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独裁者マルコス大統領の息子の愛称はボンボン お坊ちゃんの意味?


 <フィリピンで独裁者の息子と長女が大人気!正副大統領選挙で圧勝>、<独裁者マルコス大統領の息子の愛称はボンボン お坊ちゃんの意味?>といったフィリピンの政治の話をやっています。

2022/05/23追記:
●ボンボン・マルコスはその名の通り人の良いお坊ちゃんな雰囲気
2022/06/06追記:
●世襲・お坊ちゃん・経歴詐称・国のトップ…あの人と似てない?
2022/06/14追記:
●前任ドゥテルテも加担した独裁者マルコスを美化するデマで人気か 【NEW】


●フィリピンで独裁者の息子と長女が大人気!正副大統領選挙で圧勝

2022/05/16:独裁者気質だったフィリピンのドゥテルテ大統領は、後継に長女で南部ダバオのサラ市長(43)を想定していました。ところが、彼女は大統領候補ではなく副大統領候補に立候補。彼女と組む大統領候補は故マルコス元大統領(1965~86年)の長男のフェルディナンド・マルコス元上院議員(64)でした。

 …ということで、正副大統領候補ともに世襲という形です。海外で世襲は珍しいと言われていますが、フィリピンも日本と同じ世襲が多いんですかね。「後継にサラ氏」の思惑が外れたドゥテルテ大統領は、代わりに「操り人形」と言われる側近のゴー上院議員を大統領選に担ぎ出します。

 一方、圧倒的に人気の有力候補は、前述のフェルディナンド・マルコス候補であり、独走状態。独裁政治を20年以上続けた故マルコス元大統領の長男であり、これまたどうなの?という出自の方なので、元独裁者の長男と現独裁者の長女というコンビになります。フィリピン人はこういうのが好きなのかもしれません。

 ドゥテルテ大統領はこの息子マルコスを、「弱い候補者だ」「甘やかされて育ったから」「父親と違い、取りえは名前だけ」と連日口撃。しかし、これを伝えた記事は、<マルコス氏、独走状態=現職の「口撃」寄せ付けず―フィリピン大統領選>(時事通信 / 2022年1月8日 14時50分)というタイトルだったんですよね。
https://news.infoseek.co.jp/article/220108jijiX056/

 マルコス候補の人気は落ちない一方で、ゴー候補の支持率は低迷。立候補を取り下げました。世論調査でドゥテルテ大統領の支持率は72%であり、大統領としての支持率はなおも健在であるものの、影響力の低下は明らか。ただ、長女が当選したら一転して支持し、今後も影響力を発揮していきそうな気もします。

 その後は独裁者の子供コンビがそのまま大統領選挙を圧勝。フィリピン大統領選:マルコス=サラのコンビが圧勝 | 住友商事グローバルリサーチ(SCGR)によると、いずれの候補も過半数の票を獲得する見込みで、これは1986年の民主化運動(エドサ革命)以後初めて。また正副大統領が同じ陣営から選ばれるのは2004年以来だそうです。

<フィリピンでは5月9日に大統領選が行われ、フェルディナンド・マルコス・ジュニア(通称「ボンボン・マルコス」)元上院議員が他の候補に大差をつけて勝利した。また副大統領選では、マルコス氏とタッグを組んだサラ・ドゥテルテ・ダバオ市長(ドゥテルテ大統領の長女)がやはり大差で勝利した>


●独裁者マルコス大統領の息子の愛称はボンボン お坊ちゃんの意味?

 ところで、上記で出てきたように息子マルコス大統領の愛称は「ボンボン」だとのこと。「ボンボン」というと、日本語の「いいところのお坊ちゃん」という意味が思い浮かびます。これが由来なのかな?と気になって調べてみたものの、明記しているところはありませんでした。日本語由来だとおもしろいんですけどね…。

ぼん‐ぼん[名詞]
<(関西地方で)良家の若い息子。若旦那。ぼんち。「ぼんぼん育ち」>
(デジタル大辞泉「ぼんぼん」の解説より)

<ボンボン、ぼんぼん(坊々)は親に甘やかされて育った金持ちの息子を指す>
(ボンボン - Wikipedia より)

 なお、前述の通り、ドゥテルテ大統領はこの息子マルコスを、「弱い候補者だ」「甘やかされて育ったから」「父親と違い、取りえは名前だけ」と口撃していました。やはり「お坊ちゃん」というイメージが合う悪口です。インタビューした人でも同じような感想がありましたので、今後紹介したいと思っています。


●ボンボン・マルコスはその名の通り人の良いお坊ちゃんな雰囲気

2022/05/23追記:前回予告したボンボン・マルコス大統領に会ったことがあるという人の話。近畿大教授、ジャーナリストの柴田直治さんによるデマ エドサ革命とボンボン・マルコス | ハフポスト NEWS(2016年02月24日)という記事でした。

 柴田直治さんは、「イメルダ、アイミ―、ボンボンにそれぞれ長時間のインタビューをしたことがある」と書いています。イメルダというのはボンボンの父フェルディナンド・マルコス元大統領の妻で、アイミーはマルコス元大統領の長女。長男ボンボンについては以下のような印象だといいます。

<長男は名のとおり人は良いぼっちゃんといった印象だ。父はフィリピン大学を首席で卒業し、いまだに記録に残る成績を残したが、そんな鋭さは感じない。政治家としてこれといった業績はないし、議会の出席状況も芳しいとはいえない(引用者注:当時は上院議員だった)>


●世襲・お坊ちゃん・経歴詐称・国のトップ…あの人と似てない?

2022/06/06追記:独裁者の長男ボンボンに重ねる「英雄」の姿 人気の裏にSNSのデマ:朝日新聞デジタル(バタック〈フィリピン北部〉=宋光祐2022年5月9日 14時00分)という記事があったのですが、有料記事でデマの内容は不明。ずっと気になっていました。

 無料部分の最後は、<マルコス政権下では1万人を超える市民が殺害や拷問、強制失踪などの人権侵害を受けた。政権の崩壊後にはマルコス一家による数千億円から1兆円規模の不正蓄財も明るみに出た。しかし、フィリピンの学校で…>という内容。デマは独裁時代の美化かな?と思いました。

 デマに関するヒントはないか?とWikipediaを見ると、別の問題があったことが判明。経歴詐称です。ボンボン・マルコスさんは、1970年、イギリスに送られ、ウェスト・サセックスのワース・スクールに入学したのですが、その後の経歴が問題でした。

<オックスフォード大学のセント・エドモンド・ホールに入学。ここで哲学・政治学・経済学コース(PPE)を学び、学士号を取得したと言われていたが、実際は虚偽で、非卒業者に渡される「特別卒業証書」を取得していた。その後、アメリカ合衆国フィラデルフィアのペンシルベニア大学ウォートン・スクール経営学修士課程に進学するも修了しないままフィリピンに戻った>

 同じ世襲議員・お坊ちゃん・国のトップ・経歴詐称問題…ということで、安倍元首相に似てますね。安倍元首相は「南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学した」と履歴書に掲載していたものの、政治学科も2年間も証拠なし。事務所は途中でドロップアウトしたので記録がないだけ…と弁明していました。


●前任ドゥテルテも加担した独裁者マルコスを美化するデマで人気ぁ

2022/06/14追記:ボンボン・マルコス大統領の圧勝に役立ったSNSのデマとしては、独裁者マルコス大統領時代の美化的なものが主体かもしれませんね。<比大統領選、マルコス氏圧勝 独裁元大統領の長男 | 河北新報>(2022年5月10日)では、以下のような話がありました。

<マルコス氏は、多くの市民の拷問、殺害を招いた父の独裁政権時代について交流サイト(SNS)を通じ「国を発展させた」と美化。人権侵害が再び深刻化するとの懸念も一部に根強い>
https://kahoku.news/articles/knp2022050901001185.html

 同じ記事によると、息子マルコス候補は、容疑者の超法規的殺害も辞さない麻薬対策を進めたドゥテルテ大統領の強権的政策の踏襲を公言し、経済と治安の改善を望む有権者の支持を得たとのこと。ただ、前述の通り、ドゥテルテ大統領はマルコス候補を批判し、別の候補を応援しており、すれ違いがあります。

 また、皮肉だと言えるのが、ドゥテルテ大統領がそもそも独裁者マルコス大統領の美化していた…ということ。ドゥテルテ大統領は独裁者を美化したお陰で、ドゥテルテ大統領が応援しない息子マルコスが人気になってしまった…という面もありそうでした。

<(引用者注:ドゥテルテの)父はフェルディナンド・マルコス政権で内務相を務めたが、ドゥテルテはマルコスの英雄墓地への埋葬を主張し、マルコスの遺族からも支援を受けていた>
(ロドリゴ・ドゥテルテ - Wikipediaより)

 なお、以前も紹介した副大統領立候補時代の記事デマ エドサ革命とボンボン・マルコス | ハフポスト NEWS(2016年02月24日)でも、当時独裁者時代を美化する話があったとのこと。繰り返しデマが流されて事実化していっているのかもしれません。日本でもこういうのありますね。

<大統領ベニグノ・アキノ3世は式辞で「マルコス時代が黄金時代だったなんてデタラメだ。アジアの病人と呼ばれ、マルコスの命令で国民が国民を傷つけ拷問した。戒厳令の時代が2度と来ないとは言えない」と力を込めた。
 (中略)「独裁者の息子」を推す勢力からは「マルコス時代は良かった。秩序があり、インフラ整備も進んでいた」という声が盛んに聞こえてくる。アキノのあいさつがそれを意識していることは明らかだった>


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