ディオバン(バルサルタン)問題で逮捕されたノバルティス元社員の白橋伸雄さん。相変わらずこの問題では独壇場状態の毎日新聞の特集で詳しく出ていました。
前にわからないと書いた出身大学などもあります。簡単にまとめるとこんな感じ。
・大阪工大工学部出身
・ノバルティスファーマの前身チバガイギーに入社
・入社当初は製薬会社で「MR」と呼ばれる営業担当者
・社内の派閥争いに敗れ、研究支援に転向
・統計学を学び、社内で重宝がられる
・医師などの社外の人からも信頼を得る
偽りの薬:バルサルタン事件/上(その1) 「彼は研究者側の先生」 毎日新聞 2014年06月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20140612ddm001040157000c.html ノバルティスの"元幹部は白橋容疑者を「会社よりも、向こう(研究者)側にいる『先生』」と説明し"ており、社内でも特別な存在であったようです。
この特集記事では白橋さんを知る人の話も出ていました。データ解析のプロセスに関わったある関係者だそうです。
「白橋さんはおとなしい人で、改ざんに積極的に関わるとは思えない。本当に改ざんの主人公なのか、大学側の関与はないのか」
偽りの薬:バルサルタン事件/上(その2止) 組織の関与ないのか 疑念、一層深く 毎日新聞 2014年06月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20140612ddm041040054000c.html ただ、まあ、この手のまさかあの人が…みたいなものは、基本的に信頼に足るものではありません。よくある犯罪者の近所の人の話で「そんな人には見えなかった…」というのと同じですね。重視する必要はありません。
また、そんな人に見えないからこそ信頼されるというのもあります。見るからに怪しそうな人はそもそも信頼されませんので、信頼できそうな人ほど気づいたときには取り返しのつかないところまで事態が悪化している…というのがたびたびあります。お金の使い込みなんかはそうですね。
それから、ノバルティス社員という所属を隠し、大学講師という肩書で研究に参加している時点で悪意がありまくりです。元の言葉が「改ざんに積極的に関わるとは思えない」ですから消極的に悪いことをしたのならわかるという意味なのでしょうけど、肩書を偽る時点で少なくともあんまりいい人ではありませんよね。
さらに今回の場合、5つの大学全てで不自然な結果が出ています。この全てに関わっている白橋さんやノバルティスをまず疑うというのが基本です。その他が主体かもしれないと考えるのは、その後のことでしょう。
ノバルティス元社員、全論文改ざんか 京都府立医大研究:朝日新聞デジタル 2014年6月14日09時05分
製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンに関する論文不正事件で、同社元社員の白橋伸雄容疑者(63)が改ざんしたとされるデータは、逮捕容疑となった2011年の論文だけではなく、京都府立医大の研究チームが09年以降に出したほかの関連論文にも使われていたことがわかった。研究チームがディオバンについて執筆した計7論文のすべてが改ざんされていた可能性が強まった。
http://www.asahi.com/articles/ASG6F5D7FG6FUTIL035.html
ただ、一方で大学側に問題がなかったかと言うと、大いに問題があったと思います。私はむしろ大学側の罪もきちんと問うてほしいと考えています。白橋さん個人の問題にして終わらせてしまうことも、また望ましいことだとは思っていません。
私としては、どっちかだけが悪いと単純化するのではなく、両方に問題があったことを前提に不足なく事実を明らかにしてほしいということです。うちに以前医療関係者の方からブログ内容に文句を言うメールが来ていましたが、結局互いに責任を押し付けあっているだけなんですよね。誰も反省していません。
追加
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