2ちゃんねるのSTAP細胞論文疑惑が出たときに、ノーベル賞候補の常連である竹市雅俊CDBセンター長がとばっちりでかわいそうだという声がありました。
この竹市センター長への同情論は、その後の対応の悪さ、小保方晴子さんの採用に関わっていたことなどで吹き飛びました。むしろ隠蔽の音頭を取った張本人では?と戦犯扱いする人すらいます。
同じく疑惑当初に迷惑がかかるのを心配されていたのが、高橋政代プロジェクトリーダーです。彼女の場合はSTAP細胞問題への関わりが竹市センター長よりずっと薄いのですが、同じ理研CDBで世界に期待される研究をしていたのに、STAP細胞論文の不正疑惑のせいで評判が悪くなるのでは?と不安視されたようです。
高橋 政代(たかはし まさよ、1961年(昭和36年)6月23日 - )は、日本の医学者、眼科医。医学博士(京都大学)。
京都大学助教授を経て、現在神戸理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクトのプロジェクトリーダー。従来、再生不可能と考えられていた網膜再生医療技術の研究・開発に取り組んでいる。夫は京都大学iPS細胞研究所教授の高橋淳。
2005年に笹井芳樹との共同研究で、世界で初めてES細胞から神経網膜を分化誘導することに成功した。2014年夏には自己由来のiPS細胞を患者へ移植する臨床研究を世界で初めて実施する予定であり、イギリスNature誌が選ぶ「2014年に注目すべき5人」にも選ばれている。
Wikipedia
その高橋政代さんがiPS細胞ではなく、突然STAP細胞の方で話題に(iPS細胞では何度も記事になっています)。どうもTwitterの発言が元のようです。
前後関係を詳しく書いていた記事は以下。
高橋氏「理研の倫理観に耐えられない」iPS臨床中止も? | 地震予測検証・地震予知情報 / 防災情報【ハザードラボ】 2014-07-02 15:40
まず1日午前9時すぎにつぶやかれたのは…
「理研の倫理観にもう耐えられない」
このつぶやきに対し、このような意見が。
「そういうお考えであるなら、一旦黄斑部変性臨床研究プロジェクトの一時凍結を宣言し、理研上層部にSTAP問題処理について再考を促しては如何でしょう。不可逆的障害を残す可能性がゼロではない侵襲性の高い移植のトライアルであるからには、最上級の倫理観の元に実施されるべきものなのでは?」
この意見に対して、高橋氏は2日午前9時前に再びツイート。
「ご意見ありがとうございます。ごもっともな意見と思います。現在進行している患者さんの治療のための細胞準備はそういう理由でやめるわけにはいきませんが、まだ始まっていない患者さんの治療については中止も含めて検討いたします。」
さらに以下のような文章が複数のツイートに分かれて掲載された。
「もちろん、現在進行している患者さんについては、ご本人が不安でやめたい場合はご本人の意思で中止することができます。次回確認する予定です。
感情論や抗議ではなく中止してはどうかという意見を複数聞くようになっていること、理研のPC購入問題の報道のように痛くもない腹を探られる環境であること、患者さんも現場もとても落ち着ける環境ではないこと。
このような状況でする臨床研究ではないと思います。万全を期すべき臨床のリスク管理としてこのような危険な状況では責任が持てないのです。」
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/6/4/6403.html
2つ目以降のツイートだけを見ると、騒ぎすぎている周囲への批判のようにも見えますけど、最初の「理研の倫理観にもう耐えられない」があるので、理研への批判が念頭にあるのがわかります。
また、上記のツイートだけでは具体的に理研のどこを批判しているのかはわかりませんでした。ただ、これは取材で答えているのかもしれません。
東京新聞:「iPS臨床中止も」 理研の高橋リーダーつぶやき:社会(TOKYO Web) 2014年7月2日 夕刊
理研が小保方晴子(おぼかたはるこ)・研究ユニットリーダーの検証実験参加と懲戒委員会の審査中断を決めたことを「理研の倫理観にもう耐えられない」とツイッターで批判。共同通信の取材に「(倫理的に問題なのは)不正追及を後回しにし、処分が延長されることで事態の収拾が先送りになること」とした。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014070202000229.html
さらに、"2日午前、ツイッターで、フォロワー(読者)の「今のような状況で臨床研究が行われる限り、良好な結果が得られても、それが正当に評価されると考えるのか」との指摘に答える形で、まだ始まっていない患者への治療を「中止も含めて検討したい」とつぶやいた"という話を載せているところもありました。
この「今のような状況で(中略)正当に評価されると考えるのか」は、おそらく「不正疑惑についてきちんと調査せずにうやむやにするような組織(=理研)での臨床研究が果たして信頼を得られるだろうか?」ということでしょうね。
神戸新聞NEXT|医療ニュース|「リスク管理責任持てぬ」投稿の高橋氏 iPS臨床中止検討 2014/7/2 16:00(森本尚樹、上田勇紀)
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201407/0007107086.shtml(7時半追記:投稿した後に気づきました。同日夜のうちに発言の修正が行われていたようです。
神戸新聞NEXT|医療ニュース|理研・高橋リーダー ツイッターの真意は「慎重に」 2014/7/2 23:58
"同日夜になって、高橋氏は「慎重にならざるを得ないというのが真意。中止の方向で考えているということではない」などとするコメントを発表した。(中略)
コメントでは「お騒がせして申し訳ない」と謝罪した上で「移植手術に向け細胞培養を行っている患者さんの臨床研究については順調に推移し、予定通り遂行する」「臨床研究そのものには何の問題もなく、一刻も早く治療法をつくりたいという信念は変わっていない」などとした。"
7/8追記:その後、再度批判していた話は、
高橋政代、重ねて理研批判 小保方晴子の懲戒処分手続き停止に衝撃)
「理研の倫理観にもう耐えられない」の話としては以上なのですけど、実は最近の記事で高橋政代さんは理研CDB解体反対の理由として使われていました。
STAPはなかった!CDB解体の是非 | 東洋経済オンライン 小長 洋子 :東洋経済 編集局記者 2014年06月28日
CDB解体は、はたしてベストの解だろうか。(中略)
また、CDBにはiPSによる網膜再生研究の高橋政代博士をはじめ、トップクラスの研究者が集まっている。提言では研究者の「雇用を確保したうえで」と断ってはいるが、解体して白紙からの出発となれば、研究環境が維持されるとは限らず、落ち着いて研究することは困難だ。
http://toyokeizai.net/articles/-/41114
高橋政代さんも別にCDB解体を望んでいるわけではないでしょうが、現状でも臨床研究にふさわしい環境ではないという指摘です。
あと、この記事で笑ったのが、高橋政代さんより先に出ていた解体反対の理由です。
竹市センター長は2000年の設立当初からCDBトップを務め、若手、女性研究者の登用を積極的に進めた。28歳の大学院生の時にチームリーダーに抜擢され、現在は東京大学教授となっている上田泰己博士の例もあり、悪い結果ばかりではない。
9割が税金の理研 報酬増要求の一方、高級家具カッシーナに1000万円では名前を出さなかったのですけど、上田泰己さんってそれこそお金の問題あったんじゃないの?という噂が出ている方なんですよね。上田泰己さんが悪いことをしたって決めつけるわけじゃなくても、反射的にカッシーナを思い出してしまうのです。
解体に反対する理由は私もわかるのですが、理研CDBがヤバいのはSTAP細胞問題だけじゃないのではないか?ということを改めて思わせるような記事でした。
追加
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