ニトリの店名などの話をまとめ。<ニトリは似鳥という苗字?由来の地名や本家の読み方は異なる>、<「ニトリ」との違いがわからない「デコホーム」の名前の由来は?>、<なぜ秋だけなの?アメリカのニトリ・アキホームの由来意味は?>などをまとめています。
2022/10/13追記:
●完全に無理ゲー!ニトリ・アキホームがアメリカ撤退の理由は? 【NEW】
●ニトリは似鳥という苗字?由来の地名や本家の読み方は異なる
2021/12/06追記:大手家具・インテリア企業のニトリの由来が、創業者の似鳥昭雄さんの名前にちなんでいると知ったときは驚きました。そんな苗字があるんですね。ニトリは北海道企業なので、北海道出身の私は小さな頃からCMを見ていましたが、全然知りませんでした。父や母に聞いても知らなかったと言っていたので、地元の人も以前はあまり知らなかったのだと思われます。
日経新聞の連載によると、似鳥昭雄さんは昭和19年(1944年)樺太生まれ。父・義雄さんの先祖は南部藩で家老を務めていたと聞いているそうです。戊辰戦争で敗れ、岩手県から北海道の花畔(ばんなぐろ)村(現在の石狩市)に開拓民として移ってきたそうです。似鳥昭雄さんは開拓民の4代目にあたるといいます。
苗字の似鳥でさらに驚きなのは、似鳥という名前は、今も岩手県に残る「にたどり」という地名が由来で、似鳥一族のうち、札幌に入植した本家筋の場合は「にたとり」と読むとのこと。「にとり」じゃないのです。一方、いっしょに入植した似鳥昭雄さん側の分家は「にとり」という名前にしたとのこと。こういうことはときどきありますね。
ちなみに本家のにたとりの方が賢い家系で、にとりは勉強が苦手だったのでは?とのこと。祖父は農業はせず、馬喰(ばくろう)をなりわいとしていたものの、稼いだ金は酒に使ってしまうような酒乱のダメ男。13人兄弟の4男だった父は自分の土地もなく、昭和10年代に樺太に移住し母と結婚し、農業を営んでいました。ただ、昭和16年に太平洋戦争が始まると出征し敗戦後はシベリアに抑留されたという話でした。
(
似鳥昭雄(2)樺太生まれ 帰国後、母はヤミ米屋に 引き揚げ者住宅、台所まで雪 2015/4/2付 日本経済新聞 朝刊 より)
●「ニトリ」との違いがわからない「デコホーム」の名前の由来は?
2014/7/10:ニトリの方は苗字由来だったのですが、私がふと気になったのが、ニトリの小規模店舗のデコホームとアメリカの店舗Aki-Home(アキホーム)の店名の由来です。まず、デコホームの方から。<デコホーム事業部|ニトリ 2015 RECRUITING>にによると、デコホームは、以下のようなコンセプトだそうです。
<従来の大型店とは異なる、「小さなニトリ」ができること。
店舗には社員一人。これがニトリとは異なる、デコホームの大きな特徴です。これまでのニトリは人口の多い地域において、その郊外に大型店を構え、週末を中心にマイカーでご来店いただくというスタイルが中心でした。しかし、これではお子様連れの主婦の方やご高齢の方、学生の方のなかには、アクセスの都合から頻繁にご来店いただけない方も。そこで、こうしたお客様にも気軽に何度でもお越しいただけるよう、駅の近くや商店街などに小さな店舗を構え、地域に根ざした存在として展開しているのがデコホームです。そこで私たちもデコホームを「小さなニトリ」ととらえ、ホームファッションを中心とした購買頻度の高い商品の充実化を図っています>
http://www.nitori.co.jp/recruit/newgraduate2015/staff/staff4.html ニトリとの商品の違いがわからないという感想がチラホラあったのですけど、上記のようにニトリと商品構成を変えるというよりは店舗の大きさを変えているということが主体ですので、似ていると思うのも当然でしょう。で、この「デコホーム」の店名の由来・意味ですが、わかりませんでした。どこにも書いていないのです。
ただ、「デコレーションのデコでは?」という意見がありました。デコレーションケーキのデコレーションですね。
Wikipediaでは、「デコレーション (英語:decoration) は、英語からの外来語で、基本的な意味は「装飾」である。何をいかに装飾するかによって様々なデコレーションがある」と説明しています。
ニトリは冒頭で書いたように北海道出身の企業なのですが、同じ北海道の家具・インテリア店では「スイートデコレーション」というお店もあるんですよ。ニトリと全く同じ業種で、デコレーションという言葉が使われやすい業界な感じ。はっきりとした答えはなかったものの、この「デコレーション」由来というので良さそうな気がします。
●なぜ秋だけなの?アメリカのニトリ・アキホームの由来意味は?
もう一つはアメリカ進出店舗である
Aki-Home(アキホーム、リンクは英語オフィシャルサイト)です。「ニトリでいいじゃん」という感想もあったものの、たぶん英語圏では発音しづらい…みたいな配慮じゃないですかね? このアキホームも名前由来じゃない?という予測が出ていました。似鳥昭雄(あきお)社長の「あき」です。
<ニトリがアメリカに出店!店名は「Aki-Home」 - 井戸端net>
<ニトリの店舗名は徹底して社長の名前
「ニトリ」のショップ名は、創業者で現社長の似鳥昭雄(にとりあきお)氏の苗字にちなんだものです。
ニトリのアメリカでの店名は「Aki-Home」。
「アキ-ホーム」のアキは社長のお名前でしょうか(ですよね)>
http://idobata365.net/shopping/aki-home.html ニトリは苗字由来だと知っていたものの、こっちは全然思いつきませんでしたわ。そうか、社長の名前からか。大いにありそうですね。私は「アキホーム」と聞くと、どうしても春夏秋冬の「秋」のイメージがあり、何で秋限定なんだろう? アメリカでは秋が模様替えの季節なのだろうか?などと考えていました。
●アメリカで「ニトリ」という名前を使わず「アキホーム」にした理由
そういえば、秋入学が話題になっているように、アメリカの入学は秋が一般的です。日本でも昔は秋入学だったみたいですね。
<アメリカ、イギリスをはじめ、世界の約7割の大学が9月・10月に入学する制度になっているんじゃよ。実は日本でも、明治時代には秋入学が一般的だったんじゃ。欧米の教育制度を「輸入」したからじゃな。しかし、大正10年に制度が変わってから約50年間、4月の入学が続いているんじゃ>
<明治20年に、教員養成学校が4月入学を導入したのがはじまりなんじゃ。日本では会計年度が4月から始まるところが多いじゃろ? だから学校もそれに合わせた方が都合がよかったんじゃな。そこで、小学校や中学校も4月入学を採用し、だんだんと大学進学率が高まった大正時代に、大学も入学時期を切り替えたというわけじゃ>
http://www.wintechjapan.com/professor-beaver/20120620.html そうすると、秋になって卒業して新しく家具を買って…みたいなの(よく新生活応援セールをやっています)でなかなか良さそうなのですけど、社長のお名前から…という可能性の方が高そう。<ニトリ : アメリカ・カリフォルニア州に進出している日本のチェーン店まとめ - NAVER まとめ>では、以下のように断言されていました。
<現地の商標登録の関係上「ニトリ」を名乗れなかったため「AKi-HOME」という名称になっている。いずれも社長の名前(似鳥昭雄)が由来だ>
http://matome.naver.jp/odai/2139029912817622401/2139031310627783003
ここでは理由も「商標登録の関係上」って書いていました。私が予想した発音のしやすさの問題ではなかったようです。というか、アメリカで"「ニトリ」を名乗れなかった"ってのも不思議です。ニトリのアメリカ進出を見込んで誰か先に登録しちゃったんでしょうか? ……だとしたら、嫌な話ですね。
●完全に無理ゲー!ニトリ・アキホームがアメリカ撤退の理由は?
2022/10/13追記:このページで書いていた「アキホーム」のアメリカから、ニトリは撤退するようです。
ニトリが米国撤退、似鳥会長と幹部が語る「その理由」 - WWDJAPAN(2022/10/03 文・ ライター 松下久美 編集・ 横山 泰明)という記事が出ていました。かなり長くて詳しい良い記事です。
<ニトリホールディングスは、米国事業から撤退する。「現在の経済下での収益性改善が難しく、今後有望な市場と捉える東アジア・東南アジア地域への資金・人材の再配置のため、米国事業の撤退を決定した」と白井俊之・社長兼COOは語った。
ニトリの海外事業は2007年に台湾に海外1号店を出店。14年の中国大陸進出の前年の13年に「アキホーム(Aki-Home)」のブランド名で米国に初出店を果たした。17年度には5店まで増やしたが、現在は西海岸の2店に減少。タスティン店は今年12月、オンタリオミルズ店は来年4月に閉店し、米国子会社は23年後半をめどに清算する>
子会社ニトリの社長で、海外事業も担当する武田政則取締役は、激変する米国事業について、「キーポイントになったのは、2019年にトランプ政権時代、中国から商品を輸入するに当たり、全てに25%関税を付けたこと」だと説明。トランプ大統領や米中対立を支持する人は日本でも多かったのですが、日本の損失も大きいのです。
中国敵視は現在でもアメリカで支持されており、トランプ後も急激な転換は困難。「来年その期限が切れる前に、今年、最低でも4年継続することがおおむね見込まれたのが、非常に大きなターニングポイントだ」ということで、高い関税がまだ続くことがアメリカ完全撤退の理由となったとされています。
さらに中国だけの問題でもない模様。武田政則取締役によれば、中国・ASEANからの関税率が1000%という恐ろしいことになっており、無理ゲー状態。国内製造業を優遇して製造業復活を!というこいった政策は、アメリカだけでなく日本でも歓迎されがちですが、デメリットが大きく、マイナスと指摘されているんですよね…。
「私どもが大変強化しているベトナムで作っている“Nスリープ”というマットレスは、どこの国でも売れ筋だ。だがトランプ政権時に中国・ASEANからの関税率が1000%になった。例えば1万円のマットレスを輸出すると、アメリカで原価だけで11万円になってしまう状況が続いてきた。私たちは中国で作ったもの、ベトナムの自社工場で作ったものなどを、マスの、数を使って(競争力にして)いきたかったが、完全に封鎖されてしまっている。続けるとなれば、南米や北アメリカ大陸で作らざるを得なくなってしまう。そうなってくると、2店なのでロットをかけた商品政策ができない。他社に全く対抗できなかった。それで非常に大きな判断をした」。
「船代は、私たちが出店したころは40フィートのコンテナ1台が2200ドル(約31万4600円)だった。今1万5000ドル(約214万5000円)、7倍だ。これに関税が25%かかる商品をアメリカまで運んだとしても、全く利益が計算できないという状況がこれからも続くということで、決断した」(武田政則取締役)
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