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保守派とリベラル派、怖がりで臆病者なのはどっち?という実験


 なぜか攻撃的な人・不寛容な人 疲労や死の意識が理由なのかもの続き。前回の話はタイトルで大体わかるように、疲れたり、死について考えたりしていると、人は自分と価値観の異なる他人に攻撃的になったり、不寛容になったりするというものでした。記事ではこれを脳が保守的になるといった言い方をしていました。

 このとき使った記事で私は、政治的な意味での保守的な人については、あまり触れないようにしていました。今回はそちらに深入りした話をやります。

 まず、前回敢えて使わなかった部分について。 
疲労や「死の意識」で脳が「保守化」:研究結果 « WIRED.jp 2011.4.21 THU Jonah Lehrer 日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子

Solomon氏のその後の研究では、2001年の米同時多発テロについて考えさせられた人は、共和党に投票する確率が大幅に高まるという結果が出ている

 他者への不寛容・攻撃といった意味での保守だけでなく、政治的にも保守的になるという話ですね。ただ、これに文句をつけてしまうと、「米同時多発テロ」ではなく、元の通り「死について」考えさせる実験にした方が良かったと思います。「米同時多発テロ」のことを考えて共和党…っては、ある意味当たり前すぎて何とも…。

 と言った感じで、こういう政治的なところの絡む研究はバイアスがかかっている可能性がありますので、眉に唾をつけて見た方がいいですね。それを踏まえながら上記記事で紹介のあった別の記事です。こちらはタイトルからして政治性が強いものになっています。

「保守派はリベラル派より”脅威”に反応しやすい」:驚愕反射テストで判明 « WIRED.jp 2008.9.24 WED Brandon Keim [日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/福岡洋一]

 実験は以下のようなもの。
心理学者が、党派心の強い被験者46人を対象に驚愕反射のテストを行なったところ、急に脅かされると、保守派のほうがリベラル派よりもショックを受ける傾向が強かったという。

こうした生理的な違いは、軍備拡張、イラク戦争、銃規制、死刑制度、パトリオット法(反テロ法)、令状なしの捜索、対外支援、妊娠中絶の権利、同性婚、婚前交渉、ポルノなど、激しい議論を呼ぶ政治問題に関する見解の大きな相違と符合した。

 実験は"突然大きな音を聴かせたり、感情をかき乱すような画像を見せたり"というものみたいですね。こういう内容だと保守派はビビリだとか、臆病者だとか、弱虫だとか、あらぬ批判を受けそうですが…。

 記事でメインで扱っていたのは上記の実験とは別ので、この年(2008年)の9月18日に『Science』誌に発表された実験のようです。"執筆者たちは、拡大解釈しすぎないよう注意を喚起してい"ますが、次のようなことがわかりました。 
今回の研究結果は、「恐怖」が政治上の保守主義につながっていることを示唆している。

「脅威を感じる状況に置かれると、保守的な意見、保守的な指導者や政党に対する人々の共感が強まるように思える」と、ニューヨーク大学のJohn Jost教授(心理学)は指摘する。

(中略)Smith教授も、「強く反応を示す人々は、身近な政治的脅威に人一倍敏感だ」という意見には賛成した。

 Jost教授は「倫理的な見地から言って、保守派は一般大衆の恐怖心に付け込むような選挙運動を展開すべきではない」と批判していました。ただ、こういった不安を煽ることで支持を得る選挙戦術は、非常に一般的です。
社会批評家でジャーナリストだったH. L. Menckenは、「そもそも実際的な政治の目的とは、恐ろしげな問題を次から次へと突きつけて大衆に脅威を与え、常に不安を抱かせること(そして安全へと導いてくれるよう要求させること)だ」と書いた。

 一方でJost教授は「操作の実態が明らかになるにつれて、こうした戦術に対する反発がいずれ起きると思う」とも言っています。以下のようなものも理由だろうと思われます。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のDarren Schreiber助教授(政治心理学)は、「恐怖心を植え付けることばかりに心を砕く候補者は、結局は成功しない。[1950年代にヒステリックな反共産主義運動を展開した]マッカーシー上院議員は、一時的に権勢をふるったが、いまや『マッカーシズム』といえば悪しき政治の代名詞だ」と説く。

 ただ、私はそういった見方に懐疑的です。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざでもいいですし、「歴史は繰り返す」ということわざでもいいですが、人々は同じような過ちを繰り返して来ています。振り返って「悪かった」と気づくだけで、今「悪い状況の中にある」と気付ける人はほとんどいないでしょう。これからも不安を煽る戦略は有効であり続けると思われます。

 というのも、過大に不安を煽ることで利益を得るという戦略は、今でもたいへん有効なためです。たとえば、医療保険や死亡保険の販売だとか、健康食品の販売だとか、食品の危険性だとか、病気の深刻さだとかです。記憶に新しい「放射能」不安なんかもモロにそうで、彼らの攻撃性には辟易しました。あと、オスプレイ問題なんかもその系統ですね。

 で、この「放射能」不安が保守サイドというよりむしろリベラルサイドの話であるように、政治的にも不安を煽る選挙戦術は保守派の専売特許ではないように思えます。他者に不寛容だったり、ときには暴力まで振るったりというのは、右でも左でも端に行けば行くほど多くなります。

 記事の実験の場合、驚愕反射テストの結果と保守派・リベラル派との間に関連性が見られたというものですから、政治的なバイアスが介入する余地はなさそうに見えます。しかし、前回分の"疲労や「死の意識」で脳が「保守化」"については、前述の例のように必ずしも保守派にだけ見られる現象ではないと考えられます。

 恐怖によって異なる考え方の人に不寛容になって攻撃的になりやすいというのは、保守・リベラル関係なく言えるでしょうからともに気をつけた方が良いです。


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