●「ブス」だけじゃなくて「美人」と言ってもセクハラになる可能性
2022/06/20:私が以前から不思議だったのは、「そもそもなぜ他人の外見を批評するのか?」ということ。必要ないだろう…と思います。他人の容姿格好を批評するのって失礼だとも思いますね。ただ、とりあえず、容姿にコメントするのが好きな人が多いというのが現実なのでしょう。
ところが、他人の外見を批評するようなコメントは、セクハラのおそれが出てきて危険です。以前のセクハラに関する記事では、寝不足の女性に「何だ寝不足か、顔色悪いぞ、ただでさえ、ブスなんだから気をつけろよ」と言ったらアウトだと言っていました。これはわかりやすくてきわどくありません。
ただ、「美人」と言うなら大丈夫か?と言うとこれも怪しいところ。例えば、美人だと思っていない人に「美人」と言えば嫌味だと思われますし、実際、美人だったとしても言われると嫌だと感じる人がいてリスクがあります。美人ではない人への差別だとも考えられますし、そもそも言わない方が良いでしょう。
●海外で女性を盗撮?政治家が公式サイトで「世界美人図鑑」掲載
こういったこと考えたのは、
「気持ちが悪い」 西村康稔氏HPの「世界美人図鑑」 批判浴び削除 | 毎日新聞(2022/6/3 23:24)という記事を見たため。次の首相候補とも言われた自民党の西村康稔・安倍派事務総長が公式サイトで「美人図鑑」というのを載せていたというのです。
<経済再生・コロナ対策担当相などを務めた自民党の西村康稔衆院議員(59)が10年以上前から「世界各国美人図鑑」などと題し、各国の女性の写真を自身の公式サイトに載せていたことがSNS(ネット交流サービス)で話題となっている>
読んでみると、
竹田恒泰、電車内で女子高生の黒ストッキング盗撮?「ギリギリの写真を撮りました」みたいな盗撮疑惑の問題も大きそう。<エクアドルの首都キトの赤道直下の記念塔の前で記念撮影する女性。遠くからですが、笑顔が中々素敵です>などと解説しつつ、写真を掲載していました。
ネットの反応でも<コレクションのように「美人図鑑」と掲載するなんて気持ち悪すぎる>の他、盗撮を疑った系統の<撮影した女性に許可を得ているのだろうか>、<税金を使い、仕事という名目で外国に行って隠れて女性撮影か?>といったコメントが出ています。
●美人・ブスと容姿を評価…ルッキズム・差別・セクハラの可能性
一方、西村康稔議員は「削除することを失念していた」などと釈明。<一般的に公の場所での撮影は、テレビ放送などでも特に画像処理をしていることは少ないと思いますが、不快な思いをされている人もいるとのご指摘もあったことから、削除いたしました>と、正当化する説明もしています。
これに対し、SNS上では「何が問題か分かっていない。分かろうとしないパターン」「写真の掲載は謝罪せず。謝罪に見せかけ、批判の論点をすり替えている」などとさらなる批判が相次いでいたとのこと。また、記事ではセクハラではなく、見た目で人を評価する「ルッキズム」は差別にあたる…といった観点も出ていました。
<ジェンダー論などに詳しい昭和大の須長史生准教授は、「西村氏の政策や社会に対する思いを知りたくて公式サイトを訪れた人は、こうした写真を見せられて『ばかにされた』と感じるだろう」と指摘し、「女性を軽んじていたのではないか。男性中心というかつての価値観は変わってきており、感度の鋭さを求められる政治家としては、世の中の潮流を甘く見ており、不適切だった」と話した>
●政治家が女性新人候補にセクハラ?「顔で選んでくれれば1番」
最近あった日本維新の会の石井章参院議員(65)の例も思い出します。2022年5月15日、夏の参院選栃木選挙区で立候補予定の同党女性新人の事務所開きのあいさつで、「(候補予定者が)5人出るのが全部女性でしょ。年齢だけは若いということですが、顔で選んでくれれば1番取るのは決まってるんですけどね」と言ったそうです。
これは、右派の人ほど「なぜ問題か?」「褒めているんだからいいじゃない?」「ジョークなのに」と思いそうなところでしょう。ただ、
「顔で選んでくれれば1番」 維新・石井章議員が女性候補巡り発言 毎日新聞 2022/5/16 18:21(最終更新 5/16 22:13)によると、維新内でも厳重注意されたといいます。
容姿について触れる発言は、確か以前同じ右派の自民党の安倍元首相が、よりによってそうした発言に厳しい国際舞台でやらかした覚えがあるのですが、検索しても出てきません。うちもどっかで書いた記憶があるんですけどね。もし該当の投稿が判明したら、後で紹介するかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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