●国士舘大学の教授2人、同僚の不正を通報したところ逆に処分される
2020/11/16:国士舘大学の教授2人が、2017年、同じ国士舘大学の別の教員が他の学術誌などに発表している論文を「二重投稿している」と大学内の担当機関に通報したそうです。ところが、驚いたことに、国士舘大学側は二重投稿した教員ではなく、通報した教授2人を処分したらしいんですね。おかしいです。
大学側の言い分としては、提出書面に「本人が(不正を)認めた」などと記載してあったものの、「教員が不正を認めた事実はなく、虚偽の報告をした」とし、2人を戒告処分としたとのこと。仮に虚偽記載があったのだとしても、二重投稿が問題であるには変わりないために、不正の教員にはより厳しい処分にすべきなのですが、後述の記載内容を見ると、どうも無罪放免とされた感じでした。
この件を知ったのは、
不正通報の元教授ら勝訴 国士舘大、懲戒処分は無効:東京新聞 TOKYO Web 2020年11月12日 18時01分 (共同通信)というニュース。これが理由で辞めたのか記事では元教授2人とされていたのですが、大学側に「不当な通報」と判断され、違法な懲戒処分を受けたとして、処分無効を求めて提訴。訴訟の判決で、東京地裁は、元教授側の主張を認め、いずれの処分も無効としたそうです。
記事によると、判決は二重投稿が疑われる行為があり、書面は真実の可能性が高いとしたとのこと。これはいろいろ気になりますね。とりあえず、二重投稿が疑われる行為があると認定していることからすると、大学側は二重投稿の教員の方は処分しなかった感じです。だいぶ問題がある判断のようで、怪しいですね。裏に何かありそうです。
あと、虚偽通報ということになると確かに問題なのですが、極力、通報者は処分すべきではない、責めるべきではないという話もしておきたいところ。なぜかと言うと、処分してしまった場合、その後、不正を見つけた人が通報することをためらってしまい、不正が通報されず隠蔽され蔓延するということが起きるため。内部告発者は守られるなくてはいけないのですが、日本は、内部告発者いじめもよくあり、不正を助長する社会になってしまっています。
●ユニークな校風の国士舘大学、右翼的で硬派 朝鮮高校の生徒に暴力
ここからだいぶ違う話。個人的な話ですが、国士舘大学が他の大学とごっちゃになって混乱します。なので、今回、
Wikipediaを見てみました。かなり個性的な大学ですね。だいぶ薄れているそうですが、かつては、「硬派」「右より思想」の大学というイメージだったそうです。
長らく右翼的な学校とみなされていて、1960年代から1970年代にかけて全国の大学に左翼的な学生運動の嵐が吹き荒れていた時代でも、それら活動とは無縁の存在でした。ただし、国士舘大学の学生らは別の方向性で大活躍。学生に暴力的傾向があり、しばしば学外で徒党を組み暴力沙汰を繰り広げ、大学のイメージを極端に悪化させていたといいます。
1973年6月12日には、神奈川県議会本会議の一般質問で「国士舘大生による(続発する)暴力事件」が取り上げられるほどに。さらに、この取り上げられたのと同じ日にはなんと、国士舘大学の学生数十人が高田馬場駅で朝鮮高校の生徒を木刀などで襲撃。生徒に暴力を振るうとともに電車の窓ガラスを割り、山手線を一時不通にさせたとのことです。
警察は、国士舘大生11人を逮捕するとともに新宿駅や乗客の襲撃事件が続発していた小田急線沿線で警備を強化。同年6月13日、衆議院法務委員会は続発する国士舘大生の暴力事件について関係者を呼び事情の聴取を行ったそうです。暴力をふるった相手が「朝鮮高校の生徒」というのが、すごく右派らしいですね。
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