エアコンの爆風モードとは?では、省エネ性能が実態以上に良く見せるかさ上げ行為について書きました。
これは
エアコンに2つの過大表示疑惑 2010年6月21日 小笠原啓 日経ビジネスオンライン(閲覧には登録が要るかもしれません)という記事から抜粋したものですが、この記事タイトルの「2つの過大表示疑惑」であるもう1つの「疑惑」については触れていませんでした。
そこで、今日はそのもう1つの「疑惑」である「節約効果の過大表示」についてまとめておきます。
記事によれば、エアコンにまつわる「過大表示疑惑」は省エネ性能だけではなく、買い替えの基準となる電気代も、利用実態とは大きく異なる可能性があるとのことです。
JISの基準では、東京の家庭の場合で1年のうち、冷房で3.6カ月、暖房で5.5カ月、1日最大18時間エアコンを利用するとしているそうです。そのため、各社のカタログや店頭に表示されているエアコンの電気代は、この基準を基に計算されています。
しかし、経済産業省や産業技術総合研究所が全国の約4000世帯に対して調査(ただし、まだ集計途中)を実施したところ、エアコンの年間使用時間は「現行基準の5分の1から6分の1にすぎない」(東京大学の飛原英治教授)ことがわかったのです。
私自身はほとんどエアコンを使いませんので一般的な感覚がわかりませんが、少なくとも「暖房で5.5カ月」は長すぎると感じます。
また、「1日最大18時間」は「最大」ですのでどのように計算しているかわかりませんが、これも長すぎます。寝ているときもしばらく付けているか、起きる前に予約で起動させることを想定しているのでしょうが、これも暖房ではあまりない使い方だと思います。
熱帯夜の続く時期の冷房ならまだそれも理解できますが、
男女で違うエアコン設定温度で書いたように、実際には夫婦でエアコンをつけたままで寝るかどうかですら意見の相違がありますので、全ての世帯で実施されているとは考えにくいです。
ただ「現行基準の5分の1から6分の1」というのは、もうそんなレベルじゃなく違っているということです。酷い話ですね。
というわけで、カタログがうたう「新型への買い替えで、年間○円の電気代が安くなる」といった効果も、はっきり言っちゃうと嘘っぱちになってしまうわけです。
経産省は「間違った方向に製品が進化しかねない」(経産省幹部)と実態調査に乗り出しているそうで、記事では最後に過大表示が常態化し、国内で「不毛なスペック競争」を続けているだけでは、エアコンでも、海外に通用しない「ガラパゴス製品」ばかりが生み出されることになりかねないとまとめています。
私は最近よく言われる「ガラパゴス製品」については、必ずしも悪いことばかりではないと思っています。
それは、海外での不要と思われたり、ハイスペック過ぎると思われる機能や技術も、やがて必要とされる可能性もあり、そうなると逆に日本が優位に立てるからです。
それこそ、省エネ性能などは日本の技術力は高いと言われているため、CO2削減の話なんかは日本のチャンスだと思っています。
しかし、その「省エネ性能」がとんだ見掛け倒しで、中身のない空っぽなものだとしたら、それは本当に何の役にも立ちません。
気がつくと、日本には「技術」すら無かった……ということにならないように、一刻も早くこの「過大表示」は改めるべきでしょう。
今日はここで終わりにします。
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