2014/8/11:
●銃乱射事件の多さを象徴するオーロラ銃乱射事件の2つの逸話
●カナダでは銃乱射事件は珍しい…は本当なのか?
●バットマンファンが悪役の名前を名乗って犯行に及んだ事件も
●自宅は爆発物などのトラップだらけで侵入できず
2018/04/04:
●全米ライフル協会(NRA)幹部、銃乱射事件で生き残った生徒を批判
2020/09/26:
●全米ライフル協会、私的流用など67億円!提訴・議会調査・内部告発が続出
●銃乱射事件の多さを象徴するオーロラ銃乱射事件の2つの逸話
2014/8/11:2012年7月20日、アメリカ合衆国の西部・コロラド州の都市、オーロラにある映画館で銃乱射事件が起きています。
Wikipediaによると、この事件は死傷者70人は銃撃事件としてアメリカ史上最悪規模でした。このオーロラ銃乱射事件には、銃乱射事件の多さを象徴する逸話が二つあります。
一つは、コロラド州で銃乱射事件が多発しているということ。この事件より前に日本でも有名なコロンバイン高校銃乱射事件が1999年に起きています。そして、2013年にはアラパホー高校銃乱射事件というのが起きています。これら3つの事件の各現場との位置関係は、数十キロ圏内であるそうです。
もう一つ銃乱射事件の多さを物語るのは、犠牲者の一人であるスポーツ・レポーターのジェシカ・ガーウィ(当時24歳)さんの話。ガーウィさんは実は同年6月に起きたカナダ・トロントの銃乱射事件に遭遇し、辛くも難を逃れていたのですが、その僅か1か月後にオーロラ銃乱射事件で犠牲になりました。トロントの銃乱射事件はアメリカ国内ではなくカナダの事件ですけど、銃乱射事件の多さを思わせる話でした。
●カナダでは銃乱射事件は珍しい…は本当なのか?
このカナダはアメリカと比べて銃規制が厳しく、銃乱射事件は珍しいといった書き方をしているところもありました。ただ、この感覚自体が麻痺しているという可能性も感じてしまいます。
というのも、ざっと検索したところ、カナダでも1989年にモントリオール理工科大学虐殺事件、2006年にドーソン・カレッジ銃乱射事件というのが起きているため。確かにアメリカよりはずっと少ないのでしょうが、
スクールシューティング(教育機関において起こる銃犯罪)の項目はこんな感じでした。
1975年5月28日 ブランプトン・センティニアル高校銃乱射事件
1975年10月27日 セントピウス・エックス高校銃乱射事件
1989年12月6日 モントリオール理工科大学虐殺事件
1992年8月24日 コンコルディア大学銃乱射事件
1999年4月28日 W.R.マイヤーズ高校銃乱射事件
2006年9月13日 ドーソン・カレッジ銃乱射事件
2007年5月23日 C.W. Jefferys Collegiate Institute shooting
2008年9月16日 Bendale Business and Technical Institute shooting
また、
銃規制のWikipediaでは、"法律的に国民がハンドガンやライフルを所持することは可能である(許可制)"や"陸続きになっているアメリカから密輸入された拳銃が犯罪に使われることが多い"ことが書かれています。
●バットマンファンが悪役の名前を名乗って犯行に及んだ事件も
以上は銃乱射事件の多さという切り口。構成やタイトルをどうするかかなり悩んでから書き始めたのですが、このオーロラ銃乱射事件はかなり特異な話が多いです。次のものは容疑者のジェームズ・イーガン・ホームズさんに関するものです。
逮捕されたホームズはコロラド大学デンバー校博士課程の大学院生で、神経科学を専攻。しかし退学の手続きが進められていた。過去の犯行歴は2011年10月のスピード違反しかなく、テロ組織などとは無関係の単独犯であるとされた。またインターネットにて短期間のうちに6000発の銃弾を購入していた。犯行時は髪を赤く染めていた。
人付き合いは得意な方ではない平凡なタイプで、政治的な話題を口にすることもなかったとされる。
また、映画館での銃乱射事件だったわけですが、どうもそこで放映されていたバットマンの映画とも関連があったようです。"取り調べの際に容疑者が自らをジョーカー(バットマンにおける代表的な悪役の名前)と名乗ったこと"も話題になりました。
私がストックしていた記事も彼に関するもので、"同容疑者の自宅にはバットマンのポスターやマスクなどのグッズがあったと"記載がありました。
『ダークナイト ライジング』銃乱射事件の容疑者宅は爆弾だらけ- シネマトゥデイ セレブゴシップ(2012年7月24日14時57分)
リンク切れ http://news.infoseek.co.jp/article/cinematodayw_N0044342
●自宅は爆発物などのトラップだらけで侵入できず
ただ、私が一番驚いたのは、引用元記事のタイトルになっているように、"自宅が、爆発物などの罠が設置され容易に入ることができないようになっていた"ということです。
記事ではLos Angeles Timesの報道内容を紹介し、"自宅には30以上の爆弾につながれたワイヤーが張り巡らされており、そのどれもが人を死に至らしめるもであった"としています。さらに"爆弾解除をするための部隊や法執行官などが彼の家に入り、一つずつ一日かけて解除していった"と続いていました。
Wikipediaでも"室内の捜索を実施した結果、爆発物が発見されたため近隣住民を避難させた上で遠隔操作で処理を行った"や"発見された爆発物は化学物質などが含まれており、解体作業に数日を要すると思われるほど非常に精巧なものであった"という記述がありました。
私はこれ普段から爆発物を張り巡らせていたんだと思って、生活するの不便すぎだろう、筋金入りの変人なんだなと思いました。ただ、事件を起こしたので捜索に訪れた捜査員などへの対策として行ったのであって、普段からってわけじゃない可能性があると気づきました。
まあ、いずれにせよ、物騒な話で、近所の人にとってはとんでもなく迷惑な話です。日本でも最近(下書きしていたのは6月)、札幌連続ボンベ爆発事件があって、あんまり海外のことばかり言えないんですが、こういうのは注意しようがないですからね。
●全米ライフル協会(NRA)幹部、銃乱射事件で生き残った生徒を批判
2018/04/04: 2018年もまた銃乱射事件が起きています。2月14日にフロリダ州マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で17人が死亡しました。全米ライフル協会(NRA)の幹部でロックミュージシャンでもあるテッド・ニュージェントさんが、この事件で生き残った生徒たちを「嘘つき」で「思考が混乱し」、「気迫がない」などと厳しく批判したそうです。
なぜ全米ライフル協会が生徒らを批判?と不思議になる話。死んでた方が良かったってこと?と思ったら、生徒らが銃規制を求める大規模なデモ行進を主催し、自ら演説に立つなどの活動を行っていたことに怒っている模様です。
「嘘つきたちが沈黙し、問題解決のための真の方策が導入されるよう神に祈らなくてはならない。それこそが子どもたちの命を救うことにつながる」
「こんなことをいうのはつらいが、裏付けがあるので反論の余地はない。彼らには気迫というものが欠けている」
(
CNN.co.jp : NRA幹部、銃乱射生き延びた高校生らを批判 「嘘つき」で「気迫がない」 2018.04.02 Mon posted at 12:33 JSTより)
突然「神に祈る」が出てきて意味がわからないのですけど、銃規制反対派と宗教に熱心な人というのは、かぶっていることが多いのでそのせいかもしれません。
さらにこの二つの層は、政治的右派とも重なることが多いです。記事でも、生徒らに対しては、保守系のコメンテーターや政府当局者などを中心に辛辣な言葉を浴びせる動きが広がっていると書かれていました。今回強く批判したニュージェントさんもトランプ大統領の熱心な支持者であり、この批判発言も保守系のラジオ番組で飛び出したものとのことです。
(関連:
銃規制派は左翼!とアメリカの銃推進派 購入の待機期間導入だけで死亡者は減少する、
乱射事件でNRAが銃規制に協力 トランプ大統領暗殺危機が理由か?)
●全米ライフル協会、私的流用など67億円!提訴・議会調査・内部告発が続出
2020/09/26:提訴した段階であり、まだ全然確定しないのですが、米ニューヨーク州のレティシア・ジェイムズ司法長官が、全米ライフル協会(NRA)の幹部が資金を私的に流用した疑いがあるとして、解散を求めて提訴したというニュースがありました。
全米ライフル協会の解散求め、NY州が提訴 幹部が資金流用と - BBCニュース(2020年8月7日)によると、全米ライフル協会のウェイン・ラピエール最高経営責任者(CEO)とウィルソン・フィリップス氏、ジョシュア・パウエル氏、ジョン・フレザー氏が、数百万ドルを私的に流用していたと見ているようです。
ラピエールCEOはNRA資金の総額50万ドル(約5280万円)を使い、プライベートジェットでカリブ海のバハマを8回以上訪れていたとされています。これとは別に、不正によって、3年間で6400万ドル(約67億6000万円)以上が失われたとの主張。スケールがでかいですね。
また、首都ワシントンのカール・ラシーン司法長官も6日、「NRAとその幹部による無駄な支出を支援するために慈善資金を悪用した」としてNRAを提訴。今回の提訴より前から、議会による調査や複数の州での調査、内部告発などに直面し、すでに窮地に陥っているとされていたため、どうももともとかなり怪しかったみたいですね。
なお、例によって、トランプ大統領は、全米ライフル協会を擁護。全米ライフル協会は、トランプ候補の選挙運動に3000万ドルの寄付をしており、トランプさんにとって最大の支持者の1つでした。重要団体です。また、全米ライフル協会の存在はトランプさんに対する「金持ちだから支援団体の意見に左右されない」という評価がウソであったことも示しています。
【本文中でリンクした投稿】
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