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ジャパネットたかた高田旭人社長 父・高田明前社長とぶつかりあって成功


 最初は"ジャパネットたかた高田旭人次期社長 高田明社長とぶつかりあって成功"というタイトルでした。このあたりの話は小見出しの4つ目で、その前はジャパネットの工夫についてやっています。

 その後、最後に"高田旭人社長の新たなチャレンジ、旅行業への参入"、"ジャパネットたかたで重要なのは「家電」ではない"を追記。タイトルの肩書も直して、"ジャパネットたかた高田旭人社長 父・高田明前社長とぶつかりあって成功"にしました。ただし、本文の肩書は当時のもののままになっています。

2014/7/14:
●最初は有名ブランドしか扱っていなかったジャパネットたかた
●大成功した無名メーカーの「レイコップ」は、当初は大苦戦だった
●コールセンター人員のコミュニケーション能力を向上はマニュアルで
●ジャパネットたかた高田旭人社長 父・高田明前社長とぶつかりあって成功
2018/09/13:
●ジャパネットたかた、9割以上の商品をやめて売上上昇
●高田旭人社長もすごい!取り扱い点数を減らしたことで他にもメリット
2020/05/07:
●ジャパネットたかたが16連休導入でむしろ業績が上がった理由
●多くの日本人が誤解している…働き方改革は目的ではなく手段
●1週間の休日を増やすなんて無理?でも必要な時間は1日十数分だけ


●最初は有名ブランドしか扱っていなかったジャパネットたかた

2014/7/14:ジャパネットたかた高田明社長、思いつきで「社長、辞めます!」で使った記事の続編を3つ読んでみました。

 これらは最初の話ほどは濃くないと感じましたので、ちょっとずつ。

1時間、布団とダニのことだけ話そう:日経ビジネスオンライン 荻島 央江 2014年6月13日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140606/266393/?P=1

売れたはいいけど電話が取れない!:日経ビジネスオンライン 荻島 央江 2014年6月20日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140606/266402/?n_cid=nbpnbo_leaf_bn

「高田社長が引退したら、あの会社は終わり」を覆す:日経ビジネスオンライン 荻島 央江 2014年6月27日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140612/266760/?n_cid=nbpnbo_leaf_bn

 1つ目の記事でおもしろかったのは、以前はナショナルブランドしか取り扱っていなかったという話です。

 このナショナルブランドについては記事中だと特に説明がありませんでしたが、一般的にはプライベートブランドの対義語として用いられ、メーカー自身の作ったブランドのことです。ただ、今回は文脈からして、大手メーカー製で全国の消費者に広く知られていてる国民的なブランドという意味だと思われます。

 ジャパネットたかたがナショナルブランド縛りをしていたのには、きちんと納得できる筋の通った理由がありました。今でこそ有名なジャパネットたかたですが、通販事業に参入した当時は、当然会社の認知度の低かったです。そのため、"有名、無名にかかわらず、既に消費者がよく知っているナショナルブランドの商品なら安心して購入してもらえる"という理由がありました。逆に言うと、無名通販の無名メーカーの商品だと疑われて買ってもらえなかったってことですね。

 しかし、これは無名だったからこそ意味のある方針であり、現在ではその必然性が薄れていました。「失敗は成功のもと」と言われますが、私は「成功も失敗のもと」だと思っています。この場合も過去の成功例に囚われていたと言えます。

 ジャパネットたかたは2年連続の減益のピンチにあって、この方針を見直します。"日本ではまだあまり知られていないメーカーの商品もアフターフォローの体制と企業理念が共有できれば積極的に紹介することにし"ました。

 これはメーカー側にとっても、ジャパネットたかたの強みを利用できるありがたい方法です。それは"「伝える力」という強み"です。"商品の機能説明は最小限にとどめ、その商品を顧客が手にすることで、どんな便利なことがあり、どんな快適さが得られるのかを集中的に話す"…商品の良さが本物なら"まだ世の中に知られていない企業の商品でも"ジャパネットたかたの「伝える力」で売り込むことができるのです。


●大成功した無名メーカーの「レイコップ」は、当初は大苦戦だった

 ただ、そうは言っても、大ヒット作のレイコップは、"当初は思うほど反響がなかった"そうです。やはりジャパネットたかたといえども、無名メーカーの製品だとそう簡単に売れるってわけでもないんですね。




 苦戦する中で生み出されたのが、"レイコップ1商品のみを1時間かけてじっくり紹介するという方法"です。"今までのように1時間の放送時間の中で5~6商品を順番に紹介するのでは、その良さが伝わらないと考えた"のだそうです。

 他にも"季節に合わせて伝えるべきメッセージをきめ細かく変え"るという工夫をやっています。たとえば、花粉が飛散する季節は「外に布団が干しにくいですよね」というものだったり、"ダニが最も繁殖するシーズンである梅雨時には、その深刻さを訴えたり"といった具合です。


●コールセンター人員のコミュニケーション能力を向上はマニュアルで

 2つ目の記事では、2013年に過去最高益に向けて好調だったものの、コールセンターの人員不足に陥ってしまったという話が出ていました。

 人員を増やすと、コールセンターの人員(コミュニケーターと呼んでいるみたいです)の質の低下が心配されます。ジャパネットたかたの場合は、「基本的なマナー」「正しい商品知識」「お客様の期待に何とか応えようというマインド」の3つを重視しており、この質を維持しなくてはいけません。

 そのうち、「商品知識」には一部で忌み嫌われる商品FAQ、想定問答集を用いていました。私はこういったマニュアルはマニュアルそのものが問題なのではなく、マニュアルの上を目指さないから問題だと思うんですよね。ジャパネットたかたの場合は、「お客様の期待に何とか応えようというマインド」も重視しているので、うまくいったのではないかと思います。

 あと、新人コミュニケーター教育に関しては、先程もあった成功例への固執、前例の囚われを打破しています。当初は"福岡のコールセンターと同様にメーカーの方に(講師に)来てもらおうと考えてい"ました。しかし、社長の提案で、日々テレビ通販番組の中で商品の特徴を語っている話し手(MC)に変更します。

 MCは商品の特徴を知っているだけでなく、コールセンターのある佐世保は福岡と違って近くにMCがいるのだからというのもあったようです。


●ジャパネットたかた高田旭人社長 父・高田明前社長とぶつかりあって成功

 3つ目の記事はあまり書きたい話はなかったですが、次期社長の高田旭人副社長が、高田明社長が抜ける穴として「話し手としての部分を一番危惧しています」とおっしゃっていたのが気になりました。「話し手、高田明が不在になるとき、そこまでが勝負だと思っています」とのことです。

 ああ、あと、副社長が社長と"何度もぶつかりました"って話は、興味あるところでしょうか。一度書き終えたものの、一番注目浴びるところかな?と思って付け加えた上に、今回のタイトルにまでしました。

 「高田社長が激しく言う姿が想像できません」とインタビューアーの方は言っていますが、「社員はみんな想像できますよ(笑)」とのこと。「根拠も実績もないのにうまくいくはずがない」と容赦ないそうです。みんな「とことん怒られて、とことん『違う』と言われる」とも言っていました。

 この高田明社長が納得しなかったというものの一つが、前回も書いた1商品を徹底的に売る「チャレンジデー」です。しかし、これが大成功。高田明社長なしでもやれる!という自信に繋がった一番の「チャレンジ」でした。


 以上ですけど、前例に囚われない、成功例にしがみつかないってのは、大切だなという話がメインでしたかね。私も頑なになっていると感じるときがあるので、気をつけたいと思います。


●高田旭人社長の新たなチャレンジ、旅行業への参入

2017/03/09追記:高田旭人社長の新たなチャレンジ、旅行業への参入というニュースがありました。

旅行業本格参入へ 年内に登録申請 毎日新聞2017年3月4日 06時30分(最終更新 3月4日 08時35分)【浅川大樹】

「本格」とあるように、実はこれ、全くの未経験ではないようです。ジャパネットたかたは昨年7月以降、旅行業者による日本周遊のクルーズ旅行をテレビショッピングと新聞、カタログで数回にわたって試験的に販売しています。初めてクルーズ船で旅行する顧客が多く、ニーズがあると判断した上での、本格参入となります。


●ジャパネットたかたで重要なのは「家電」ではない

 これで思い出したのは、低迷のはとバス、東京人に東京観光…で復活 中国人の富士山ツアーも人気でやった、はとバスのバスなしツアーの話でした。

 「はとバス」と言うと社名にもある「バス」が強みのように思えますが、実際には「はとバス」の最大の魅力は企画力です。バスを使うかどうかは重要ではありません。

 では、ジャパネットたかたの場合はどうか?と言うと、「家電などのメーカーと“売れる商品”を共同開発するノウハウが強み」と記事で説明していました。なので、高田旭人社長は「消費者が求める旅行商品を追求できる」と見込んでいるようです。

 うまく行くかはわからないものの、はとバスと同様に会社の本質をよく理解した上での判断で、よくある思いつきみたいな多角化とは異なるように見えました。


●ジャパネットたかた、9割以上の商品をやめて売上上昇

2018/09/13:3年前、創業者の高田明さんが退任した後、ジャパネットたかたは約8500点あった商品を600点に絞り込んだそうです。しかし、16年度の売上高は1783億円、17年度の売上高は1929億円で成長を続けています。

 私もパッと見て、良い戦略だと思いました。スーパーでは、売れる度合いで商品をA、B、Cに分けて、一番売れ筋のAに力を入れて売っていくというやり方が良いとされています。ジャパネットたかたのような通販番組の場合、特に時間に限りがあり、紹介できる商品は限られています。絞り込んで売れ筋の商品を売った方が良いでしょう。

 そう思って読んだら、これ、ネットの話でしたわ。そうですよね、通販番組で8500点も商品ありませんよね…。

【高田旭人社長】昨年(2016年)7月、ホームページの掲載商品を約8500点から約600点に減らしました。1/14です。
【高田】ホームページに古い商品が掲載されていたので「これ売れるの?」と聞いたら、「月2個売れます」。一方で新商品を登録するチームは「人が足りません」。月2個しか売れない商品を一生懸命登録するのはもったいないですよね。
(ジャパネットが93%の商品をやめたワケ (永井 孝尚) | プレジデントオンライン 2018.4.28 マーケティング戦略コンサルタント 永井 孝尚 PRESIDENT Onlineより)

 アマゾンなんかは商品の売上を横に並べると売れない商品が横に大量に長くなるロングテールが特徴であり、売れない商品をわざと載せているというのが強み。なので、驚きましたが、そのアマゾンとは違うと説明していました。

【高田】そもそもジャパネットの強みは「少品種多量販売」で、アマゾンさんや楽天さんの「多品種少量販売」の逆なんです。データを見たら、1000商品で売上の多くを占めていました。じゃあ「厳選」の「選」にひっかけて「千」商品以内にしようと決めて、商品を絞り込んでみたら意外と減って、600商品になりました。ただ上限を決めないとまた増えるので「とりあえず語呂がいいから、最大777商品にしよう」と。


●高田旭人社長もすごい!取り扱い点数を減らしたことで他にもメリット

 ただ、ネット販売でも商品点数を減らすのは、売上以外のメリットがあります。特に個人商店のようなところで効果的ですけど、いろいろなものをサイトで売るのってめちゃくちゃたいへんなんですよ。アマゾンは倉庫などリアルがめちゃくちゃ強い会社でもあり、他の企業ではなかなか真似できないところがあります。

【高田】10人いた商品登録チームを解散できました。
【高田】さらにバイヤーが約20人なので、600商品だと一人30商品担当します。バイヤーが自信ある商品だけになりました。

 私は世襲を徹底して嫌っていますけど、世襲の人が必ずダメというわけでもありません。高田旭人社長は、父・高田明前社長と同様に、非常に鋭いものを持っているようです。


●ジャパネットたかたが16連休導入でむしろ業績が上がった理由

2020/05/07:今検索すると、その後は苦戦しているというニュースも出ているのですけど、とりあえず、目についた16連休導入で業績急回復 ジャパネットの働き方改革|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE(2019/11/20)という記事について。当時は、社長職を継がれて以来、独自の働き方改革を積極的に推進され、増収増益を更新している状態だったそうです。

 タイトルになっているように、ちょっと真似できないな!というすごさがあるのが、「16連休」が取得可能な休暇制度の導入。スーパーリフレッシュ休暇制度という名前みたいですね。「休ませよう」と発想したというより、より健康的で生産性が高い働き方を追求した結果といった説明を高田旭人社長はしています。

 ただ、この後紹介していくように、ポイントは「効率化」の方ではないかと思いました。「効率化」という観点でしたら、前回の追記部分とも繋がるものが見えてきますよね。また、休ませるのが目的ではなく、効率化を目的としたことが業績をむしろ上げた理由にもなっていると思われます。


●多くの日本人が誤解している…働き方改革は目的ではなく手段

 高田旭人社長は、<世の中には働き方改革が「目的化」してしまっている会社が多いように思います。うちはあくまで手段としか考えていません>としていました。これだけだとわかりづらいんですけど、要するに働き方改革を行って効率化し、結果として休めるようにできたという感じじゃないでしょうか。

<いい意味で「楽して成果を上げる」という発想が、まだまだ日本には足りない気がします。社会に出て仕事をするようになると、さらにムダがあちこちに転がっていることに気づき、疑問を持ったことが出発点です>
<当社の働き方改革は休みの充実に注目されることが多いのですが、それはいろいろな業務効率化をやってきた成果のたまものであって、「地道にムダを省いたことで、しっかり休める組織になった」という順序なんです>


●1週間の休日を増やすなんて無理?でも必要な時間は1日十数分だけ

 ただし、これはすんなり行きませんでした。ジャパネットたかたは、昭和のムードで長時間労働大好きという社風。熱心な社員の方も多く、「休むなんてとんでもない!」という声もあがったとされていました。また、無理だろう!とも思われたみたいですね。

<反応に驚いて、理解を得るためのロジックを考えました。年間の労働時間から計算すると、うち4%のムダを削ったら1週間休める。土日をくっつけて9日間。それで9連休のリフレッシュ休暇制度を導入したのですが、また「9連休も」とザワつきました。「4%って1日当たり十数分だよ。パソコンも新しくなったし、整理しないといけない資料も減らしたでしょう。削れるんじゃない?」と問いかけました>

 また、このムダの削り方ですけど、かなり地道。魔法のようにうまくいく…ということはないようですね。ただ、そこまでしてやったんだ…ということで、逆に説得力があるかもしれません。

<例えば、会議資料の廃止。つい最近も人事部門の業務を全部ホワイトボードに書き出して、一つひとつ「これは価値を生む仕事か?」とチェックしました。担当者本人は「価値があります」と言っても、管理職は「そうでもない」という判断をしたり、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールの導入で削減できると判断されたり。要は、「本当に注力すべき業務」だけに集中できる環境を生み出せるか>
<ほかにも、メールのやり取りを効率化するために振り分け機能が充実したソフトウエアに切り替え、会議室にはチャイムを導入しました。会議をムダに長引かせる習慣を断つために、退室予定時刻の10分前・5分前にチャイムが鳴るツールを導入したんです。商談中にも「あと10分なので結論を出しましょう」と話をまとめやすくなるメリットがあります>


【本文中でリンクした投稿】
  ■低迷のはとバス、東京人に東京観光…で復活 中国人の富士山ツアーも人気

【その他関連投稿】
  ■ジャパネットたかた高田明社長、思いつきで「社長、辞めます!」
  ■不祥事企業トップはジャパネットたかた高田明社長を見習え!
  ■スティーブ・ジョブズらカリスマの罪 アップルが普通の会社になるのはいいこと
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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