冒頭に追記
2022/02/22追記:
●スウェーデン・ノルウェー・デンマークの国旗はほぼ同じデザイン
2022/05/18追記:
●フィンランドやアイスランドも似た国旗 デンマーク支配地域が多い 【NEW】
●スウェーデン・ノルウェー・デンマークの国旗はほぼ同じデザイン
2022/02/22追記:
ノルウェー王国|東京都立図書館では、ノルウェーに関するあれこれが書かれていました。例えば、「国名の由来」という話。日本語のノルウェーは英語由来で、ゲルマン語の「北航路(北の道、ノルレベク)」が英語化したものだそうです。ちなみに英語もゲルマン語派に属する言語のひとつで、フランス語やイタリア語などより英語とゲルマン語は近い関係です。
<「北の道」の意味。中世の北方ゲルマン人が用いた航路の一つ 「北航路(ノルレベク)」が、やがてこの地方の名前となった。「ノルレベク」は、ゲルマン語のノルレ「北」とベク「道」の合成語で、これが英語化して「ノルウェー」となった>
国旗の由来としては、ノルウェーの旧宗主国のデンマークの国旗に青の十字を重ねたもので、赤、白、青は自由のシンボルだそうです。1821年に国旗として制定されたのですが、その後、この国を支配したスウェーデン王の命令で、1898年まで公式には使えなかったといいます。
この国旗の説明では、スカンジナビア諸国に共通する十字形「スカンジナビアクロス」の デザインという説明がありました。スカンジナビア(スカンディナヴィア)諸国というと、一般的にはノルウェー、スウェーデンと、海の向こう側にあるデンマークの三国。同じデザインというのは、全く意識していませんでした。
ここらへんはちゃんと調べてみないとわからないものの、ノルウェーを支配したスウェーデンもまたデンマークの支配下にあった時期がある…という事情が国旗にも影響しているのかもしれません。とりあえず、このスカンディナヴィアの3カ国は歴史的に非常に繋がりが深い…ということは確かです。
●フィンランドやアイスランドも似た国旗 デンマーク支配地域が多い
2022/05/18追記:前回出てきたスカンジナビア諸国に共通する十字形「スカンジナビアクロス」。スカンディナヴィア十字やノルディック・クロスなどとも言うようですが、国旗としては前述のノルウェー、スウェーデン、デンマークの他、フィンランドと島国であるアイスランドで使われているようです。
ただ、驚いたことに、
Wikipediaによると、国旗以外でも多数使用。オーランド諸島の旗(フィンランド領)、パルヌの旗(エストニア領)などといった比較的近い地域を中心に「地域の旗」で多数使用例があります。
一方、私が気になっていた由来ですが、デンマーク国旗に由来するといった説明が妥当そう。例えば、
世界の国旗図鑑 - スウェーデンの国旗 青空に金色の十字架 スカンジナビアクロスでは、スウェーデン国旗について、旧宗主国であるデンマーク国旗のスカンジナビアクロスを用い、王朝の紋章で使われている色である青地に黄色の十字に変えたものと説明しています。
また、信頼性の低い
ヤフー知恵袋ではありますが、やはり同様の説明がありました。「北欧の国旗は何故みんな十字なんですか? デンマークが最初に考えたと聞いたことがありますが・・・」という質問に対して、以下のような回答がされています。
<おっしゃるとおりデンマークの国旗に基づいており、オーストリアやスッコットランドのそれに並んで世界最古の国旗といわれています。形はスカンディナヴィア十字、ノルディック・クロスと呼ばれています。そして他の地域の国旗は、デンマークの国旗が基になっています。
「アイスランド」はもとデンマーク領だったため。
「ノルウェー」は独立運動のシンボルとして掲げられた旗で、赤地に白十字はかつての宗主国デンマークの国旗、その上に重ねられた青い十字はノルウェーの海を表している。
「フィンランド」は白地に青のスカンディナヴィア十字を描いた旗。白は雪、青は湖を表している。(引用者注:元スウェーデン王国所属地域)
「スウェーデン」は金十字旗と呼ばれ、青地に金のスカンディナヴィア十字が描かれた旗で青は澄んだ空、金はキリスト教・自由・独立を表している>
ただ、私が今一つ腑に落ちないのは、宗主国(従属国に対して宗主権をもつ国家)から独立するのであれば、全然違う国旗を使いたいと思わないのだろうか?ということ。不思議です。当時はまだ国旗自体がたいへん珍しかったので、大きく変更するという発想がなくデザインのアイデアがなかった…みたいな理由でしょうか…。
●北欧スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの位置の覚え方が下ネタすぎ
2021/11/22:北欧の話をまとめるページを1つ作りたい…と思っていたのですが、目玉になるような話が思いつかず、最近ずっと悩んでいました。で、思いついたのが、北欧のノルウェーやスウェーデンの位置を覚える覚え方があるのではないか?ということ。検索してみると、実際にあったものの、下ネタすぎてびっくり。ご注意ください。
で、その下ネタな覚え方。これは北ヨーロッパ地図を北を上ではなく横にして見て、スカンディナヴィア(スカンジナビア)半島を男性器とみなして覚えるという方法。「ノル上、下スウェーしたら玉がフィンフィンしてドビュッと出んマーク。そしてドイツにぶっかけた」と覚えるんだそうです。とりあえず「ノル上」は普通にわかりやすいですね。
横から見たときに、上半分がノルウェーで、下半分がスウェーデン。男性器の玉袋にあたる部分がフィンランド。さらに北欧の一角であるデンマークは、男性器から飛び出した「白いアレ」だとのこと。さらに「ぶっかけられたのがドイツ」ともありましたが、ドイツはそんなに迷わないような気がしますね。
私が見たのは、2015/8/12 6:41の
ヤフー知恵袋。ただ、
ニコニコ大百科によると、前半の「ノル上、下スウェーしたら玉がフィンフィンする」の部分は、2006/02/27に2chでトリノ五輪について書かれたスレの544のレスが元だとされていました(下記参照)。ただし、大百科のコメント欄では、少なくともその数年前には受験系のスレで見たとされており、起源はさらに前かもしれません。
6 名無しさん@恐縮です 2006/02/27(月) 00:32:41 ID:+N++r2o20
未だにフィンランド、スウェーデン、ノルウェーの位置関係が分かりません。
544 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2006/02/27(月) 02:34:41 ID:/oDeFH0M0
ちんこ横から見て、
上半分がノルウェー。
下半分がスウェーデン。
玉袋がフィンランド。
「ノル上、下スウェーしたら玉がフィンフィンする」とやや強引に覚えろ。
546 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2006/02/27(月) 02:59:37 ID:NQ837UyT0
544が一番わかりやすいってのがなんか腹立つ
●「ノルウェー(乗る上)」と「スウェーデン(上出ん)」という覚え方も
別のヤフー知恵袋では、地図を横にせずにスウェーデン(上出ん)、ノルウェー(乗る上)ということで、スウェーデンよりノルウェーが上(北)という覚え方が出ていました。こちらはスウェーデンが上ではなく「上出ん」、つまり、上に出ないという意味ですね。残りがフィンランドですから、これでもOK。下ネタが嫌な人はこちらで行ってみましょう。
こちらのヤフー知恵袋のアンサーを見ると、「ノルウェー(乗る上)」だけで覚えていたという人がふたり。これだけで十分かもしれませんね。「上出ん」はやや苦しいですし、「上」という言葉が入っちゃうと混乱をきたすかもしれません。他にもありそうだと思って
さらに別の知恵袋(2019年)を見てみました。
ところが、こちらはベストアンサーの人が「位置を覚えるのにごろ合わせは不可能です。出来たとしても年号ゴロ合わせより効率は悪い」となぜか断言していました。ただし、この質問者の方は北欧だけでなく、15カ国もわからないという人でしたので、全部語呂合わせは無理だろう…というのはその通りでしょうね。
ちなみにこのベストアンサーの人が北欧の覚え方でマシな方法として推奨していたのは、「左端からテンション高く声に出して歌う」というなんじゃこりゃ?という方法。「ノルウェー、スウェーデンデンフィンフィンランド!」などと歌うんだそうです。声に出すのは重要で、テンション高ければ言い方リズムなんでもいいとされていました。
さっきの語呂合わせの方がよほど良く、トンデモなものに見えます。ただし、<基本的には書くか発音すると人は覚えやすいです。またブロックごとに分けたりするのも効率が良いです。だから学校の勉強は「単元が分かれていて」「音読」が多いのです>というのは一理あるかも。元素表の「水兵リーベぼくの船~」なども一部意味不明ですし、意味のわからない歌の歌詞なんかも意外に覚えられるものです。
●ノルウェーを代表する劇作家イプセン、実はノルウェー嫌いだった
2021/12/17追記:北欧の話でやりたいと考えていたのは、『ペール・ギュント』『人形の家』などが代表作のある劇作家ヘンリック・イプセンの話です。ヘンリック・イプセンは、ノルウェーを代表する劇作家なのですが、おもしろいことに存命のときには、「ノルウェーを代表する劇作家」だとは思われていませんでした。
<自身はノルウェーを嫌い、長くドイツやイタリアで生活したため、ノルウェーの国民作家という意識は薄かったが、現在は国の象徴、そして世界史上最も重要な劇作家の一人として尊敬され、長らくノルウェーの最高額面の1000クローネ紙幣にその肖像が描かれていた>(
Wikipediaより)
ヘンリック・イプセンの執筆言語もややこしいところ。なぜか「ノルウェー語」、「デンマーク語」、「デンマーク・ノルウェー語」、「ブークモール」、「リクスモール」などと様々に言われてわけがわかりません。なぜそんな理解しづらい事態が起きているのか?と言うと、以下のような事情。簡単に言うと、当時の言語が変化中だったためみたいですね。
<これは19世紀までノルウェーでは宗主国の言語であるデンマーク語が書き言葉として使用されていたためである。言語学者のクヌート・クヌーツェンは19世紀後半に書き言葉を徐々にノルウェー化することを提唱し、この言語はやがてリクスモール、のちにブークモールと呼ばれるようになった。
イプセンはこのデンマーク語がノルウェー式に変化しつつある時代のリクスモール(のちのブークモール)で著作を執筆していた。21世紀に使用されているノルウェー語とは大きく異なるため、ノルウェーで上演を行う時も戯曲テクストを現代の観客にわかるよう変更する必要がある場合が多い>
●おもしろさがわらかないイプセンの代表作『ペール・ギュント』の謎
2021/12/31追記:ヘンリック・イプセンは、シェイクスピア以後、世界でもっとも盛んに上演されている劇作家とも言われるそうです。戯曲『ペール・ギュント』は、そのイプセンの代表作。代表作とされるくらいなので、評価が高いとか人気が高いとかいった何らかの理由があるのでしょう。しかし、あらすじを読んでも何がおもしろいんだかさっぱりわからないんですわ。私は昔からこのことをずっと不思議に思っていました。
<落ちぶれた豪農の息子で、母オーセと共に暮らしている夢見がちな男ペール・ギュントは、かつての恋人イングリを結婚式から奪取して逃亡する。しかしイングリに飽きたら彼女を捨て、たまたま出会った緑衣の女(トロルの娘)と婚礼寸前まで行くが逃げ出す。密かに帰宅したがその場で病床のオーセは息を引き取る。
再び逃亡したペールを追ってきた純情な女ソルヴェイと恋に落ちるが、そこへ緑衣の女が奇怪な小児を連れて現れたので、ペールはソルヴェイを待たせたまま放浪の旅に出る。山師のようなことをやって金を儲けては無一文になったり、精神病院で皇帝になったり遍歴した後に老い、身一つで帰郷する。
死を意識しながら故郷を散策していると、ボタン職人と出会うが、彼は天国に行くような大の善人でもなく地獄に行くほどの大悪党でもない「中庸」の人間をボタンに溶かし込む役割の職人だった。「末路がボタン」というのだけは御免だと、ペール・ギュントは善悪を問わず自分が中庸ではなかったことを証明しようと駆けずり回るが、トロルの王も「やせた男」もそれを証明してくれなかった。彼は最後の証人として会ったソルヴェイに子守唄を歌ってもらいながら永眠する>
(
ペール・ギュント - Wikipediaより)
主人公ペール・ギュントは全く感情移入できないダメ人間としか思えません。何が良いのやらさっぱりです。ただ、
ヘンリック・イプセン - Wikipediaの以下の部分を読み直していて、これは道徳的価値観の破壊…といった斬新さが評価されているのかな?と思いました。
<イプセンの劇は同時代の多くの人にスキャンダラスと考えられた。当時は家庭生活や礼儀についてのヴィクトリア朝的価値観がヨーロッパで大きく広まっており、それらに対するいかなる挑戦も不道徳的で非常識とされていたためである。
イプセンは生活状況や道徳問題についての批評的な眼や疑問を紹介するため、主に現代劇に基礎を置いた。ヴィクトリア朝の演劇には、悪の力に立ち向かう高潔な主人公が期待されており、あらゆる劇は善が幸福をもたらし、不道徳は苦痛のみをもたらすという、道徳的にふさわしい結末で終わった。イプセンはこの考えと当時の信仰に挑み、観客の持つ幻想を破壊した>
こうした道徳的観念の破壊においては、日本にも影響を及ぼしました。日本の新劇運動はイプセン劇の上演から始まったとされているそうです。ヘンリック・イプセンの別作品『人形の家』の主人公ノラ(ノーラ)は当時の「新しい女」として語られ、イプセンの作品群は今日でも演劇界に影響を与え続けているとのことでした。
●ヘンリック・イプセンは日本の現在演劇の父?『人形の家』の影響
上記の最後で名前が出ていた『人形の家』もヘンリック・イプセンの代表作。『人形の家』の場合は今あらすじを見てもおもしろさがわかる話で、現代でも通じるものがあると感じられるものです。それだけに『ペール・ギュント』の方がわからんな…という感じなのですけど、前述の通り、同様に斬新であったのだと予想しています。
<弁護士ヘルメルと妻ノラ(ノーラ)は公私ともに充実した生活を送っていたが、クリスマスイブに事件が訪れる。
ヘルメルは年明けから信託銀行の頭取に就任することとなり、その部下となる予定のクロクスタが、ノラを訪ねた。クロクスタはヘルメルと旧知の仲であったが疎まれており、ヘルメルの頭取就任後に解雇される予定であった。ノラはクロクスタの解雇撤回の頼みを断ろうとするが、クロクスタはノラが過去に犯した違法行為の証拠を握っていることを明かす。それはかつてヘルメルが重病に陥り金銭が必要になったとき、ノラはクロクスタから借金をし、その際に借用証書の父のサインを偽造したのであった。当時、父は死の床にあったため、これは苦肉の策でもあった。もし解雇されるなら、この秘密を暴露するとクロクスタに宣言されたノラは悩む。
ノラはヘルメルにクロクスタの解雇を取り消すよう頼むが、事情を知らないヘルメルは取り合わず、クロクスタは解雇を通告される。宣言どおりクロクスタは秘密を暴露する手紙をヘルメルに送りつけた。事情を知ったヘルメルは激怒し、ノラをさんざんに罵倒するが、その最中に改心したクロクスタから借用証書が返送されてくる。先ほどまでの態度を豹変させ、微笑んで甘い言葉を発するようになるヘルメルに対し、ノラはヘルメルから受けていた愛情だと思っていたものは、実は自分を人形のように可愛がっていただけであり、一人の人間として対等に見られていないことに気づき、ヘルメルの制止を振り切ってノラは家を出る>
<世界的にイプセンの代表作とされている。この作品(あるいは前作の『社会の柱』)をもってイプセンの社会劇あるいは中期問題劇の始まりと見なすのが一般的であり、彼はこの後ほぼ2年に1作のペースで作品を書き上げることになる。リアリズム演劇あるいは近代劇の代表作品であり、同時にしばしばフェミニズム運動の勃興とともに語られる作品である。この作品の成功がイプセンを一躍世界的な劇作家とした。西欧内部だけでなく、アジア諸国の女性解放運動や新劇(日本、引用者注:明治維新後、歌舞伎に対抗して起こった新しい演劇)、話劇(中国)など伝統演劇とは異なる新演劇の形成に直接の影響を与えた>
(
人形の家 - Wikipediaより)
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