田秀吾教授が提唱、ストレスを軽減する睡眠のための3つのルール
2021/05/10:
嫌なことがあったから“ふて寝”…はストレス解消に逆効果! WEB女性自身 / 2021年5月8日 11時0分という記事を読みました。睡眠関係の記事ということでこちらに追記。ふてくされて寝る「ふて寝」はストレス解消には向かないとする記事ですが、他の話も出てきます。
明治大学教授で心理言語学者の堀田秀吾先生は、研究を元に、おやすみ前の行動習慣によってストレスを軽減し、鬱々とした状況を打破するためのルールを紹介。「嫌な気持ちのまま寝ない」「日ごろから感謝の気持ちを持つ」「規則正しい睡眠を6時間以上取る」という3つのルールです。うち、ふて寝関連は以下のような説明でした。
<嫌なことがあってマイナス感情を抱いたまま“ふて寝”しても、ストレス解消にはつながらない。4つにグループ分けをして記憶の定着度を調査する実験では、動物の死骸や拳銃を向けられるなど嫌悪感を覚える写真を見せて、そのまま睡眠を取り、翌日確認をしたグループが記憶が残りやすいという結果が出た。(北京師範大学・リウらの研究) >
これと似た研究は過去にも紹介されているのを読んだ気がしますが、「ストレスが残る」というのではなく、「記憶を定着しやすくするにはどうすればいいか?」という観点だった記憶。ただ、忘れたい嫌なことを考えたまま眠っても忘れられない…ということですから、今回のような解釈でも良いのかもしれません。
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