ディオバン問題の主役は、問題が大きくなってから会社を辞めたノバルティスの社員白橋伸雄さんだと言えます。逮捕もされました。ただ、同様に問題が大きくなって辞めた京都府立医科大学の松原弘明・元教授も重要な人物。このお二人が互いに「相手が悪い」と醜くやり合っていました。
なお、松原弘明・元教授はその後、これまた悪いことで有名になった徳洲会病院に勤務しているとのこと。ディオバン問題は、STAP細胞関係の人とも縁がある人が関わっており、最近の医学系の悪い話題が豊富な話になりました。(2014/6/18)
2017/10/24:松原弘明・元教授の息子はフジテレビ社員で暴行して逮捕?
●白橋伸雄元社員 VS 松原弘明元教授 互いに責任を押し付け合い
2014/6/18:他のところでも書いていますけど、白橋伸雄ノバルティス元社員にしても、松原弘明元教授にしても、相手に責任をなすりつけ合おうとしているだけで、どちらかが信用できるというものではありません。
また、これまた繰り返し書いているように、内容的にはどちらにも罪がある可能性が高いものであり、大規模な不正でもありますので、片側だけ悪いって話にしてもらっては困ります。
…といったことを踏まえてこういうニュースです。
「元社員が論文作成持ちかけてきた」 6月12日 16時39分 NHK
(引用者注:高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究で、京都府立医科大学の)研究チームの責任者だった松原弘明元教授が取材に応じ、論文を作成した経緯について「白橋元社員からディオバンと別の薬を併用したときの治療効果を確かめてみないかと持ちかけられて論文を書いた」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140612/k10015175171000.html
●松原教授も悪いが「社員側から」は説得力あり
松原弘明教授、ノバルティス社員参加問題視の医師の指摘を握り潰し?で出てきたように、松原教授に下心があった可能性は極めて高そうです。問題が生じると簡単に予想できただけでなく、指摘まで受けて対策しなかったのですから、言い訳のしようがありません。
ただ、元記事のタイトルにある「論文作成持ちかけてきた」ということなら、元社員(当時は現役社員)側からというのは不自然ではありません。というのも、全部で5つの大学の研究が問題になっている中で、京都府立医大が最初の臨床試験ではないためです。元社員の方から他の大学と同じように…と持ちかけてきたという方が話が自然です。
本文を見ると、これは「別の薬を併用したときの治療効果」という論文テーマのような細かい話のようです。そこまで製薬会社社員で決めてくるものか?とも思いますが、こうした臨床研究が製薬会社主導であることは業界では周知の事実だという報道もありました。
また、こういった問題が起きるのは、臨床研究をやる能力がないのに見栄を張ってやろうとする教授側にも原因があるという指摘がありましたので、それとも合う話でもあります。この説は松原教授など、今回問題になった大学の先生方が無能だと暗に言っているわけで、たいへん失礼ですけどね。
●白橋伸雄氏は松原教授がテーマを決めたと反論
なお、松原教授は"当時はノバルティスがこの2つの薬の成分を配合した新しい薬を発売した時期"なので、「元社員には新薬を売りやすくするねらいがあったのではないか」と話しているようです。
一方、当然ながら白橋元社員がこれを認めているわけではなく、「論文のテーマは研究者側が決めていた」と逮捕前は説明していたようです。
どちらかが嘘をついているわけですけど、どちらにしたって認めたくないところですから、やっぱり一方が信頼できるって話ではありませんね。
●松原弘明・元教授は今、徳洲会病院で医師をやっている
とりあえず今のところ捕まっているのは白橋さんだけですので、報道も白橋さんに不利な情報が多いです。ただ、今回は松原教授の話が知りたいなぁと検索すると、出てきたのは日刊ゲンダイ。あてにならないソースですが、一応覗いてみます。
日刊ゲンダイ|ノバルティス不正 疑惑の「元教授」に司直のメス入るのか 2014年6月14日
(引用者注:逮捕された)白橋は単なる組織の歯車のひとつ。もっと悪いヤツらは、製薬会社とそれに加担した大学教授たちだ。捏造(ねつぞう)データでつくった薬の売り上げは、14年間で1兆2000億円以上。東大の上昌広特任教授は、「ノバルティス社が国民の健康保険料を不正に盗み取った」とし、健保組合に返還請求訴訟を促していたが、もっともな話だ。
http://nikkan-gendai.com/articles/view/news/150969
最初、「製薬会社」という文字を読み落としていて、日刊ゲンダイは大学教授側を問題視なのかと思いましたが、その次を読んで製薬会社と入っていることに気づきました。「みんな悪いから矮小化すんな」というのなら、私と同じスタンスです。
ただ、この記事ではやはり大学教授を責める内容です。"中でも悪質なのが、京都府立医大の松原弘明元教授(57)である"とこちらでは、松原教授が標的になっていました。
松原元教授は論文の不正が発覚し、昨年2月末に京都府立医大を依願退職している。同大が改めて調査したところ、99年から11年までに執筆した18論文のうち、14本54件に画像の改ざんなどの不正が発覚した。小保方さんどころの騒ぎではない。
日刊ゲンダイではSTAP細胞問題では初期から奮闘しており、良い報道でした。それ以上という書き方をしていたのは、ちょっと驚きです。
単純な論文数で言うと、残念なことに日本は近年研究不正を連発しているために、松原教授以上の事件が複数あります。また、中身の濃さではやはりSTAP細胞に勝てません。ここは14本54件でもまだ上がいる…ということを嘆く書き方の方が良いと思いますけどね。
ただ、ディオバンは動いた金額、患者への影響、大きな臨床研究でしかも5大学で…などといった問題があり、日本一だと言える部分もあります。やはり松原教授で分けずに「ディオバン」というくくりで見た方が、問題の深刻さがよくわかる話でしょう。
(ちなみに5大学の関係では、当時千葉大だった小室一成教授がSTAP細胞不正で名前の上がるセルシード関連の論文もやっています。→
STAP細胞問題 小保方晴子,大和雅之,岡野光夫などの利益相反隠蔽)
●松原弘明・教授は今、徳洲会病院で医師
とりあえず、どっちがひどいか?なんて話は、重要じゃありません。それよりここは松原教授個人の話…ということにしていたので、もう少し紹介。
「82年に関西医科大を卒業し、米ハーバード大への留学経験もある。46歳で府立医大の教授に出世したエリートです。しかし、昔からなにかとウワサがあり、<製薬会社とつるんでいる>と評判は良くなかったですね」(大学関係者)
またハーバード大か。何かイメージ悪くなりますね。で、笑ったのが現在の職業。"徳洲会病院に拾ってもらい"、奄美大島の"名瀬徳洲会病院で医師として勤務してい"るとのこと。自民党議員の選挙違反事件で問題になった徳洲会病院まで出てきましたよ!
昨年の医療界の問題におけるツートップ、ディオバンと徳洲会が繋がっちゃいました。(医師に聞いた重大ニュースでも1位と2位でした。うちで紹介したはずですけど、どの投稿だったかわからず)
あまりの予想外なことに笑っちゃいましたが、笑い事じゃないですよね。本当、最近この界隈の話題はひどい話ばかりです。
●松原弘明・元教授の息子はフジテレビ社員で暴行して逮捕?
2017/10/24:松原弘明・元教授が久しぶりに話題になっていて何かと思ったら、息子が逮捕されたという話。ただ、ソース不明で正直かなり怪しいものです。
まず、タクシーを降りた際に次の客とトラブルになり、顔を踏みつけたフジテレビ社員が逮捕されたというのがスタート地点。今回、松原弘明・元教授が話題になったのは、この逮捕された人の父親だという情報のせいです。ただ、この情報を記載したサイトでは証拠の提示が一切なく、確認しようがありませんでした。証拠が出てくるまで、私からは何とも言えません。
同時にここでは、松原弘明・元教授が逮捕されていると書いていたものの、これはおそらくデマと言って大丈夫でしょう。白橋さんは逮捕されたものの、松原元教授は逮捕されていないはずです。
ネットでは、既存マスメディアは嘘ばかりと言います。実際にマスコミが誤報などを出すのは事実なのですが、裏取りや取材をしていることが多い上に、複数の人の目を通しているため、一般人の情報よりはずっとマシです。必ず証拠となる情報があるかを確かめるくせをつけましょう。
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