2022/08/04追記:
●統一教会と自民党の関係判明で公明党代表「他の宗教は別問題」 【NEW】
●他人事じゃない!大手新聞社出身議員は統一教会の重点支援候補 【NEW】
●公明党「創価学会は支持団体。問題ない。戦前の国の天皇崇拝が問題」
2014/6/13:
飯島勲、公明党と創価学会の政教分離原則に言及 すぐ否定されるに絡んでの話なので、まず、軽くそちらの話をおさらい。飯島勲内閣官房参与が公明党とその支持母体である創価学会の関係について、憲法の「政教分離原則」に反した「政教一致」だという政府見解に変わることもあると言い出しました。どうも集団的自衛権の行使容認について自民党に非協力的な公明党に対するけん制のようです。
これに対する公明党の反応はつまらないもので、
「政教一致」発言、公明が不快感 「コメントしない」 2014年6月11日16時56分 朝日新聞によると、"公明党の山口那津男代表は11日午前、国会内で記者団に「聞いていないから分からない」”とだけだったみたいです。もうちょっと盛り上がるとおもしろかったのですが…。
ところで、朝日新聞記事では公明党のサイト(HP)から、彼らの主張も引っ張ってきていました。いろいろと書いていますが、「憲法が規制対象としているのは『国家権力』の側」だけで反論可能でしょう。私は自民党や民主党なども含めて宗教と政治が関わることに極めて批判的ですけど、一般的にはこれで通るものです。
たとえば、
政教分離原則 - Wikipediaでも、"学会の通説は、国家が宗教団体に政治上の権力を行使させてはならない"の意味は、"宗教団体を政治参加させてはならないという意味ではないとする"と書かれています。そして、国家が宗教団体に行使させてはならない権力というのは、国が独占すべき「統治権力(立法権、課税権、裁判権等)」であるとしています。
もちろんこれには異論があり、諸説あるのも事実。ですから、今後変わるということもあるにはあります。ただ、通説は上記の通りであり、前回書いたように自民党の菅義偉官房長官も見直しを完全に否定しています。私は気に食わないんですけど、仕方ないです。とりあえず、今回は菅官房長官のせいって感じですね。
ところで、朝日新聞ではこの公明党の主張に対して、"創価学会が公明党を支援することは憲法違反でないとしている"と付け加えていたのがおもしろかったところ。これって公明党も認めているの?と、元ネタであろうサイトの記述を探すと何と普通に書いていましたわ。
Q.公明党と創価学会の関係は?
A.
政党と支持団体の関係です。(中略)つまり、創価学会という支持団体(宗教法人)が公明党という政党を支援することは、なんら憲法違反になりません。
https://www.komei.or.jp/faq/#anc05 そうなんだ。内緒じゃないんだ。じゃあ、山口那津男代表もノーコメントじゃなくてそう言えば良かったのに…と思います。あと、ここの続きもおもしろいです。ただ、せっかくなので最初から全部引用してみましょう。分割しながら行きます。
Q.公明党と創価学会の関係は?
A.
政党と支持団体の関係です。各政党を労働組合や各種団体などが支持する関係と同類です。公明党と創価学会は不定期で「連絡協議会」を開催し、協議内容はマスコミ公開されています。一部週刊誌等で「政教一致だ」とか「憲法20条に違反した関係にある」等の記事が掲載されることがありますが、
全く的外れな批判であり、既に国会の論戦の場でも決着済みのことです。
まず、未だにそんなこと言っているの?馬鹿なの?というノリのアンサー。公明党さんの怒りが伝わってきます。そして、問題の憲法解釈は上記の後に登場。以下のようなものです。
<そもそも、憲法が定める「政教分離」原則の意味は、憲法が宗教団体の政治活動を禁止しているということではありません。内閣法制局は「憲法の政教分離の原則とは、信教の自由の保障を実質的なものとするため、国およびその機関が国権行使の場面において宗教に介入し、または関与することを排除する趣旨である。それを超えて、宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨ではない」(大森内閣法制局長官の国会答弁趣旨=1999年7月15日)としています。
憲法が規制対象としているのは、「国家権力」の側です。つまり、創価学会という支持団体(宗教法人)が公明党という政党を支援することは、なんら憲法違反になりません。
国家権力が、ある特定の宗教を擁護したり、国民に強制するようなことを禁じているのが「政教分離」原則です。>
上記はWikipediaの説明とも異なりますかね? ただ、小渕恵三内閣時代の内閣法制局長官の言葉を根拠としています。さらに、私がおもしろいと言った部分は次。「政教分離」原則に反するような悪例として、戦前の日本政府を挙げているのです!
<具体的に言うと、先の戦前・戦中に実際にあった事実として軍事政権・国家(政)が、
一定の「国家神道」(教)を強要したり、天皇陛下を神に祭り上げ、思想統制を図ろうとしたことなどです。この反省に立ち、信教の自由、言論の自由、結社の自由--などが定められ、「政教分離の原則」が条文に記載されたのです>
山口代表は政教分離に関する質問が来たときに、「天皇を崇拝させることで思想統制した戦前の日本政府みたいなのが悪例だ!」まで言ってくれたらおもしろいのに…と外野としては思います。
●統一教会と自民党の関係判明で公明党代表「他の宗教は別問題」
2022/08/04追記:日本で最も被害を引き起こしてきた新興宗教団体の統一教会(家庭連合)。本来なら政治家がこの問題を解決すべきなのに、安倍元首相が中心になり、右派の政治家がこの団体と協力します。被害者団体が安倍元首相に抗議しようとしたものの、門前払いされており、安倍元首相側はわかっててやっていたようです。
こうして大物政治家が協力したことにより、問題が是正されないどころか、統一教会側が宣伝に利用して被害が拡大。また、統一教会側は裁判で負けないため…とも、政治家と繋がる狙いを説明していました。大物政治家の意向により、統一教会が守られてさらなる被害拡大に繋がった可能性があります。
だから殺して良いという話ではなく、殺人は絶対許されないのですが、こんなことをやっていたものですから、安倍元首相は統一教会によって人生を狂わされた人から恨みを買って殺害されました。こうなると、マスコミでも統一教会の問題がある程度報じられるようになり、統一教会への批判が強まっています。
ただ、この批判は統一教会に留まらず、他の宗教団体にも拡大。これに関連して、創価学会を支持母体とする公明党の山口那津男代表がコメントしていたようです。
公明・山口氏 政治と宗教に広げるべきではない(2022/08/02 産経新聞)という記事が出ていました。
<公明党の山口那津男代表は2日の記者会見で、安倍晋三元首相の銃撃事件で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の国会議員との関係に国民の関心が高まっていることに関し、「政治と宗教の一般のことに、いたずらに広げるべきではない」と述べた>
<山口氏は「宗教団体、あるいは信仰を持つ立場の人が政治活動や政治家を支援することは憲法上、保障されたものである」と述べた。その上で、宗教団体が掲げる人道や人権などの価値観を政治過程で反映させていくことは、健全な民主主義の基盤にとって重要であり、むしろ望ましい姿だと主張した。
一方、「社会的に問題を抱えたり、トラブルが多く発生しているような団体については、政治家の場合は選挙の支援も含めて国民の誤解を招くような振る舞いは控えるべきだろう」と強調した>
●他人事じゃない!大手新聞社出身議員は統一教会の重点支援候補
私は創価学会もどうなのか?と思っているのですが、今回に関して言えば、ひとまず山口那津男代表の主張を支持します。なぜか?と言うと、焦点がぶれることで、最低限の問題すら解決しなくなるおそれがあるため。宗教全体に問題を広げると反発が大きくなり、一番肝心な統一教会問題が放置される可能性があるでしょう。
自民党支持者が「他の宗教も問題」と統一教会と自民党との問題から積極的に話題をそらそうとする動きも考えられそう…。前述の通り、統一教会は日本で最も問題がある宗教団体であり、まず、この問題に集中して解決すべき。統一教会だけなら、ほとんどの国民が一致して賛成です。まず、ここを是正しましょう。
以前から宗教団体関連の話はうちで多数書いてきましたし、この解決後であれば、私も問題を広げるのは賛成。政治的には海外を含めてなぜか圧倒的に右派と関連する宗教団体が多いものの、一部、右派以外と関係する団体も見られますので、そちらも取り上げてきました。右派だけ問題視しているわけではありません。
話は変わりますが、前述の報道は、公明党と連立する自民党を応援している産経新聞が報じていた…といのが気になるところ。産経新聞的にはどんなスタンスなんでしょうね…。そもそも産経新聞は統一教会とも絡みがあるところで、そこらへんでの胸中も気になるところです。
例えば、産経新聞社出身の自民党議員は、統一教会の重点支援候補だったんですよ。また、産経新聞はアメリカの統一教会系の右派新聞の記事をちょくちょく紹介しているとも以前指摘されていました。統一教会は右派にとって極めて重要な宗教団体であり、スタンスが気になるところです。
2022/08/21追記:上記を下書きした後、やはり「創価学会や他の宗教団体も問題を起こしているのに批判されないのは自民党潰しの陰謀」といった主張をいくつか見かけました。ただ、繰り返すように、これらの宗教団体も問題ではあるものの、まずダントツで被害額が多い統一教会問題を解決することが先決。警察が殺人犯を放置して自転車泥棒検挙に熱を入れるようなものです。
そもそもこうした「創価学会や他の宗教団体も問題を起こしているのに批判しないのは自民党潰しの陰謀」という主張は、明らかに自民党や統一教会への批判をそらすのが狙い。人生を壊すほど日本人から搾取するという統一教会の悪行を実質的に擁護し、なおかつ被害拡大を助けるものです。この主張に賛同してはいけません。
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