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研究不正で処分が必要な理由 公正な研究者の研究機会が奪われている…など


2014/8/5:
●研究不正があっても疑惑の研究者は再現実験を行うべき?
●詐欺師に陶酔した被害者が詐欺師を擁護する現象が研究不正でも…
●不正を犯した研究者を処分しないと、研究不正が繰り返され模倣者を生む
●不正によって公正な研究者の研究機会が奪われている
●不正を行った研究者が出世する流れをなぜ加速させようとするのか?


●研究不正があっても疑惑の研究者は再現実験を行うべき?

2019/01/13:STAP細胞問題の投稿は100以上書いたと思うのですけど、過去話であり、今読んでおもしろい話はあまりなし。ただ、今回の話は、今後も通用する話じゃないかと思うので、全体に修正して再投稿します。

2014/8/5:"【小保方氏会見ライブ・難病患者はどう見た】「期待していたので残念」「再現実験で証明して」"(MSN産経ニュース 2014.4.9 22:18) という記事では、難病患者の方の話がいくつか出ていました。

「小保方氏の会見を聞いても、STAP細胞の存在についての疑問は晴れない。非常に期待を持っていたので、残念」(NPO法人「日本せきずい基金」理事長。自身も脊髄損傷)
「一番知りたいのはSTAP細胞があるかどうか。真実なら小保方氏にも再現実験をやってもらい、証明してほしい」(同)
「私たちにとって治療方法の解明は待ったなし。会見を見て、あらためて小保方氏を信じたいと思った。できる限り早く研究に没頭できる環境に戻ってほしい」(手足から筋力が低下する「遠位型ミオパチー」の患者)
「小保方氏や理研の対応ばかりに注目が集まっている」と困惑(拡張型心筋症の一種「左室緻密化障害」を患う子の父)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140409/crm14040922185013-n1.htm

 産経新聞は当時小保方晴子さんを支援する記事が目立っていました。小保方晴子リーダーがSTAP細胞の再現実験に成功という誤報もやらかしています。なので、STAP細胞の応援といった狙いがあったかもしれません。


●詐欺師に陶酔した被害者が詐欺師を擁護する現象が研究不正でも…

 ただ、争うよりも研究を進めて…というのは、間違いです。

 「小保方氏や理研の対応ばかりに注目が集まっている」と困惑とったものの、これは単に本来研究を直ちに中止するような怪しい疑惑続出なのにも関わらず、小保方さんや理研が激しく抵抗しているため。研究そのものは実現可能性が高いのに、ささいなことを問題にしているという状況ではありません。

 本当に難病患者のためになるのは、これ以上STAP細胞研究にお金をかけずに他のことに注力することです。最後の方は「STAP細胞もiPS細胞同様、魅力的な研究」言っていましたが、STAP細胞のせいでiPS細胞に迷惑がかかっている状態。たとえば、この記事の後には、理研の高橋政代さんのiPS細胞研究にも影響があるという話が出てきました。
(関連:iPS細胞の高橋政代が理研批判 小保方晴子検証実験参加などが理由)

 また、この記事以前にも、STAP・iPS細胞比較に山中教授反論 罪はマスコミだけでなく理研にもでやったように、笹井芳樹理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)副センター長がiPS細胞が危険であるかのように喧伝したせいで患者らに誤解が進み、iPS細胞研究の邪魔をしました。

 こういう現象は詐欺師に陶酔した被害者が詐欺師を擁護して、忠告に耳を貸さなくなるってのと似ていますね。小保方さんも「研究をできるだけ早く進めて…希望を持ってくださっている方に少しでも応えていきたいと考えています」と患者らの気持ちを利用する発言をしているというのが、また許せません。


●不正を犯した研究者を処分しないと、研究不正が繰り返され模倣者を生む

 それから、日本の科学全体のためにも、STAP細胞の関係者は徹底して処分された方が良いです。小保方晴子の処分によっては研究不正推奨に 下村博文大臣も援護と合わせた方が良いような話題でしたが、クマムシ博士こと堀川大樹さんが以前以下の様なことを書いていました。
小保方さんの会見に思うこと | 堀川大樹 クマムシ研究者、生命科学者 投稿日: 2014年04月10日 10時19分

ここでは、STAP細胞の存在自体の真贋については脇に置いておきます。科学論文が適切なものかどうかと、研究結果に再現性があるかどうかは、切り分けられるべき問題だからです。そして、論文がその体を成していない不適切なものであれば、その研究結果の再現性がどうであれ、そこに書かれた研究内容の妥当性は無いものと判断されます。それが科学コミュニティのルールだからです。(中略)

先日予想したように、今後、理研で設置されるであろう懲戒委員会により何らかの処分が小保方さんに下された場合は、法廷に場所を移して地位保全について争うことを厭わないとする旨を暗に示す発言も弁護士からありました。

万一、小保方さん側の主張が法廷で全面的に認められることになると、そのときは、日本の科学が終焉を迎える瞬間になるかもしれません。日本の司法機関からあのレベルの体裁の論文が不正でないというお墨付きが与えられれば、倫理を守らない研究者は野放しでも問題ないということになってしまいます。もちろん、法廷でのジャッジによって科学コミュニティの小保方さんに対する評価には影響を与えませんが、日本はそういう国だということを世界に向けて宣言することになるわけです。
http://www.huffingtonpost.jp/daiki-horikawa/obokata-kaiken_b_5122124.html?utm_hp_ref=tw

●不正によって公正な研究者の研究機会が奪われている

 不正かどうかなんかどうでもいいと言っている人もいますが、とんでもない話。不正を許すことは、日本の科学の発展にマイナスの影響を及ぼすのです。

 同様に博士号に関して、以下のような話もありました。
学問・研究における社会的公正と自由競争-小保方氏問題によせて ハフィントン・ポスト
投稿日: 2014年05月13日 19時29分 山口一男 シカゴ大学教授・経済産業研究所客員研究員

■ 機会の均等には公平な競争原理の遵守が重要だ

ここで筆者が強調したいのが、学問・研究における機会の均等と競争原理である。いうまでも無く、競争は学問・研究における進歩の動力の1つであるが、競争が一定の公平な原理の基で行われることが前提であることは、スポーツの世界と同様である。仮にSTAP細胞が存在しようとしまいと、彼女が不正な手段で取得した博士号の利益を一部でも保持できるなら、それは不正行為をせずに博士号を取得した人々、彼女の代わりに職や研究費を得たであろう人々などに対し著しく不公正なだけでなく、いわば正直者が損をする状態を学問・研究の場にもたらす一因となる。社会の進化ゲーム理論によると、社会に正直者が多数になるか否かは、正直者が得をする社会であるかどうかによる。正直者が多数となる社会が望ましいことはいうまでもなく、正直者が損をする社会にしてはならない。この事件報道のイメージが社会に与える影響が大きいことを考えると、ことは学問・研究を超えて、わが国の今後の社会的公正のあり方一般にも関係するともいえよう。日本の大学・研究機関にとどまらず日本社会の公正さの基準がこの問題への対応で今問われている。
http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-yamaguchi/obokata_b_5314721.html?utm_hp_ref=tw

●不正を行った研究者が出世する流れをなぜ加速させようとするのか?

 小保方さんだけを責めるなと言いながら彼女を特別扱いしようとしている人がいますが、不正を犯しながら順調にキャリアアップしてきた小保方さんの影で、多くの人が研究の世界から退いているという事実もあります。

 先の堀川大樹さんも、「公平な競争原理」の話とも繋がる話をしていました。堀川さんは、きちんとしたデータが揃わない限り論文にせず、あと一歩のところでアカデミックポジションに付けずにドロップアウトしていった正直で優秀なポスドクを、たくさん見てきたといいます。

 公正な研究をする研究者が排除され、不正を行った研究者が出世するといったことが起きているんですね。これは望ましいことではないので、是正が必要でしょう。ましてや、不正を行う研究者を増やすようなアクションは論外です。

 難病患者のためにも、日本の科学の発展のためにも、STAP細胞研究は直ちに中止した上で不正を明らかにして、関係者に厳しい処分を与えなくてはいけません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■産経新聞、小保方晴子リーダーがSTAP細胞の再現実験に成功と報じる
  ■iPS細胞の高橋政代が理研批判 小保方晴子検証実験参加などが理由

【関連投稿】
  ■研究不正大国日本 撤回本数世界一など、トップ10の半分が日本人
  ■査読者が論文を却下して自身の論文に盗用 やっぱりあった査読者の不正
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  ■ディオバンだけじゃない…日本の臨床研究には過去にも疑惑指摘
  ■研究不正はなぜダメ? 損失額1件5000万円、国民の税金も無駄に…
  ■研究不正疑惑についての投稿まとめ

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