エアコンの爆風モードとは?と、それから
爆風モード以外のもう1つの過大表示 電気代の嘘という、”
エアコンに2つの過大表示疑惑 2010年6月21日 小笠原啓 日経ビジネスオンライン”(閲覧には登録が要るかもしれません)を紹介する話を2つ書いてきました。これは非常に素晴らしい記事だと思うのですが、1つ気になった点があります。
それは小見出しに「トップランナー制度の弊害」を使うなど、爆風モードが登場した理由として過度に「トップランナー制度」(トップランナー方式)を強調している点です。
記事には、以下のようにありました。
こうした状況を招いた背景にあるのが、1999年に導入された「トップランナー制度」だ。
(中略)
「正当」なやり方で、COPを上げるにはコストと時間がかかる。そこで、「トップランナー基準をクリアできないと思ったある企業が、2004年頃に爆風モードに手を染めた」とメーカー関係者は明かす。
結果、達成すべきCOP目標値が一気に上がってしまい、一時はほぼすべてのエアコンメーカーが追随した。「悪貨が良貨を駆逐した典型例」とメーカー関係者は恨めしそうに語る。
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でも、これは本当に「トップランナー制度の弊害」なのでしょうか?
確かに「トップランナー基準」が高すぎれば、反則技を使う企業は増えるかもしれません。
また、もしトップランナー制度が無ければ、省エネ性能は現在ほど注目されず、性能の悪いメーカーもその性能を隠すだけで済んだかもしれません。
たとえ省エネ性能を示す風潮になったとしても、トップランナー制度のような罰則(社名の公表、罰金)が無ければ、消費電力の高いメーカーも爆風モードを作り出すには至らなかったかもしれません。
しかし、それは望ましい世界なのでしょうか?
そもそもトップランナー制度は、省エネ性能の技術推進を目指したもので、それ自体が悪であるとは思えません。
問題があるのはその運用であり、トップランナー制度に使う指標の選択なのです。
記事でも、実際の利用環境を反映しない状況で省エネの指標を測定していることが悪いとしていたわけですし、こちらがより本質的な問題なのですから、何もトップランナー制度に矛を向けなくてもと思います。
それとともに、爆風モードのような反則技を使ってしまうメーカーが一番良くないのは、言うまでももありません。
「罰則があるから基準を満たすためには何でもやる」という言い訳は、会社員が「達成目標があるから数値を改ざんする」だとか、犯罪者が「刑罰があるから逃走する」だとか言っているのとなんら変わらず、正当性はどこにもありません。
「爆風モード」は今後注目されるかもしれませんが、変な方向に議論が進まないといいけどなぁと思いつつ、今日はここで終わりにします。
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