銃規制や銃乱射事件の話をまとめ。<全米ライフル協会(NRA)幹部、銃乱射事件で生き残った生徒を批判>、<全米ライフル協会、私的流用など67億円!提訴・議会調査・内部告発が続出>、<銃乱射犯人の自宅は爆発物などのトラップだらけで侵入できず>などの話をやっています。
冒頭に追記
2022/05/29追記:
●銃があれば銃乱射事件は防げる説…小学生ら21人死亡事件では?
2022/06/15追記:
●銃乱射事件が起きた直後の地元でライフル協会が銃規制反対集会 【NEW】
●銃があれば銃乱射事件は防げる説…小学生ら21人死亡事件では?
2022/05/29追記:最近銃乱射事件が続いていたアメリカで、今度は小学校で男が銃を乱射し児童19人を含む21人が死亡した事件が発生。これは、銃容認派が多い右派が強い地域の一つであるテキサス州での事件です。あまりにも簡単に銃を手に入れやすぎることが、事件を引き起こした感じでした。
<容疑者は先週、18歳になったばかりだった。その直後、半自動ライフル銃2丁を購入したとみられている>
<テキサス州公安局のエリック・エストラーダ氏がCNNに語ったところでは、ロッブ小学校で勤務する警官1人と、ユヴァルディ警察当局の警官2人が、容疑者に向けて発砲した。しかし、容疑者を止めることはできず、応援を要請したという>
(米テキサスの小学校乱射事件 その日、何が起きたのか 2022年5月26日 NHKより)
https://www.bbc.com/japanese/61589314
銃推進派は「銃を持っていれば事件は起きなかった」とむしろ銃を持てば事件を防げるという主張をします。ただ、上記を読む限りは、銃を持っていても悲劇を防げなかったように見えますね。すると、たぶん推進派は「銃で武装した警備員が多数いれば防げた」と言い出すんじゃないかと思いますけど…。
●銃乱射事件が起きた直後の地元でライフル協会が銃規制反対集会
2022/06/15追記:テキサス銃乱射事件でもう一つ書こうと思っていたのが、<米テキサス州で銃規制に反対する団体が年次総会 抗議の声も>(2022年5月28日 14時58分 MHK)の話。なんと銃乱射事件が起きた直後に地元で右派らが銃規制反対の集会をそのまま決行したらしいんですよ…。これぞアメリカという感じです。
<小学校で児童19人を含む21人が銃撃されて死亡する事件が起きたアメリカ南部テキサス州で、銃規制に反対するロビー団体「全米ライフル協会」の年次総会が開かれました。
総会にはトランプ前大統領ら野党・共和党の政治家が出席した一方、会場の外では抗議集会も開かれ銃規制の強化を訴えました>
<テキサス州では、24日に男が小学校に押し入って銃を乱射し、児童19人を含む21人が死亡する事件が起きたばかりで、地元の市長などは総会の中止を求めていました。
会場で演奏する予定だった複数のミュージシャンが出演を辞退したほか、野党・共和党のアボット州知事も出席を取りやめましたが、トランプ前大統領や地元選出の上院議員らが出席しました>
<去年、銃の購入者に対する審査を厳格化する法案は、ロビー団体の支援を受ける議員が多い共和党の反対で、議会の通過が危ぶまれていて、効果的な銃規制が実現するめどは立たないままです>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220528/k10013646981000.html
アメリカの政治専門サイト「ポリティコ」などが、テキサス州で銃撃事件が起きた翌日に実施した世論調査によると、「銃規制を強化すべき」と答えた人は65%。タイミング的に当然上がっていますが、「10日ほど前に行われた調査と比べて、5ポイント上昇」とのことでもともと6割が反対しているようです。
また、ここでもやはり右派とリベラルで差がはっきり。銃規制を強化すべきだとする人は、与党・民主党の支持者では86%だったのに対し、野党・共和党の支持者では44%にとどまっています。集会に出たトランプ前大統領も「銃規制でなく教師に銃の携帯許可を」と全米ライフル協会の主張をそのまま代弁していました。
●全米ライフル協会(NRA)幹部、銃乱射事件で生き残った生徒を批判
2018/04/04:銃規制反対の多い右派が強いフロリダ州の高校で17人が死亡する銃乱射事件が起きました。この事件に関連し、全米ライフル協会((RA)の幹部であるテッド・ニュージェントさんはなぜか、この事件で生き残った生徒たちを「嘘つき」で「思考が混乱し」、「気迫がない」などと厳しく批判したそうです。
なぜ全米ライフル協会が生徒らを批判?と不思議になる話。まっとうな感覚の人間なら被害者らを追い込むようなことはしないでしょう。銃で打たれて死んでた方が良かったってこと?と思ったら、生徒らが銃規制を求める大規模なデモ行進を主催し、自ら演説に立つなどの活動を行っていたことに怒っているようでした。
「嘘つきたちが沈黙し、問題解決のための真の方策が導入されるよう神に祈らなくてはならない。それこそが子どもたちの命を救うことにつながる」
「こんなことをいうのはつらいが、裏付けがあるので反論の余地はない。彼らには気迫というものが欠けている」
(
CNN.co.jp : NRA幹部、銃乱射生き延びた高校生らを批判 「嘘つき」で「気迫がない」 2018.04.02 Mon posted at 12:33 JSTより)
突然「神に祈る」が出てきて意味がわからないと思います。ただ、銃規制反対派と宗教に熱心な人というのは、かぶっていることが多いのでそのせいかもしれません。さらに銃規制反対派と宗教に熱心な人という、この二つの層は、政治的右派とも重なることが多いですんですよね…。
記事でも、生徒らに対しては、保守系のコメンテーターや政府当局者などを中心に辛辣な言葉を浴びせる動きが広がっていると書かれていました。今回強く批判したニュージェントさんもトランプ大統領の熱心な支持者だそうで、批判発言そのものも保守系のラジオ番組で飛び出したものとのことです。
(関連:
銃規制派は左翼!とアメリカの銃推進派 購入の待機期間導入だけで死亡者は減少する、
乱射事件でNRAが銃規制に協力 トランプ大統領暗殺危機が理由か?)
●全米ライフル協会、私的流用など67億円!提訴・議会調査・内部告発が続出
2020/09/26:提訴した段階であり、まだ全然確定しないのですが、米ニューヨーク州のレティシア・ジェイムズ司法長官が、全米ライフル協会(NRA)の幹部が資金を私的に流用した疑いがあるとして、解散を求めて提訴したというニュースがありました。
全米ライフル協会の解散求め、NY州が提訴 幹部が資金流用と - BBCニュース(2020年8月7日)によると、全米ライフル協会のウェイン・ラピエール最高経営責任者(CEO)とウィルソン・フィリップス氏、ジョシュア・パウエル氏、ジョン・フレザー氏が、数百万ドルを私的に流用していたと見ているようです。
ラピエールCEOはNRA資金の総額50万ドル(約5280万円)を使い、プライベートジェットでカリブ海のバハマを8回以上訪れていたとされています。これとは別に、不正によって、3年間で6400万ドル(約67億6000万円)以上が失われたとの主張。スケールがでかいですね。
また、首都ワシントンのカール・ラシーン司法長官も6日、「NRAとその幹部による無駄な支出を支援するために慈善資金を悪用した」としてNRAを提訴。今回の提訴より前から、議会による調査や複数の州での調査、内部告発などに直面し、すでに窮地に陥っているとされていたため、どうももともとかなり怪しかったみたいですね。
なお、例によって、トランプ大統領は、全米ライフル協会を擁護。全米ライフル協会は、トランプ候補の選挙運動に3000万ドルの寄付をしており、トランプさんにとって最大の支持者の1つでした。重要団体です。また、全米ライフル協会の存在はトランプさんに対する「金持ちだから支援団体の意見に左右されない」という評価がウソであったことも示しています。
●銃乱射事件の多さを象徴するオーロラ銃乱射事件の2つの逸話
2014/8/11:2012年7月20日、アメリカ合衆国の西部・コロラド州の都市、オーロラにある映画館で銃乱射事件が起きています。
Wikipediaによると、この事件は死傷者70人は銃撃事件としてアメリカ史上最悪規模でした。このオーロラ銃乱射事件には、銃乱射事件の多さを象徴する逸話が二つあります。
一つは、コロラド州で銃乱射事件が多発しているということ。この事件より前に日本でも有名なコロンバイン高校銃乱射事件が1999年に起きています。そして、2013年にはアラパホー高校銃乱射事件というのが起きています。これら3つの事件の各現場との位置関係は、数十キロ圏内であるそうです。
もう一つ銃乱射事件の多さを物語るのは、犠牲者の一人であるスポーツ・レポーターのジェシカ・ガーウィ(当時24歳)さんの話。ガーウィさんは実は同年6月に起きたカナダ・トロントの銃乱射事件に遭遇し、辛くも難を逃れていたのですが、その僅か1か月後にオーロラ銃乱射事件で犠牲になりました。トロントの銃乱射事件はアメリカ国内ではなくカナダの事件ですけど、銃乱射事件の多さを思わせる話でした。
●銃規制が厳しいカナダでは銃乱射事件は珍しい…本当なのか?
このカナダはアメリカと比べて銃規制が厳しく、銃乱射事件は珍しいといった書き方をしているところもありました。ただ、この感覚自体が麻痺しているという可能性も感じてしまいます。というのも、ざっと検索したところ、カナダでも1989年にモントリオール理工科大学虐殺事件、2006年にドーソン・カレッジ銃乱射事件というのが起きているためです。
確かに銃乱射事件が多すぎるアメリカよりはずっと少ないのでしょうが、
スクールシューティング(教育機関において起こる銃犯罪)の項目は以下のような感じでした。銃規制によってアメリカよりは抑えられていることが感じられるものの、日本人から見ると、それでもかなり銃乱射事件があるという印象を受けます。
1975年5月28日 ブランプトン・センティニアル高校銃乱射事件
1975年10月27日 セントピウス・エックス高校銃乱射事件
1989年12月6日 モントリオール理工科大学虐殺事件
1992年8月24日 コンコルディア大学銃乱射事件
1999年4月28日 W.R.マイヤーズ高校銃乱射事件
2006年9月13日 ドーソン・カレッジ銃乱射事件
2007年5月23日 C.W. Jefferys Collegiate Institute shooting
2008年9月16日 Bendale Business and Technical Institute shooting
また、
銃規制のWikipediaによると、法律的に国民がハンドガンやライフルを所持することは可能である(許可制)だとのこと。規制はあるものの、ある程度保持できるがゆえに事件があるんでしょうね。また、"陸続きになっているアメリカから密輸入された拳銃が犯罪に使われることが多い"ことも書かれています。銃規制が甘すぎなアメリカの隣国であるばっかりに迷惑をこうむっている…という面もあるようでした。
●バットマンファンが悪役の名前を名乗って犯行に及んだ事件も
以上は銃乱射事件の多さという切り口。構成やタイトルをどうするかかなり悩んでから書き始めたのですが、このオーロラ銃乱射事件はかなり特異な話が多いです。次のものは容疑者のジェームズ・イーガン・ホームズさんに関するものです。
逮捕されたホームズはコロラド大学デンバー校博士課程の大学院生で、神経科学を専攻。しかし退学の手続きが進められていた。過去の犯行歴は2011年10月のスピード違反しかなく、テロ組織などとは無関係の単独犯であるとされた。またインターネットにて短期間のうちに6000発の銃弾を購入していた。犯行時は髪を赤く染めていた。
人付き合いは得意な方ではない平凡なタイプで、政治的な話題を口にすることもなかったとされる。
また、映画館での銃乱射事件だったわけですが、どうもそこで放映されていたバットマンの映画とも関連があったようです。"取り調べの際に容疑者が自らをジョーカー(バットマンにおける代表的な悪役の名前)と名乗ったこと"も話題になりました。
私がストックしていた記事も彼に関するもので、"同容疑者の自宅にはバットマンのポスターやマスクなどのグッズがあったと"記載がありました。
『ダークナイト ライジング』銃乱射事件の容疑者宅は爆弾だらけ- シネマトゥデイ セレブゴシップ(2012年7月24日14時57分)
リンク切れ http://news.infoseek.co.jp/article/cinematodayw_N0044342
●銃乱射犯人の自宅は爆発物などのトラップだらけで侵入できず
ただ、私が一番驚いたのは、引用元記事のタイトルになっているように、"自宅が、爆発物などの罠が設置され容易に入ることができないようになっていた"ということです。
記事ではLos Angeles Timesの報道内容を紹介し、"自宅には30以上の爆弾につながれたワイヤーが張り巡らされており、そのどれもが人を死に至らしめるもであった"としています。さらに"爆弾解除をするための部隊や法執行官などが彼の家に入り、一つずつ一日かけて解除していった"と続いていました。
Wikipediaでも"室内の捜索を実施した結果、爆発物が発見されたため近隣住民を避難させた上で遠隔操作で処理を行った"や"発見された爆発物は化学物質などが含まれており、解体作業に数日を要すると思われるほど非常に精巧なものであった"という記述がありました。
私はこれ普段から爆発物を張り巡らせていたんだと思って、生活するの不便すぎだろう、筋金入りの変人なんだなと思いました。ただ、事件を起こしたので捜索に訪れた捜査員などへの対策として行ったのであって、普段からってわけじゃない可能性があると気づきました。
まあ、いずれにせよ、物騒な話で、近所の人にとってはとんでもなく迷惑な話です。日本でも最近(下書きしていたのは6月)、札幌連続ボンベ爆発事件があって、あんまり海外のことばかり言えないんですが、こういうのは注意しようがないですからね。
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