2020/02/01:
●日本ではトーナメントとリーグ戦が反対語のような使い方
●トーナメント戦が勝ち抜き試合方式…は日本の誤解?英語だと…
●リーグ戦を総当たり戦とする日本人の理解も問題の可能性
●和英辞典のtournamentの説明では日本式…実は日本人が正しい?
●日本ではトーナメントとリーグ戦が反対語のような使い方
2020/02/01:日本人の理解では、トーナメントと言うのは勝ち抜き試合方式のこと。一般的な日本の辞書でも「試合・競技で、敗者を除いていき、勝者どうしが戦い抜いて優勝を決める試合方式。勝ち残り式試合方法。勝ち抜き試合」と説明。さらに別方式として、リーグ戦(総当たり戦)というものを想定しています。(
トーナメントとは - コトバンク デジタル大辞泉の解説より)
コトバンクのブリタニカ国際大百科事典 小項目事典でも、やはり「勝ち抜き形式の試合方法」と断言。また、以下のようにフランスでのトーナメントの古い意味を紹介しているために、海外でも日本と同じ理解であるかのように読めます。
<トーナメントが勝ち抜き試合方式という用語となったのは 20世紀初頭からで,もとは 11世紀中頃フランスに興り,中世ヨーロッパで盛んに行われた騎士の馬上競技をさした>
●トーナメント戦が勝ち抜き試合方式…は日本の誤解?英語だと…
ところが、
トーナメント方式 - Wikipediaでは、これを完全否定しています。日本独自の定義だとして、以下のような説明があるのです。
<日本では勝ち抜き戦そのものを「トーナメント」と呼んでいるため、「決勝トーナメント」という独自の用語も生まれている。例えばFIFAワールドカップで「final tournament」というのは予選を勝ち抜いた出場国による本大会のことであり、決勝トーナメントは「Knockout stage」と呼称されている。JFAでは2015年より「決勝トーナメント」という呼称を廃止している。
ゴルフやテニスなどでは英語の「tournament」の意味に近い「大会」という意味で使われている>
上記で出ていたJFAというのは、日本サッカー協会のこと。国際サッカー連盟(FIFA)にならって、ノックアウトステージという言い方を今はしていたと思います。このWikipediaでは、日本で言うトーナメント方式のことを、ノックアウトシステムとも呼んでいました。
●リーグ戦を総当たり戦とする日本人の理解も問題の可能性
英語ではなんと言うかがよりわかりやすいのは、以下の説明部分。前述の「knockout system」が最も適切な訳語かもしれません。
<勝ち残り式トーナメント方式は、1対1の戦いによる勝ち抜き戦である。多くの変種が存在するが、基本形は均等な「シングル イリミネーション トーナメント」である。この方式では、勝負に負けた選手(チーム)はその時点で脱落し、勝者同士で対戦を繰り返しながら勝者を決定する。日本語で単にトーナメントといえばこの方式を指すことが多い。英語では「knockout system」などでも通用する。なお陸上競技の短距離走・競泳など、一度の予選に複数人が参加し上位が上のステージに進出する形式もこれに類する>
このページは、<この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です>とされており、他のWikipediaページより信頼性は劣ります。ただし、上記を見てわかるように、トーナメントが勝ち抜き試合方式の意味で使われない例を出しており、むしろ辞書の説明よりも矛盾がありません。ゴルフやテニスなんかは日本でもそういう使い方をされていますよね。
今回の話から逸れるので深入りしないのですけど、私は日本で言うトーナメント戦の反対語のように使われているリーグ戦が総当たり戦と同じ意味で使われているのも、ひょっとしたら問題があるかも…と考えています。例えば、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグやAFCチャンピオンズリーグでは、日本で言うトーナメント戦を後半で採用。リーグだから総当たり戦ということではないのです。
●和英辞典のtournamentの説明では日本式…実は日本人が正しい?
Wikipediaが要出典つきであったために英語辞書を見てみたのですけど、辞書によっては日本人的な理解で間違いないような説明が載っていました。まさかの大逆転でしょうか。ただ、前述の通り、実際の英語の使い方を見えると、矛盾が生じているために到底正しいとは考えられません。
で、何かないかとしつこく探していると、
英辞郎 on the WEB:アルクのtournamentのところで、以下のようなWikipediaと似た説明がありました。この理解でほぼ間違いないと思われます。
<〔競技の〕トーナメント◆優勝者を決めるための一連の試合。必ずしも「勝ち抜き試合」を意味するわけではない>
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