"ピーター・ブラウン氏らの研究をまとめた研究著書によると、こういった「集中型学習」に対する認識には間違いがあり、素早く効果的に知識を獲得するには、間隔をおいて学習を行う「間隔型学習」が効果的であるとのこと"です。
1万時間勉強するより効果的な学習方法とは? - GIGAZINE 2014年04月23日 06時00分17秒
http://gigazine.net/news/20140423-ditch-the-10000-hour-rule/◆間隔型学習
1日で4つのレッスンを受けたグループより、1週間で4つのレッスンを間隔を空けて受けたグループの方が優れていた。
間隔型学習が効果的な理由は、新しい知識の意味を学習し、予備知識に接続する、というプロセスを数時間・数日の間隔を置いて行うことで、長期記憶の中に知識が埋め込まれ、記憶痕跡が強化されるため。少し忘れた後に脳内で知識を検索し直すことで、記憶を統合・強化する効果があるとのことです。
実験自体は「1日で4つのレッスンを受けたグループ」の実技のテストが何日後に行われたものか書かれておらず、単に間隔が空きすぎていたんじゃないの?という気もしなくはないです。ただ、以降の実験は特に変なものではないので、おそらくそこらへんは考慮の上なのでしょう。
おもしろいのが学校の授業というのがそのまま効果的な学習方法になっているってことです。学校の授業も通常は1日あるいは数日など、続けて同じ教科を勉強するというわけではなく、1週間に数時間ずつ長いスパンで習っていきます。それが実はすごく良かったってことですね。
なお、記事では一夜漬けみたいなのは劣ると書いていましたが、一夜漬けに相当しそうなのがここで比較されたタイプの「集中型学習」かもしれません。テスト終わったら見事に抜け落ちますよね。経験あります。
◆交互的学習
研究によると、メインのスキルを習得するため、別の練習を2つ以上組み合わせて交互に学習する方が効果的だとわかった。
2つの大学生グループに、「くさび形・回転楕円面・球状円錐・円錐の半分」のといった幾何学的な個体の容積を求める方法を教えました。1つのグループは個体の形ごとにまとめて練習問題を行わせ、もう一方には同じ練習問題をバラバラに混同して出題。その後すぐ、練習結果を確かめるテストを行ったところ、まとめて教わったグループの平均正解率は89%に達しますが、混同して教わったグループの正解率は60%。しかし、1週間後に同じ学生を集めて最終テストを受けてもらったところ、前者のグループの正解率は20%に落ち込みましたが、後者のグループは63%とほぼ同程度を維持していたとのこと。
これはちょっと変わっています。わざとごっちゃ混ぜでやるっことですね。そのごちゃ混ぜのせいか、直後の正解率は負けます。しかし、その後正解率が落ちない(上の例では逆に微増している)ので、集中型のグループとの成績が逆転するようです。
こちらは最初の例とは異なり、現在の学校では行われていない学習方法でしょう。
◆多様型学習
ビーンバッグ(お手玉)をバケツに投げ入れるテストにおいて、本番と同じ3フィートで練習したグループより2フィートと4フィートで練習したグループの方が良かった。
この実験結果は、さまざまな練習によって運動神経が熟達したためと考えられましたが、研究を進めるにつれて、異なる条件の練習を複数行うことで1つの状況を成功させるという「多様型学習」は、認識学習にも当てはまることを示しています。異なる条件による練習が脳の幅広い領域を活性化していることは、神経画像検査の研究でも判明しているとのこと。多用型学習は、異なる角度からの学習を取り入れることにより、学習がコード化されて知力が増加し、さまざまな状況に適応できる柔軟な表現力を獲得できるため、と研究チームは推察しています。
こちらは勉強での応用法がイマイチわかりませんが、やはり現在の学習方法としては意識されていないものだと思います。
それにしてもこの実験はおもしろいですね。普通は本番と同じ方法でやった方が勝つと思われるのですが、逆に本番とは異なる環境で行ったグループが勝っています。スポーツ選手を指導する人も「えっ?」と驚く結果だと思われます。
集中型学習の悪さについては、今やすっかりイメージが悪くなった理研でも研究されていたようです。私が例に挙げた一夜漬けですね。(改行は変更)
一夜漬けっていい勉強法? | 大学受験の予備校・塾 東進ハイスクール 青葉台校
一夜漬けの実験結果が、理化学研究所から発表されています!
実験の成果をまとめると・・・
・集中学習(一夜漬けなど、休憩を挟まないで行う長時間の学習)の記憶は小脳皮質に保持
・分散学習(適度に休憩をはさんで行う短時間の学習)の記憶は小脳核に保持
・休憩中に小脳皮質のプルキンエ細胞で作られるタンパク質が長期記憶に必要
→学習の記憶が小脳の中でどのようにして長期記憶として保持されるのかを分子レベルで特定し、分散学習と集中学習で脳の中で、記憶を保持する場所が異なることが分かる。分散学習の方が集中学習よりも、学習効果があることが分かる。
GIGAZINEでは「間隔を空けてさまざまな練習を組み合わせて行う」というやり方をしているフットボールチームの話も出ていました。スポーツでも勉強法でも同様の結果ってのは特におもしろいですね。
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