早稲田大学の話ばっかり続いてすみません。知れば知るほど、ひどい話が出てきてしまって終わらないんですよね。
まずは以下の記事から。
小保方氏論文:博士号取り消さず…早大調査委【大場あい、須田桃子、八田浩輔】
毎日新聞 2014年07月17日 17時06分(最終更新 07月17日 23時41分)
http://mainichi.jp/select/news/20140718k0000m040001000c.html この記事で小保方晴子さんの盗用について触れた部分。最後のところで驚愕しました。
東京都内で記者会見した小林委員長(引用者注:小林英明弁護士)によると、論文には11カ所の著作権侵害(盗用)など計26カ所に問題点があった。小保方氏は、この論文について「草稿段階のものを誤って製本、提出した」と主張。調査委は主張に基づき一部は過失と認めたものの、6カ所の文章や図は故意による不正と判断した。小保方氏が今年5月に調査委に提出した「完成版」にも盗用が残っていたという。
完成版でも盗用。完全にダメじゃないですか。
具体的には、"全5章のうち序章の約4500語が米サイトからの丸写し"。例の大量コピペのところは、初心を貫いたようです。
ところが、調査委は「博士号授与へ重要な影響を与えたとはいえない」と判断したんだそうな。大したものです。
この記事は他紙と違って遠慮がなく、"この規模の「盗用」を認めながら博士号を保持できるのであれば、国内外の早大への信用と権威は地に落ちるだろう"と辛辣な意見を載せています。
しかも、このコピペ完成版博士論文。当時作ったものとは思えません。
"小林委員長によると、小保方氏が「完成版」と主張する論文を調査委に郵送したのは今年5月27日"であり、問題発覚からかなり経ってからです。
私が
小保方晴子、博士論文は下書きと主張 さすがの早稲田大も擁護せずを書いたのは3月14日ですから、おそらく小保方さんが下書きと主張したのもこの頃の話です。2ヶ月半も経っています。
また、"調査委は問題表面化後に作られたものかどうかを検証するため、電子データによる提出を求めてい"ました。これがまた遅いのです。"小保方氏側からデータが提出されたのは6月24日"であり、「完成版」なるものの提出からさらに1ヶ月、下書きの主張からは3ヶ月半も経過しています。
そして、決定的なのが、ファイルの最終更新の日付。何と「ファイルの最終更新履歴は当日」(おそらくデータ提出の当日)だったそうで、慌てて作った感満載です。
なぜこのような状態で調査委員会が"小保方氏の論文を「草稿」だったと認めた"のかは、意味不明です。小林委員長は「それ以上の検証はできなかった」などとほざいていますが、一目見てアウトなのに調査もクソもありません。
あと、私は画像のところは言い訳できないので、てっきり調査委員会は無視していたのだと思いました。ただ、画像の盗用も認めていたようですね。
特に気になったのは、実験画像のところ。Figure 10の画像は実際に実験を行ったものを載せているはずなのに、盗用画像の可能性が濃厚であり、「エア実験」の疑いを強くしたものです。こちらはどう書いているだろう?と読んでみると…ありました、ありました。
「II.本件博士論文の作成過程における問題点の検証」の中の「1.本委員会による認定」の「g.」で出ています。「本件博士論文53頁のFig. 10」というものです。
「先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」調査報告について | インフォメーション | 早稲田大学 2014/07/19
http://www.waseda.jp/jp/news14/140717_committee.html「大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」による調査報告書 全文
(PDF)
http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_report.pdf そして、「小保方氏が問題箇所⑤中の下段中央の画像を本件博士論文に掲載した行為は、Zen-Bio社が転載元⑤の1に対し有する複製権(著作権法第21条)を侵害するものといえる」と盗用を認めていました。
「Fig. 10」ではもう一つの画像についても盗用を認めています。しかし、例によって「博士論文の草稿が、最終的な完成版の博士論文として誤って製本されてしまったものと認定できる」と言い出しています。
その上で、「問題箇所⑤に関して、小保方氏が、真実は自己の実験等で得られ結果やデータ等でないにもかかわらず、読者にそうで
あると誤信させるために、欺罔の意思をもって、そのように装った事実は認められないのであって、実験結果欺罔行為にはあたらない」と結論づけています。
本当、何度見ても呆れる屁理屈です。
もう一つ気になるのは、「本件博士論文のもととなった実験の実在性」を認定した点です。
これは例のTissue誌に掲載されたからというのが理由の一つみたいですね。でも、Tissue誌と比較にならない最高峰のNatureに載ったSTAP細胞の実在性すら危ぶまれているのに、そんなもの理由にならないでしょう。世界三大不正で挙げられて捏造が確定しているファン・ウソク事件は同じく最高峰のScience掲載であり、シェーン事件もNatureやScienceに載っています。こんなもの理由になりません。
また、以前も書いたように、Tissue誌は小保方晴子さんを指導したバカンティ教授の身内雑誌です。当てになりません。
この話は既にニュースで読んで知っていましたが、他に小保方さんは「これらの実験は主にハーバード大学で実施した。」、「それを裏付けるデータ等(ラボスタッフ共通の実験ノート等)は同大学に存在する。」等と供述した…という記載もありました。でも、たぶん、これ、調査委員会は「調査の限界」と言って、これ以上の裏取っていないと思いますよ。
まあ、提出日の日付のデータ提出を認める裏とりなら、したって意味ないですけどね。
ここでは小保方さんの他に「S氏」の供述もあるものの、半ページ近くすべて黒塗りになっており、内容は不明です。「S氏」って誰ですかね? 話を聞くなら共著者であり、小保方晴子さんと長く付き合っている小島宏司さんだと思ったんですが、全然「S」じゃないですよね。
主な共著者でSがつくのは笹井芳樹さんくらいですが、笹井さんは知らない時代の話です。何か今まで表に出てきていない他の人なんでしょうね…と検索したら、やっぱり小島さんと特定されていました。どうもイニシャルすら伏せて全く違うアルファベットを当てたようです。岡野光夫教授は「R氏」といった具合です。
最後は再びニュースから。まだあるのかよ!と驚愕しますが、もう一つ呆れたのが指導教官である常田聡教授についての話。
私は学位剥奪をしなくても、指導教官らを厳しく処分(具体的には懲戒免職)するならまだわからなくもない…と書いていたんですが、常田聡教授について"「一般論として述べれば、解任を伴う懲戒処分をもたらすほどのものではない」"としていたようです。
"指導教員としても博士論文の主任審査員としても義務違反がある"、「非常に重い責任がある」としつつ、この判断です。何だこの茶番は?
時事ドットコム:博士号剥奪は「生活破壊」=小保方氏論文で回避理由説明-報告書の全文公開・早大(2014/07/19-23:09)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014071900337 小保方晴子さんの学位については、審査の方の問題であり、学位を認定した以上取消できないと結論づけて、その審査した方の処分に話が行くと、解任の必要なし…これ、結局、誰もまともに責任を取らなくていいというお達しです。
常田聡教授についての報道はほとんどされていなかったので、私はずっと教授に重い処分という可能性は残した報告書なのだと思っていました。この「懲戒処分をもたらすほどのものではない」も重要な言及ですよ。このおかげで僅かに残された報告書に価値がある確率も完全にゼロだとわかりました。
本当、一から十まで醜悪な報告書ですね。
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