<資本主義ロシアのGDPほぼ半減…ソ連の共産主義が正しかった?>、<ロシア経済の本当の問題は、石油・天然ガスが豊富にあること?>などの話をやっています。
冒頭に追記
2022/04/11追記:
●資源大国はむしろ弱点に…ウクライナ侵攻の経済制裁で狙い撃ち
2022/04/27追記:
●ロシアの衰退には人口も関係あるのでは?人口変化を見てみると… 【NEW】
●資源大国はむしろ弱点に…ウクライナ侵攻の経済制裁で狙い撃ち
2022/04/11追記:二度目のウクライナ侵攻に関して、
プーチンも変えられず ロシア「資源一本足経済」のもろさ:日経ビジネス電子版(
2022.4.6 田村 賢司 )という記事が出ていました。有料記事で詳細は不明ですが、このページで書いていたのと同じ見方だと思われます。
記事によると、<原油供給量は米国、サウジアラビアに次ぐ3位、天然ガスも米国に次ぐ2位で、パラジウムやアルミニウム、ニッケル、プラチナなどの希少金属も3位内に入る資源大国>。ただし、もともと書いていたように資源大国というのはむしろ弱点。アメリカのように他の産業も強ければ問題ないんですけどね…。
<原油とガス産業からの税収などが歳入に占める比率は、原油価格が大きく下がった20年を除いて、この15年余りは約40~50%を占めている。製造業を中核とする日本と中国、ドイツや、金融とIT(情報技術)で世界の頂点に立つ米国とは産業構造が異なる。日本を含む西側の経済制裁は、そこを狙った>
●ロシアの衰退には人口も関係あるのでは?人口変化を見てみると…
2022/04/27追記:そういえば、ロシアの衰退には人口減少、特に現役世代人口が減少するという人口構造の変化も関係しているかもしれません。で、ロシアの人口について検索してみると、やはり
ロシア人口、21年は100万人減少 ソ連崩壊後で最悪 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News(2022年1月29日 8:34)という記事が出てきました。ちょうどソ連崩壊時と比較しています。
<ロシア連邦統計局(Rosstat)は28日、同国の人口が2021年に100万人以上減少したと発表した。減少幅はソビエト連邦崩壊以後で最悪となった。
ロシアで長年続く人口減少傾向は、新型コロナウイルスの流行によって悪化。統計局によると、国内初の感染者が確認されて以降、66万人以上が新型ウイルスで死亡した。人口は2020年にも50万人以上減少している>
人口は経済と関係ないと思う人もいるでしょうが、人口構造の変化・人口動態が経済と関係するというのは定説。なぜか日本のリフレ派は逆の主張をしていますが、海外のリフレ派もデフレを関係することを認めています。海外のリフレ派はリベラル、日本のリフレ派は右派であるなど、いろいろ違うんですよね。
なお、ロシアの人口減少では、<出生率低下の背景には、現在子ども持ち始めている世代が、ソ連崩壊後の経済不安で出生率が急落した1990年代生まれであることがある>といった説明がありました。ソ連崩壊が主な理由となると、「ソ連の共産主義が正しかった」論にも有利な面がありそうです。
気になったので、過去のロシアの人口推移を見ると、1991年のソ連崩壊の翌年以降はマイナスの年がかなりあります。最近だけの特殊な状態というわけではありませんね。ただ、人口減少を見せ始めたのがソ連崩壊のタイミングと重なっており、判断は微妙なところ。ソ連崩壊説を支持する人も多いかもしれません。
●資本主義ロシアのGDPほぼ半減…ソ連の共産主義が正しかった?
2019/08/03:私は民主主義について、問題があるとはいえ民主主義に代わるような良い制度は他にないという考えです。民主主義と資本主義を混同している人がいますが、資本主義についてもやはり同様の考え。おそらく多くの人もそう考えているでしょう。問題点を修正しつつ運用していくのが、ベターだと思われます。
ただ、ロシア人はそう考えてはいないかも…という話が、
北朝鮮と軍事的に関係が深いのは中国ではなくロシア ミサイルも似るで使った、
結局、ロシアは北朝鮮をどうしたいのか?(北野 幸伯) | 現代ビジネス(2017年7月22日)でありました。まず、「共産主義」をベースとしたソ連では、当然、ソ連自身が「労働者の利益を代表する国」であり、主要な敵は、「資本主義の総本山」アメリカでした。
この価値観がソ連崩壊で変わったか?というと、ロシア関連の記事をよく書いている北野 幸伯さんによれば「残念ながら、あまり変わっていない」とのこと。ロシアの支配層によると、米国はソ連崩壊後、新生ロシアに“わざと”間違った経済改革を実施させたと考えているといいます。
新生ロシアは、アメリカやIMFの勧める経済改革を実施した結果、1992~98年、GDPが43%も減少。本当の衰退の原因も別の可能性がありますが、これにより「アメリカが悪い」という考えに…。また、それだけでなく資本主義は間違いと考えているロシア人もいるかもしれない…とも思いました。
●抜本的な経済改革を行うと宣言したロシア、経済を破綻させてしまう
私としては、資本主義の問題ではなく、本当の衰退の原因も別の可能性があるのでは?と木になります。そこでロシアと資本主義に関する他の記述はないかと検索。
ロシアの経済 - Wikipediaを見てみました。
こちらによると、ソ連末期のロシア経済には「マクロ経済の安定化」と「経済システムの再構築(中央計画経済から市場主義経済システムへの移行)」という二つの課題があったとのこと。ソ連時代の時点で、市場主義経済への移行を考えていましたが、ゴルバチョフ政権はこの取り組みに失敗します。
1991年のソ連崩壊後、ロシアは市場経済を発展させ着実な経済成長を実現しようと試みました。1991年10月、エリツィン大統領は、アメリカとIMFの勧めに従い、「ショック療法」によって市場重視の抜本的な経済改革を行うと宣言しています。ところが、これが前述の通り、失敗してしまいました。
この政策は結果的にロシア経済を破綻させ、貧困層が数百万人規模に拡大し、官僚の汚職や犯罪件数が増加することに…。そして、ソ連型計画経済から自由市場経済への移行は困難を極める中、国家の歳入増を狙った急進的な財政改革と財政赤字補填策が一因となり1998年8月ロシア金融危機が発生します。
●ロシア経済の本当の問題は、石油・天然ガスが豊富にあること?
このエリツィン政権時代の失敗の理由には、当時ロシアの主要輸出(外貨獲得)品目である石油・鉱物資源の価格の低迷もあったとのこと。2000年から2008年までのプーチン政権期では逆に、世界的な石油価格の高騰による石油ガスの輸出収入の増加を背景に、ロシア経済はマクロ的には順調な成長を遂げていました。
2007年にはロシアのGDPは1990年の数値を上回ります。つまりソ連崩壊後の壊滅的な経済危機、つまり1998年の財政危機とこれに先立つ1990年代の不況を乗り切ったことを意味している、とWikipediaでは書いていました。これは要するに天然資源である石油の価格次第だ…と言えるでしょう。
日本ではこの石油のような資源を羨む人が多いですけど、実を言うとこのような経済は、あまり良くないと考えられています。ロシアも経済が順調な成長を遂げつつあった2004年1月、将来における石油価格の下落に備えて財政の安定化を図り、また天然資源輸出に依存し過ぎることで懸念された「オランダ病」を回避するべく、財政赤字を補填するための予備資金や株式市場ならびに債券市場の買い支えに資金が使われました。
しかし、メドヴェージェフ政権期(2008年-2012年)になると、リーマン・ショックなどの世界的な景気後退の影響を受けて、頼みの綱の原油価格が下落して打撃を受けます。結局、ロシア経済が原油・天然ガスなど資源輸出に依存する経済構造から脱却できていなかったんですね。
また、普通の資本主義ではない、国家資本主義化の傾向にも歯止めがかからない状況だったともされていました。この国家資本主義っぽさは、日本についても指摘されていますけどね。うちでは、過去に
国家社会主義と国家資本主義の違い 国家主義や全体主義との関係もという話もやりました。
ロシアは2007年時点でも、燃料・エネルギー部門からの関税・税金といった収入は、連邦政府歳入のおよそ半分にもなり、輸出の大部分を石油・天然ガスといった原材料などが占めている状態。Wikipediaでは第2次プーチン政権期(2012年-)についての話がなかったものの、やはり苦しい状況とされています。
こうやって見ると、資本主義や社会主義の問題というよりかは、天然資源に偏った経済になっていることが本当の問題じゃないでしょうか…。
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