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研究費不足の中、日本政府と明治のニセ科学研究に多額の税金投入


2019/10/23:
●脳の若返り…明治と内閣府の大規模プロジェクトがニセ科学!
●プロジェクトは批判浴びやっと中止に…ただまだ実験を続ける予定
●非科学的だと批判されているのに、伝え方の問題と論点ずらし
●研究費不足の中、日本政府と明治のニセ科学研究に多額の税金投入


●脳の若返り…明治と内閣府の大規模プロジェクトがニセ科学!

2019/10/23:最初に知ったのは2018年3月18日の「チョコで脳若返り」実験やり直し 内閣府  :日本経済新聞という記事。どうも以前から問題が指摘されていたようで、例えば、2017年4月9日には高カカオ豆チョコの研究発表続々 「脳の若返り」で炎上も|NEWSポストセブン(松浦達也)という記事が出ています。

 この記事では他のチョコ研究の話も紹介されていますが、メインは2017年1月に共同記者発表が行われた菓子メーカーの明治と内閣府の大型研究プロジェクト「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)山川プログラム」。発表を取り上げたのは、一部のネットメディアのみで、科学部などを持つ大手の紙メディアはほぼ黙殺したといいます。非科学的だと見られたためでしょう。いつも書いているように、既存マスコミは誤報もあるものの、一般人やネットメディアよりはだいぶマシなんですね。

 共同記者発表でアホ政府と明治がなんと言っていたかと言うと、は「高カカオチョコを食べると大脳皮質の量が増加し、学習機能を高める可能性がある」というもの。「カカオ成分70%以上の高カカオチョコレートを4週間に渡り、成人が毎日摂取したところ、大脳皮質の量が増えた」ことが確認されたとしていました。これをネットメディアなどは「脳の若返り」などと報じたそうです。

 既存マスコミでは黙殺しただけでなく、積極的に批判したところもありました。2017年1月24日付の「日経産業新聞」は「「高カカオのチョコ食べ、脳が若返る」──仮説段階、国の発表に疑問」とこの発表に対して批判的な記事を掲載。「問題は論文に投稿して第三者の査読を受けていない内容を科学的な成果として発表したこと」「この段階での発表に疑問が残る」と指摘。

 最も馬鹿げていると考えられるのは、研究ではカカオ成分70%以上のチョコレートを食べた前後の状態を比較していて、カカオの成分量が少ないものや、あるいはないものなどとの比較実験はされていないということ。子供の自由研究レベルとも言えますが、ニセ科学の典型的な手法であるということに問題があります。意図的な不正のように感じますね。


●プロジェクトは批判浴びやっと中止に…ただまだ実験を続ける予定

 その後の2018年3月8日に、内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)で研究を進める山川義徳プログラムマネージャー(PM)は、食品が脳に与える影響を、脳の健康管理指標を活用して評価するプロジェクト「BHQチャレンジ」を中止すると発表しました。中止に追い込まれます。当然なんですけどね。
(内閣府、高カカオチョコの研究プロ中止 | 政治・経済 ニュース | 日刊工業新聞 電子版 2018/3/9 05:00より)

 ただ、「チョコで脳若返り」実験やり直し 内閣府  :日本経済新聞(2018/3/8)のように、中止ではなく「やり直し」と書いている記事もありました。どうやらまだ諦めておらず、多少方向性を変えた実験を続けるつもりみたいですね。

<有識者会議では内閣府の担当者が「個別の商品にお墨付きを与える結果になった」と発言。チェック体制の不備を認めた。今後実験をやり直し、データをもとにどんな結論が得られるか再考する>


●非科学的だと批判されているのに、伝え方の問題と論点ずらし

 2018年03月30日の別記事「チョコで脳若返り」検証報告への違和感 - 杉本崇|論座 - 朝日新聞社の言論サイトでは、朝日新聞や報道各社が指摘した実験手法の問題を指摘したとされており、どうも他社も批判記事を出していたみたいです。主に以下の2点が問題だったとのことでした。

(1)チョコを食べたグループと食べなかったグループの比較がなく、信頼性に乏しい
(2)実験結果だけで「脳の若返り」という表現は誇張しすぎている

 ただ、内閣府の有識者会議の報告書はこの指摘に直接答えず、伝え方の問題として済ました感じですね。「予備実験」だったとしてもお粗末で非科学的だと思うので、あくまで「予備実験」だったという言い訳もしたようです。


●研究費不足の中、日本政府と明治のニセ科学研究に多額の税金投入

 また、特定の商品の効能を認める意図はなかったとも言い訳していましたので、明治のチョコレートの宣伝を税金を使ってやった!という疑いもあるのでしょう。ImPACTというのは、安倍首相が作った日本版DARPA「ImPACT」がすごいらしい…「革新的研究開発推進プログラム」の略でも書いた安倍首相肝いりのプロジェクトで、多くの税金が投入されています。

 この税金の問題は、はてなブックマークの反応でも出ていました。

marmot1123 これで億単位の研究予算(引用者注:具体的な金額については裏取りしていません)が与えられているんだぜ?他のちゃんとサイエンスしている研究室が数十万〜数百万の研究費に苦労しているというのに.馬鹿にしてるよね.
tteraka 日本会議を初めとする特定組織への国益を害する利益誘導しかしてないのある意味すごい>内閣府
segawashin 「チョコを食べてない比較対照がなく」……信じられないぐらい幼稚なんだけど本当にこんな「研究」をしてたんだろうか。ネタもばかげてるし。しかもそれに内閣府がカネ出してたのか。直球で言うけどバカじゃないの?
y-mat2006 忖度と集中案件だよねー
otokinoki 科学に弱い行政官や政府を持つと、そこの国民は大変だな……。

 日本は政府の方針で研究費を削り続けた上に、一部の研究に研究費を偏らせる方針もとったために、多くの研究室で資金不足に陥っています。で、その政府が重点的に税金を投入した案件がニセ科学だというのですから終わってます。日本の世界的な重要論文に占める割合は激減していることがわかっていますが、こんなことやってるんですから当然でしょう。日本をダメにするための政策です。


【本文中でリンクした投稿】
  ■安倍首相が作った日本版DARPA「ImPACT」がすごいらしい…「革新的研究開発推進プログラム」の略

【関連投稿】
  ■さすが研究不正大国日本!「研究不正の研究」が研究不正をしてしまう
  ■研究不正大国日本 撤回本数世界一など、トップ10の半分が日本人
  ■研究不正で処分が必要な理由 公正な研究者の研究機会が奪われている…など
  ■研究不正はなぜ嫌われる?不正の追求は嫉妬と憎悪が理由なのか?
  ■倫理教育では防げない研究不正、解雇処分に効果はあるのか? 不正を犯した研究者の更生の試み
  ■研究不正疑惑についての投稿まとめ

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