2014/6/18:
●Wikipediaにも項目がある沖縄時間(うちなータイム)
●南国では時間はゆっくり流れる…断言されてるけど本当なの?
●沖縄時間だけじゃない 博多時間もあるが誤用も多い
●わざと遅刻する博多時間は思いやりから始まったもの
●鹿児島にも薩摩時間 遅れて到着する度に乾杯して盛り上がり!
●奄美群島にも「島時間」、宮崎県にも「日向時間」がある!
2021/11/08追記:
●北でもご当地時間があった!東方・宮城県にある「仙台時間」 【NEW】
●Wikipediaにも項目がある沖縄時間(うちなータイム)
2014/6/18:沖縄の方の時間感覚が違うって話は聞いたことがありました。検索すると、
Wikipediaにも「ウチナータイム」という項目があります。
・ウチナータイム(日:沖縄タイム、沖縄時間)とは、日本の南西端沖縄県に存在する、日本本土とは異なる独特の時間感覚。または、沖縄において集会・行事などが予定時刻より遅れて始まること。
・日本の沖縄県においては、特に本土または内地と呼ばれる他46都道府県と異なる独特の時間感覚が存在する。これをウチナータイム、または沖縄タイムと呼ぶ(ウチナーとは琉球語で沖縄のこと)。
・南国であるためかその時間はゆっくり流れ、県民性は「テーゲー」(適当、いい加減)と称され、または「なんくるないさー」(なんとかなるさ)、細かいことや過ぎたことは気にしないとされる。
●南国では時間はゆっくり流れる…断言されてるけど本当なの?
途中で余計なツッコミ入れちゃいますが、"南国であるためかその時間はゆっくり流れ"って「辞典」という体裁をとっているWikipediaらしからぬ言葉ですね。このWikipediaページは、全体に文章が緩い感じでした。もちろん地域によって時間の流れが異なるわけではありませんから、比喩的な意味で言っているのでしょうね。
・飲み会などにおいては、約束の時間に間に合わせるといった概念、あるいは間に合わないことは悪いことであると言う概念は希薄、もしくは存在しないと言われるほどであり、
飲み会への30分や1時間の遅刻はザラであると言う。
・その他各種集会などについてもそのような傾向があり、主催者側も心得たもの、特に慌てもしないし、そもそも開始時間にサバを読んでおくなどと言う場合もある。
・第一、待ち合わせ時間に待ち合わせ場所に到着してもどうせまだ誰も来ていないのであるから、遅れていくのも仕方ないと言った次第であり、遅刻くらいで文句を言う人間は口うるさいなどとして逆に嫌われる場合もある。
●沖縄時間だけじゃない 博多時間もあるが誤用も多い
ただし、日本の中で沖縄県だけ特別ということではありません。驚いたのが沖縄以外にも似たような時間感覚の相違があるという話です。これがまた南なんですね。"南国であるためかその時間はゆっくり流れ"…のせいでしょうか。
この話があったのは、
「博多時間」「沖縄時間」って? 訪問先への礼儀 :日本経済新聞 西部支社 後藤伸太郎という記事。「沖縄時間」だけでなく、「沖縄時間」というものがタイトルになっています。
博多時間を象徴する例として、宴会の際に時間通りに集まらないことを挙げる人は多いとのこと。こうした習慣が広く伝わり、今では博多時間とはルーズな時間感覚の意味だという理解もあるようです。約束に遅れた際に「博多時間ですいません」などと謝る人がいるのは、そういった用法です。
ただ、上記の意味や用法は本来間違い。福岡県出身で元日本文化人類学会会長の波平恵美子さん(71)は「博多時間には本来もっと深い意味合いがあり、意味を取り違えている人が少なくない」と指摘しています。あと、全然博多時間と関係ないんですが、「波平」さんって個性的な苗字ですね。サザエさんのお父さん「磯野波平」を思い出します。
●わざと遅刻する博多時間は思いやりから始まったもの
波平さんによると、商売第一の博多商人の家を訪ねる時、約束の時間より前に行くと、ギリギリまで客の迎え入れ準備をしている相手に迷惑をかけるという問題があり、「ちょっと遅れて行くのが礼儀として博多時間が定着した。宴席などでは、特に立場が上の人にみられる習慣」だとされていました。
本来は相手への思いやりであり、決して時間にルーズなわけではなかったのです。ただ、正直文化によりますよね。私の場合は遅れて来られた方が迷惑ですし、全国ではそういう人は多いでしょう。あと、ここらへんの由来・意味は沖縄時間と異なります。日経新聞は「現地では時間そのものを大ざっぱに捉えているようだ」と書いていましたし、Wikipediaの説明でも以下の通り。
<『沖縄コンパクト辞典』によれば、夜が長く、鉄道なども無い風土柄によって培われてきた概念とされ、その遅れ方にも地域差があると言われる。また、夜型社会でもあり、飲酒を好む県民性や車社会であると言った面も原因として考えられるようだ>
●鹿児島にも薩摩時間 遅れて到着する度に乾杯して盛り上がり!
もう一つ日経新聞に出ていたのが「薩摩時間」。いろいろありますね。こちらは沖縄時間と近い感覚でしょうか。鹿児島県奄美大島出身の民俗学者、鹿児島国際大学の山下欣一名誉教授(85)は「薩摩時間の場合、プライベートな飲み会などを開く時には、大まかな集合時間を決め、都合の良い時間に集まってくる」と話していました。
ご当地では1~2時間の遅れには寛容で、参加者が遅れて到着する度に、乾杯を繰り返して盛り上がる光景が県内の居酒屋などでみられるそうです。「プライベート」とあるように、「オフィシャルな行事には遅刻しない文化」とのこと。これは本来商人の習慣だったとされるのでビジネスでの習慣だったと考えられる「博多時間」でも同様。
博多でも、取引先との打ち合わせなど仕事に関することや、結婚式など半ば公的な行事の時には時間通りに集まるのが一般的だそうです。私的な行事の際にはわざと約束時間に遅れて行く習慣が根付いたとされていました。元の由来の説明からすると変な話なんですけど…。
●奄美群島にも「島時間」、宮崎県にも「日向時間」がある!
実は、「うちなータイム」の方もWikipediaにビジネスでの話が出ていました。1972年の本土復帰後はさすがに減少傾向にあり、ビジネスの現場ではかなり改善されてきているようであるものの、それを「企業の内地化」と呼ぶ向きもあるとのことです。減少していく傾向にあるようです。
なお、Wikipediaでは、さらに別の地方の記述も登場。<鹿児島県 奄美群島には「島時間」、宮崎県には「日向時間」という言葉があり、これらの地域の一部には沖縄にも似た南国気質が存在する>とされていました。このうち「日向時間」については、日経新聞が「沖縄時間」タイプと分類されています。
その後、2021年11月8日にWikipediaを見直すと、奄美群島の「島時間」には要出典となっていました。ちょっと出典がはっきりしないところがあるようです。ただ、奄美諸島を入れても入れなくても、ことごとく南国だというのがおもしろいですね。こういった研究はおもしろいと思いますので、どんどんやっていただきたいです。
●北でもご当地時間があった!東方・宮城県にある「仙台時間」
2021/11/08追記:今まで出ていたのは南の方の話ばかりでした。最初のときにも「南国では時間はゆっくり流れる」みたいな話がありましたよね。ただ、Wikipediaを見ていると、<九州以外でも同様の事象があり、宮城県では「仙台時間」と呼ばれている>という話を発見。この出典は、
レファレンス協同データベースです。
ここでは、利用者の質問に図書館の人が答えてくれるという便利なサイト。今回は、仙台市民図書館が調べてくれています。市民から<よく「仙台時間」といわれるが、定義のようなものはあるのか?>という2015年の質問に答えたものでした。聞いたことなかったですが、地元では結構言われるのかもしれません。以下のような回答でした。
<仙台時間とは「約束の時間に遅れがちになること」などをいう。『よもやま探訪記「仙台人」気質』p149の中にも、「ものごとに無頓着で時間の観念がない」、「時間を守らないのを「仙台時間」という」ことが書かれている。さらに「会議が定刻通り始まらない「仙台時間」」の記載も発見した。『仙台あるある』p11には「会議の始まりも仙台時間を見越して案内」していたそうだ。「最近ようやく仙台時間がなくなってきている」とのことだが、明確な定義を見つけることはできなかった。
また、真山彬著『仙台方言考』p92の中に「今はさる事もなかるべきが、われ等少年の頃の集會は、所定の時間に人が集まらぬが常にて、刻限に遅るることを仙台時間なりと云ひ、主客ともに平氣にてゐたりしなり」と仙台時間を表現している一文がある。(同様の文言が『とうほく方言の泉〈中〉ことばの玉手箱』に記載あり。)
「仙臺市民讀本」p84には「…物事に無頓着で、時間の観念がなく、諸人から時間を守らないことを仙台時間と稱されてゐる」と書かれている>
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