<例外なく24時間営業はブラック企業?禁止の提案に賛成意見続出>、<個別の問題を無視して「みんな一緒」を強要…社会主義的でもある>、<年中無休・24時間営業ブラック企業論が見逃している大事なポイント>などをまとめています。
●「24時間営業しているところは全部ブラック企業」という記事出る
2014/6/28:こういうのは持論がいろいろとあって面倒くさい話。だからこそおもしろいというのもあるのでしょうが…。極論すぎるM【雑感】24時間営業に反対<(Sakura Financial News | 9999 - 2014年06月15日 23:27 JST)という記事がニュースサイトに載っていました。
<24時間営業しているということは、その間、従業員が働いているということです。しかし、徹夜で働けば、体に良いわけがありません。
世間ではワタミがブラック企業の代表のように言われていますが、私に言わせれば24時間営業しているところは全部ブラック企業です>
リンク切れ
http://www.sakurafinancialnews.com/news/9999/20140615_8
深夜の売上について"夜間はバイト代も高く、赤字だと思います"と書いていらっしゃいましたが、それを前提に"昼間の料金に加算されて""一部の人の利便のために、わざわざ高いものを買わされ"ているとしていました。でも、ここらへんの話、根拠あるんでしょうかね…。
●例外なく24時間営業はブラック企業?禁止の提案に賛成意見続出
それはさておき、私が驚いたのは、これに賛成する意見の多さです。この記事を引用した記事を引用した2ちゃんねるをまとめたサイト(ややこしくてすみません)では、賛成一色で否定的な意見はほとんどなし。これだけだとまとめ方による偏向…という可能性もあるんですが、まとめサイトでのコメント欄も同じ流れだったのです。
また、2ちゃんねるなどでは、24時間対応している流通業や工場まで、深夜の仕事をやめるのに賛成という人が出ていてさらに驚き。ただし、1回ごとに反応を終えることができる回分式(バッチ式)ではない、1年間など長期で稼働している連続生産の工場などは、実際には作業を止められないんですよね…。
元の記事の方はどこまで考えていたか?と言うと、<警察・病院等を除いて24時間営業に反対です>としていたものの、他は小売業しか想定していないような内容でした。2ちゃんねるの人の他、元記事でも、世の中には様々な仕事があるということが、理解されていないように思えます。
●個別の問題を無視して「みんな一緒」を強要…社会主義的でもある
最初に面倒くさい話と書いたようにここで私の意見を書いちゃうと、反応が来そうで書きたくないのですが、私は元記事を読んでいて「何言ってんの、この人?」とぽかんとなったので、賛成意見の多さに驚きました。叩かれそうな記事だと思ったら、むしろ賛成だらけ。叩かれるとすれば、たぶん私の方なんでしょうね。
私の考え方として、民間の仕事に公が過剰に介入して…とか、みんないっしょに同じことをしましょうというのが、まず生理的に嫌い。以前、政治家らが大騒ぎした消費税増税に伴う還元セール禁止なんかもそうですね。消費税還元セールにしても、24時間営業にしても、個々に起きている問題を解決せずに全部禁止にしてしまえばいい…というものです。
消費税還元セール禁止を言い出したのは自民党の政治家でしたが、こうやって政府が民間をコントロールしようとするのは、欧米から「社会主義国家」とバカにされているやり方。自民党ってかなり「左」なところあるんですよね。まるで中国共産党のようなやり方でしょう。
●コンビニエンスストアで問題が起きやすいのは事実だが理由がある
ただし、24時間営業禁止に賛成する理由もいろいろあるでしょう。絡まれると面倒なので、私はこれ以上突っ込みません。その代わり、最初の記事を取り上げたブロゴスの記事に対する反応を。不思議なことにこちらは、反対コメントが半分くらいありました。2ちゃんねるやまとめサイトとはだいぶ違っていて、おもしろいです。
<24時間営業しても採算が合うか否かは経営者の判断 ブラック云々とは何の関係もありません>
<ていうか、このエントリは何を言いたいんでしょう・・・・何も結論が無いんですが?>
<やり方次第、としか言いようが無い。深夜店を閉めていても、冷蔵庫や保安で電気は食うのだ。客が来るなら店を開けておいた方がいいという考え方は当然ある>
<あとは店員を確保できるかどうか。経費と売上で、よりプラスの方を取ればいいだけの話である>
<無理をするならブラックになりかねないが、企業や店舗が無理するポイントは、別に24時間営業に限った話じゃない>
(「24時間営業」は諸悪の根源なのか これをやめれば「昼間の賃金上がる」「従業員もラクできる」?より)
http://blogos.com/article/88572/forum/ そういえば、元のケースで主に想定していたコンビニは、特に問題が起きやすい業態だとは思います。コンビニはフランチャイズ形式であり、オーナーに負担がかかる、契約の縛りがある、本部の力が強いなど、特有の問題が大きいんですよね。逆らえない弱いところで、ブラック労働が起きやすくなるのです。
そういうわけで、たいへんなことになりやすい…というのはわかるんですが、これはさっき書いた「個々に起きている問題」であり、24時間営業をなくしたとしても、オーナーに負担が行きやすいという問題は解決しません。私はこっちの「オーナーに負担が行きやすい」というところが本質的な問題だと思いますけどね。
●ブラックかどうかは企業の問題であり24時間営業の問題ではない
ブロゴスコメントをもう少し引用。「ブラック企業かどうかは企業の問題であり24時間営業の問題ではない」といった意見も出ており、これが一番私の考え方に近いです。
<ブラック企業かどうかは企業の問題。
24時間営業かどうかは消費者側も関係しているので社会問題。
ごっちゃにして24時間営業はブラック企業だは筋違いだろう。
問題意識としては一理あるが、それは社会文化に向けてのことでなければいけない>
<労働者(フランチャイズオーナー含む)視点でいえば24時間は、ブラックの根源でしょうね。高給の金融・証券・医療以外で年中無休の会社に入社したら、まともな生活はできないでしょう。
ただ、深夜・休日需要に対して自由な経営判断は尊重されるべき>
<ブラック企業とは直接的には関係ないですね。
24時間をやめたら雇用の場所が少なくなるから、昼間の賃金が高くなるか、商品が安くなるかはわかりませんが、失業率は上がりますね。失業率が高まれば、劣悪環境でも働く人がいてブラック化する企業が出てくるという流れならわかります。
最近、巷では外食チェーンの時給単価が上がったから、人材不足みたいな言い方を口をそろえてマスコミが言ってますが、これも一種の同じような考え方で間違った理解になってますね
雇う人を2人から1人にして単価を若干あげ、本来2人分の作業を1人でこなせというノルマを課す。
ブラック化が加速しているという話。つまり2人で時給1800円を1人で1500円だかにして、やるべき労働量は2人分を1人にさせるやり方。
先週ぐらいかな、TVタックルで自民党の議員が、「人材不足ですよ、聞くと200人の募集に対し3人しか募集がなかった企業があるくらいですからね。」とか嘘言ってましたけど(某ブラック認定の企業が敬遠された話をあたかも人材不足ですという話にしてた)、ブラック肯定の発言かと耳を疑いました。単に低レベルな議員だけだったのかな>
<深夜労働は賃金を上げろと主張するならわかるけど、深夜営業をやめろといって経済活動を制限するのは労働者から雇用の場を奪うだけでしょうね>
<元夜間勤務者だが、昼間は客が多くてできない仕事をやってた 日配系のものは夜中に届くが、朝の買い物客に間に合わせるには夜間勤務しないと無理>
<現場を知らない方の机上の空論>
…といった感じでしたが、反対が多かったわけではなく、反対より賛成が多かったことは最後にもう一度強調しておきます。上記サイトですら半分くらいは賛成意見であり、2ちゃんねるとまとめサイトで賛成が圧勝だったことを考えると、賛成の方が多数派なんだと思われます。
●年中無休・24時間営業ブラック企業論が見逃している大事なポイント
2019/03/01追記:最近、年中無休をやっていた企業が一斉に休むといったことをしています。これはすごく良いことのように言われていますが、ややパフォーマンス的・偽善的なところがあり、私としては複雑な気分になっちゃいますね。24時間営業といっしょで本質ではないところなのです。
以前、保育園の保育士について、妊娠する順番を決められていて自由に子供を作れないという、人権侵害が話題になりました。「仕方ないじゃん」と賛同してしまう人も多いのですけど、これは雇っている保育士が少なすぎること、保育士の年齢性別に偏りがあり多様性がないことなどの問題。本来ならもっと人員が必要なのにケチっているから、人権侵害をしないと運営が無理になってしまうのです。
保育士だけでなく、一般の職業においても、大きな病気をした場合、退職を迫られたり、そこまで露骨でなくても嫌がらせを受けたりといったこと起きていると聞きます。これも「人間は大きな病気をするなどで休まない」という間違った前提によって必要な人員を割り出して、雇う人数をケチっているためというのがあります。
また、インフルエンザで休んだときに、病気の本人が責任持って代わりの人を手配しなくちゃいけないブラックバイトが話題になったことがありますが、やはり必要な人員を経営側が十分に用意していないため。実はこれ、バイトだけでなく、正社員でも問題。有給休暇が自由に取れないというのも同じであり、法律的には社員が好きなときに休めるように、経営側が代わりの人員を容易しなくちゃいけないことになっています。全然守られていないんですけどね。
このように基本的にブラックなやり方がまかり通っているのが問題なのであって、年中無休や24時間営業が全部悪なわけではありません。わりと本気で勘違いしている人もいるんじゃないかと思うのですけど、年中無休や24時間営業というのは営業の話であり、社員やバイトが年中無休で働いたり、24時間働いたりしているという意味ではないですよね。十分な人員を確保しての年中無休や24時間営業であれば、問題ないのです。
逆に年中無休や24時間営業をやっていなくても、ブラックな働かせ方をしている企業はいくらでもあります。前述の例でもそういうものが入っていました。年中無休や24時間営業叩きは、表面的なところをバッシングするだけのもので、本当に大事な改善すべき問題、本質的な問題を見逃しています。
私は別に年中無休や24時間営業をが素晴らしいと言っているわけではないですし、そうすべきと言っているわけでもありません。むしろホワイトならやり方をしたら、経営が成り立たなくなって、結果的に年中無休や24時間営業をやめる企業が増えるだろうとも予想しています。ただ、これは24時間営業を敵視した結果ではなく、ホワイトな働き方を求めた結果。本質はそちらですし、24時間営業をするかなどは、法的・倫理的に問題なければ企業の自由。「みんないっしょ」である必要はないのです。
【関連投稿】
■
サービス業と流通業はブラックな業界 給料の安い仕事である理由は? ■
休みの多い職業はどんな仕事?逆に休日の少ない職種は? IT、SEなど ■
サービス業=給料安いは海外でも当然?経験も教養もないのに高いなんてあり得ない ■
宗教・カルト的で気持ち悪い!と批判の居酒屋甲子園は、NHKが悪い? ■
就活生必見!ブラック企業・ホワイト企業判別法 使い捨て型などの分類も ■
ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|