2019/03/16:
●ヨガの先生も健康どころか怪我が多い…「ヨガの先生」の先生が告白
●一般的に教えられるヨガのポーズがそもそも医学的に見て危険だった
●研究はあるが質が低く問題…ヨガで健康になるという科学的根拠はない
2021/09/25追記:
●ヨガをやった人たちはナルシストになりやすいという研究が出る 【NEW】
●瞑想・ヨガでエゴイストになるのは失敗…本来の思想とは異なる 【NEW】
●ヨガの先生も健康どころか怪我が多い…「ヨガの先生」の先生が告白
2019/03/16:アメリカのニューヨーク・タイムズに2012年1月5日、“ How Yoga Can Wreck Your Body”という記事が載ったそうです。このタイトルを和訳すると、「ヨガはどうあなたの身体を破壊するのか」というもの。ヨガで健康になるどころか、体を壊してしまうとのことですから、当然不健康だということになります。
このようにヨガが不健康だといった主張をしていたのは、なんと反ヨガの人ではなく、むしろヨガの当事者でした。インドで修行した後、40年近くニューヨークでヨガを教えてきて、「ヨガの先生」の先生をやっているというグレン・ブラックさんは、以下のように指摘していたといいます。
・むちうち症やぎっくり腰、肉離れ、筋をたがやす、などのヨガによる怪我や体調の不調を申し出る人が後を絶たない。
・ヨガの先生ですら腰を痛める、肉体的精神的にダメージを負っている人が多い。
・脳卒中などのシリアスな事態も引き起こしかねない。
(
ニューヨークのヨガ業界に激震!ヨガはあなたの身体を破壊する!? | 女性の美学より)
ヨガをやっている人ですから、「偽物のヨガ糾弾で私のやるような本物のヨガを」って主張の可能性を考えました。ただ、ヨガの先生ですら不健康になっている人が多いことを指摘しており、この話だけですと、ヨガそのものに問題があるかのように読めます。思った以上に、ヨガは良くないとする主張ですね。
●一般的に教えられるヨガのポーズがそもそも医学的に見て危険だった
ニューヨーク・タイムズの記事では、ヨガを行うことによって体を痛める理由として、以下のような点が挙げられてたそうです。
・なれないムリな姿勢を長時間させられる。
・身体のやわらかい人がまわりにいると自分も出来るはずだと無理をしてしまう。
・ヨガの先生は一度に大勢の生徒をみるので、きめ細やかな対応がなかなかできない。
・ヨガ講師の質の低下。
・もともとのヨガの意味を取り違えている。
これだと依然として偽ヨガだけへの批判の可能性がありましたが、そうではない話がやはり登場。欧米では一般的に教えられてきたヨガのポーズは一般の人にとって危険性があることを医学的な見地にのっとり報告していたとのこと。これもやはり基本的にヨガはほとんどすべて不健康だ…といった感じですね。
というか、前述のヨガの先生の先生をやっているというグレン・ブラックさん自身も、ヨガのせいで脊柱狭窄症(せきちゅうきょうさくしょう)になり手術を受けたとのこと。自分も体を壊して、危険性を認識したってことなんでしょうね。良くないものを普及させてしまったようです。が、考えを改められたというのは、良いことではあります。
●研究はあるが質が低く問題…ヨガで健康になるという科学的根拠はない
より多くの情報を見たいと思い、とりあえず
ヨーガ - Wikipediaを確認。アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)の
“Yoga: In Depth”では、以下のような見解だったそうです。
<エクササイズとしての現代のヨーガの健康への影響がさまざまに研究されてきたが、多くの研究は対象が少なすぎるなどの問題があり質が低いため、ほとんどの場合、健康管理のために有望であると言えるが、効果があると科学的に証明されているわけではない>
ただ、これは訳が悪いのかかなり変な記述。質の高い研究がないなら、「ヨガで健康になるという科学的根拠はない」と言わなくてはならず、「ほとんどの場合(中略)有望である」とは言えません。「将来健康に良いと判明する可能性を否定しないが、今のところ質の高い研究がなく不明」といったニュアンスです。
可能性があるなら信じて良いんじゃ?と思うかもしれませんが、これは詐欺的な健康法・疑似科学宣伝の商売の手口と同じ。幽霊がいる可能性も否定されていないわけで、こういったものを「信じられる」の根拠にしてしまうと、あらゆるものを信じなくてはいけなくなります。なので、可能性の段階で信じてはいけません。
科学的根拠がないのに「効果がありそうだ」と流行って消えた健康法は数多くあります。結局、根拠がなかったんですね。ヨガに関しても、大規模で質が高い研究が出てきてから判断すれば良いでしょう。無理にギャンブルする必要はないのです。特にヨガの場合、体を壊すリスクがあるという話でした。健康を気にするのなら、なおさら慎重にならなくてはいけません。
●ヨガをやった人たちはナルシストになりやすいという研究が出る
2021/09/25追記:今回読んだものの場合、ヨガでケガ…という話ではないのですが、別のところで使った記事でヨガに関する話が出ていたのでこちらにも追記。
【やはり】ヨガと瞑想で“超絶エゴイスト”が激増中! 無我と正反対の自己中すぎる欧米流「マインドフルネス」の欠陥露呈(最新研究)(2018.06.29)という記事です。
これを報じているTOCANAはオカルトを扱うサイトであんまり信頼できないサイトではあります。とはいえ、TOCANAはどちらかと言うとヨガや瞑想やマインドフルネスの意義を強調したいサイトじゃないかと思うので、ヨガ・瞑想・マインドフルネスがすごい!という記事とは逆方向で「問題あり」とする今回の記事の場合、信頼できる可能性があるかもしれません。
肝心の中身の話。記事では、瞑想やヨガについては多くの研究でフィジカルとメンタルにきわめて好影響を及ぼすことが報告されているものの、メリットだけを求めていると、本来の教義を見失ってしまいそうだ…と書いていました。やはりヨガそのものは肯定している模様。ただ、一部の人が活用法を間違っている…という主張のようです。
<英・サウサンプトン大学の研究チームが先日発表した研究では、ヨガ教室の受講生95人を15週間にわたって追跡した調査が行われている。
ヨガ受講生たちに対して3つの診断が行われ、自分は平均的な他者よりも壮健であると感じる自己増強感(self-enhancement)、ナルシスト度、自尊心の高低をそれぞれ適時診断した。
分析の結果、24時間以内にヨガのプラクティスを行った受講生は、3つの要素のすべてにおいても顕著に高い値を示していることが明らかになった。つまりヨガを行うことで、自分が強く感じられ、ナルシストになり、そして自尊心が高まっているのである>
●瞑想・ヨガでエゴイストになるのは失敗…本来の思想とは異なる
162人の瞑想クラスの受講生では、高い自己増強感と自尊心を確認。2つの受講生ともに生活の満足度が高まっていることも確認できました。ナルシストはともかく、ここらへんはただちに悪いことかどうかわかりづらいですね。ただ、“無我の境地”という、私利私欲やエゴから解き放たれた無私の精神状態を目指す目的から逸れてしまったという見方でした。
<研究チームによれば、瞑想やヨガが欧米においては誤解されていることが原因であると説明している。欧米における仏教は本来のゴールである「無私(selflessness)」の心を伝えることに失敗しているということだ。そのため欧米では仏教を通じて自己を増強することが目的になってしまっていると指摘している>
「カラダに良いこと」が目的化し、それを追求することで、自己中心的な行為になっているとの説明。この説明は理解できるところがあります。「自分はすごいことをしている。あなたたちはしていない」という考えは、むしろエゴですものね。これ、ヘルシーマニア・健康マニアな人全般に言えるんじゃ?と思ったら、記事でも以下のように書いていました。
<健康増進やダイエットなどへの関心の高さからフィットネス産業は今や一大ビジネスになっているが、そのブームの根底には「自分だけが健康になりたい」という排他的な現世利益を求める我欲も幾分かは混ざっているのかもしれない。健康を追い求めるあまりに心の余裕を失うことだけは避けたいものだ>
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