がんを予防する食べ物とか、逆に食べることでがんになるという話は大きく話題になるのですが、実際には信頼性は高くないようです。食事ではガンをコントロールできないと考えた方が良さそうでした。
ただ、なんでも好きなだけ食べて良いという意味ではありません。というのも、肥満はがんだけでなく、様々な病気と関係があることがわかっています。特定の食べ物に気にする必要はないものの、バランス良く適量を食べて適度な運動をするというのは、やはり大事だと考えて良さそうです。(2014/7/15)
2017/09/12追加:がんで気にするべきなのは内臓脂肪か?
●がんに効果ある食べ物は嘘?ガン発生のリスクの間にほとんど関連なし
2014/7/15:こういうのは様々な研究があるわけで、ひとつの研究で決まるというわけじゃありません。ただ、気になる話ではあります。
特定の食材によるガン発生リスク軽減説の根拠が弱まっていることが判明 2014年05月12日 09時24分46秒 ギガジン
ガン発生のリスクを下げるためには、体内の正常細胞を攻撃するフリーラジカルの発生を抑制する抗酸化物質やフィトケミカルを多く含む食物が効果があるとされたり、昔ながらの農村や古代人が食べていた食事に戻ることが推奨されるなどの動きがありましたが、2014年4月に1万8000人以上の研究者が参加して開催された全米ガン研究会議(American Association for Cancer Research:AACR)の年次会議で明らかにされた研究内容によると、それらの食物とガン発生のリスクの間にはほとんど関連性が見られなかったとのこと。
http://gigazine.net/news/20140512-foods-cannot-prevent-cancer/
●特定の食物でがんは防止できないと過去に報告済み
最初戸惑ったのですが、抗酸化物質を多く含む食べ物というのは、野菜・果物といったところを想定していたようです。ウォルター・ウィレット教授は、2014年の同会議における定例報告の場において、特定の果物や野菜によるガンの発生リスク低減を証明する証拠は見つからないという内容を報告しています。
これは通説と異なっており、1997年に世界がん研究基金およびAACRが共同で作成した膨大な量の報告書の根拠を失わせかねないものとなっているとしていました。当時の研究では、緑黄色野菜は肺ガンと胃ガンのリスクを下げ、直腸ガンと甲状腺ガンにはブロッコリーやキャベツ、芽キャベツの摂取が効果があるなどとされていたのです。
ただ、世界がん研究基金などももっと早くにこの説を訂正していたんじゃないですかね? 記事では、その後の2007年の時点で、「
特定の食物を採ることによるガン発生のリスク軽減効果はほぼ認められない」とする結果が報告されていたとも書いていました。
なお、上記で出てきたキャベツ、芽キャベツには、むしろ発がん性物質が含まれているって話もありました。ただ、気にするほどの量ではありません。
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発がん性物質の含まれる食品 コーラ、コーヒー、キャベツなど 味の素、緑茶、マテ茶は? ■
発がん性疑惑のコーヒー酸(カフェイン酸) プロポリス、キャベツなど●ただし肥満はがんや心臓病など多数の病気に関係あり
記事では結果が異なった理由について、以下のように推測しています。
1997年からの約15年で研究結果が一転することになった最大の理由は、研究で用いる手法がより緻密なものになったためと考えられています。以前の研究では、対象者への聞き取りは本人の記憶に頼るところが大きかったのに対し、現在ではより科学的な検証方法が取り入れられたことで、客観的な検証が可能になっています。
こういうパターンはよくあります。記事では"脂肪分の高い食物とガン発生の関係も、一部ではその根拠に疑問を投げかける声が挙がっている"ともありましたが、これはまだはっきりしていないので割愛。ただ、野菜・果物と含めて、食事の仕方に気をつけてがんを防ぐ…というのは現実的ではないという方向性があるようです。
一方で"肥満度の管理がガンの抑制に効果があることは確実なものとされて"いるようです。また、"心臓病や二型糖尿病、高血圧、脳卒中といった病気のリスク"というのもまた同様です。
仮に脂肪分の高い食物を過度に気をつける必要はなく、野菜・果物をたくさん食べる必要がないという研究が確かなものになったとしても、メタボのようになればがんを含む様々な病気のリスクがあることには変わりないということでしょう。
それでも、まあ、変に食事を偏らせる必要はなく、適度に健康的な食事をすれば良いというのですから、楽ですね。
●がんで気にするべきなのは内臓脂肪か?
2017/09/12:最後の肥満の件に関する研究で追記。もともと体重よりも内臓脂肪を重視すべきだと言われていますが、がんにおいても内臓脂肪が大事という研究があったのです。
肥満は乳がんや肝臓がん、大腸がんなどいくつかのがんの独立したリスク因子であることはよく知られていたものの、細かいメカニズムは不明でした。で、今回の研究では、肥満につきものである「内臓脂肪」がリスクを高めている可能性を見出したというのです。
実験を行ったのは、米ミシガン州立大学とイェール大学の研究者ら。マウスによる比較実験を行い、内臓脂肪が過剰になったマウスの体内では、血管新生や傷を治癒させる成長因子として作用する「線維芽細胞増殖因子」の一種、「FGF2」が大量に産生されていることが確認されたそうです。
がんと診断された人の内臓脂肪サンプルの分析を行ったところ、マウスと同様にFGF2が高濃度で含まれていることも確認しているとしていました。
ただし、以下のような指摘もあります。
・FGF2ががん化を進めていることは確かだが、内臓脂肪はFGF2以外にもさまざまなホルモンや成長因子も分泌しており、よりがんリスクを高めている物質が存在している可能性は否定できない。
・動物実験を元にしており、サンプルで確認したとはいえ人でも同じことが起きているかどうかは不明。
(
内臓脂肪ががん細胞の増殖を促進する? 肥満によるがんリスク上昇、ついに解明か J-CAST ニュース | ライフ・美容 | 2017年09月11日より)
ここらへんは研究が進むのを待たねばいけませんけど、肥満ががんと関係していることは既にわかっている確実なところですので、そこは再確認しておいてください。
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