住宅・賃貸に関する話をまとめ。<身の丈に合う住宅を買えば問題ない?実はそれが不動産屋の罠>、<家を買うリスク ローン地獄以外でも持ち家はデメリットだらけ…>、<災害で二重ローン・ライフステージの変化・街の衰退などのリスク>、<「賃貸派って老後はどうするの? 放浪?」という馬鹿げた心配>などをまとめています。
その後、<マイホームを手放す人が続出!「住宅ローン破綻」が増加している>、<日本の伝統・町内会や道路族の問題も家を買ってはいけない理由?>などを追記しました。
2023/01/15まとめ:
●日本の伝統・町内会や道路族の問題も家を買ってはいけない理由? 【NEW】
●身の丈に合う住宅を買えば問題ない?実はそれが不動産屋の罠
2014/8/12:ちょくちょくやっている家やマンションの話。今回は持ち家。インタビューを受けているコンサルタント・不動産投資家の石川貴康さんは明確に賃貸派であり、持ち家リスクを主張されています。石川貴康さんは
サラリーマンは自宅を買うな ―ゼロ年世代の「自宅を買わない生き方
って本も出しているくらいの賃貸派。元記事のタイトルは、その賃貸派をバカにした感じの
賃貸派って老後はどうするの? 放浪?(日経ビジネスオンライン 鈴木 信行 2014年5月22日)です。
記事を読む前にどこかで感想を見かけました。「どうして身の丈に合わない住宅を買うことを前提としている?」といったものだったと思います。おそらく高い家を買うという不利な想定で家を買うことがひりなように見せかけているのでは?という疑問なのでしょう。
ところが、この身の丈に合った住宅を買うというのが、そもそも非常に難しいんですよ。売り手はこの基準を錯覚させてより高い家を買わせようとするため。「自分は身の丈に合った家を買った」と思っている人でも、実は身の丈に合っていない可能性があります。うちでは、
家賃と同じ返済額の住宅を購入しはいけない ローン返済地獄の罠が関連する話でした。
●そもそも身の丈に合わない住宅を買うことを前提とした批判ではない
ただ、記事を読んでみると、このインタビューはそもそも「どうして身の丈に合わない住宅を買うことを前提としている」という内容ではありませんでしたので拍子抜け。前述のコメントは私がうろ覚えですから間違っているかもしれませんが、そもそも中身読まずに批判していたのかもしれませんね。
たとえば、インタビューアーは「お話を聞いていると、問題なのは、持ち家を買うことではなく、ローンを組むことのように思えてきます」という質問に、石川貴康さんは「ある程度をまとまった資産があって、一括で持ち家を買うと言うのであれば、それはそれで1つの考え方」と肯定しています。
住宅を買うこと全般を否定しているわけではないですし、身の丈に合わない住宅を買う前提で批判しているというものではないんですね。資産がある人がローンを組まずに買うのを肯定しているのですから、むしろ本当の意味で身の丈に合う購入については肯定しているわけです。
●家を買うリスク ローン地獄以外でも持ち家はデメリットだらけ…
また、この直前に一部上場企業の社員の例が出ています。住宅を買った後の収入が増えていない、あるいはむしろ収入が落ちているという想定外です。身の丈に合っていたつもりが、状況が変わるという危険性もあります。これはわかりやすいものでしょう。
さらに、記事ではそもそも分不相応な住宅を買うリスクを強調しているわけではなく、それ以外のリスクの方を強調していました。話としてもこちらの方がおもしろかったです。たとえば、「怖いのは購入した後での環境の変化です」という石川さんにインタビューアーは「やばい人が隣に引っ越してくるとか」と挙げていました。これも怖いですよ。
最近大人しいですが、うちの近所には物音がすると「殺すぞ、おら!」と怒鳴る人が住んでいて、警察も何度か来ているようです。他は全く不満ないんですけど、これだけは怖いですわ。私は賃貸なので、いよいよとなると引っ越せますが、持ち家の人には洒落にならない話だと思います。
●災害で二重ローン・ライフステージの変化・街の衰退などのリスク
ただ、石川さんのいう環境の変化は、近所の「やばい人」じゃありませんでした。違う視点だったのです。
「それ以上に深刻なのは災害でしょう。福島第一原子力発電所の事故では少なからぬ住民が自宅の放棄を事実上余儀なくされましたが、私の知る限り、損害保険では「核災害」による損害は免責です。その結果、多くの方が、事実上住めなくなった家のローンを払い続けながら、新しい家のローンも払う二重ローンの状態に陥っています」
一瞬なるほどと思いましたが、相当レアケースではありますね。損害保険の話が出ていますが、広くカバーできる保険があれば住宅を買う、でも良さそうです。その分住宅予算に上乗せして計算しないと、結局ローン地獄ですが…。
あと、住まいに関する価値観は人生のライフステージと共に移り変わるというリスクを挙げていました。こちらの方が可能性の高いリスクだと思います。結婚して子供ができたり、家族が病気になったり、親の介護が必要になったり…。
また、インタビューにはありませんでしたが、マイホームのある街が廃れてしまうということが現在でも起きており、こちらもリスクです。当然、そんな街にある家は売ろうとしたって買い手がつきません。日本では人口が減少することがわかっていますので、この先こういった事例は増えていくはずです。
●「賃貸派って老後はどうするの? 放浪?」という馬鹿げた心配
タイトルになっていたので、賃貸派を煽っていた「賃貸派って老後はどうするの? 放浪?」に関する部分も紹介しておきましょう。私は前にも読んだので別にどうってことなかったんですけど、以下のような話。要するに「需要があれば供給も増えるので問題ない」といった話だと思われます。
<私はその手の話を聞く度に、一体何十年前の話をしているんだ、と思っています。(中略)少子高齢化が進む中、そんな理由で部屋を貸さなければ、大家だって商売が立ち行かなくなります>
この老後の心配に関して言うと、先程の「人生のライフステージと共に移り変わるというリスク」で持ち家の人こそ心配かもしれませんね。そのときはリフォームする…というのも手なのですが、これがまた高額。リフォーム費用まであらかじめ想定している人は少ないでしょう。
そして、これは結局、最初に書いた「身の丈に合う住宅を買う難しさ」という話に戻ってきます。住宅メーカーさんはそういう都合の悪い部分を隠して売りつけようとしているのですけど、家を買って終わりではなく、様々な費用がかかり続けるんですね。出費があることを想定して買わなくてはいけません。
●マイホームを手放す人が続出!「住宅ローン破綻」が増加している
2021/05/29:まさに私が危惧していた話かな?と思った、<【特集】マイホームを手放す人が続出!?コロナ禍で増加する「住宅ローン破綻」の現状とは>(2021/5/28(金) YTV)というニュースが出ていました。新型コロナの感染拡大で、住宅ローンが払えずマイホームを手放す人たちが急増しているとされています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/69af79fa93cf444b9e8d89c824d5d2aa300835d8
住宅ローンを支払えなくなった人たちの相談に応じてきた、大阪市都島区で不動産コンサル業を営む斎藤善徳さんは、「コロナ前までは、何かしらお客さんにも原因があるような方が多かったんですけど、コロナ後からは、本当に、普通に生活されていたような方が、住宅ローンを払えない状況になっていると感じる」としていました。
鉄道関連会社の40代男性は、「会社でボーナスが1回カットになってしまって、それでローンが払えなくなった」とのこと。「(鉄道関連会社は)絶対つぶれる会社ではないという感覚のもとで働きだしているので」とも言っていました。私が危惧した通りで、一般論としては普通の会社に勤める方はもっと危ないと言えるでしょう。
ただ、記事が悪いと思ったのは、この人は極端に金遣いが荒い感じだったこと。家の返済額は毎月2万円プラス年に2回25万円のボーナス払いであり、年間の出費は74万円。月額で言えば6万円程度であり、賃貸でもあり得る金額だったのですが、この程度で破産のようになっていて、共感されていませんでした。
<新型コロナの影響で、会社が巨額の赤字に陥り、毎月の手取り額も4分3に減った上に去年、夏のボーナスが全額カット。このため、男性はボーナス払いを1度だけ延滞。そこから歯車が狂い始めたという。(中略)
その後、毎月の返済も滞るようになり、先月ついに、裁判所から「競売開始通知」が届いた。設定された入札の基準となる価格は、わずか810万円。返済に充てたとしても、2300万円の残債を返しきるのは到底不可能。万策尽きた>
上記は、危機感を持ちづらい悪い例になってしまったのですが、別の例も。「比較的若い世代」の例として出ていた印刷関連会社勤務の30代の男性。新型コロナの流行で残業がゼロになり収入が激減し、月12万円の返済を滞納するようになってしまいました。一般的にはこのようなリスクがあるということを承知しておいてください。
●日本の伝統・町内会や道路族の問題も家を買ってはいけない理由?
2023/01/15まとめ:道路族は「自宅周辺の道路で人の迷惑を考えない行動をする親と、その子ども」という意味。これに関する<知られざる「道路族」被害の闇! 子どものマナー違反から始まり、無視、脅迫…救急搬送まで>(週刊女性PRIME / 2020年6月18日 8時0分)という記事を読むと、家を買う問題も関連しいていたので、転載しておきます。
<密集した戸建ての室内には、クルマ型の乗用玩具の音、子どもたちや母親の騒ぐ声が想像以上に響く。鬼ごっこやボール遊びで庭に入り込み、花が傷むこともあったが、付き添いの母親は注意することもなかった。受験を控えた息子のため、窓を閉めきり耳栓でしのぐ生活に、今野さんは食欲が失(う)せ不眠が続いた>
この件は、複数の問題が絡んでいます。私が問題視している戦前からの伝統である町内会の問題もありますね。当初は町内会に参加していたものの、役員を押しつけられ続けたことで脱会しており、町内会メンバーから弁護士が「村八分」と指摘するような差別を受けていました。
<何度か話し合い、「迷惑にならない程度の音で遊んでください」と夫は頼んだが、周辺住民は「町内会員以外は意見を言う資格はない、騒音に該当しない」と繰り返す>
<それからは徐々に嫌がらせへと発展。陰口を言い合う母親の声も室内まで聞こえた>
<やがて嫌がらせはエスカレート。ある住民男性は無言でにらみつけ、バイクや車のエンジンを吹かして通り過ぎるようになった。暴言を吐かれ、脅迫状すら届く。「山の中に引っ越せば」「病気を盾にした自己中」と言われ、夫が家の前で住民に取り囲まれ警察ざたになったときには「今野さんがうるさいと怒鳴ってきた」と嘘をつかれた>
<薬は強くなり量も増え、ついに救急車で搬送された。堪えかねた今野さんは'17年3月、警察に告訴状を提出。住民男性は迷惑防止条例の違反容疑で書類送検、略式起訴され罰金30万円が科せられた>
記事では、他にも<多額のローンを組んで家を買った人は、逃げ場がない>とも書かれていました。これは、私がよく書いている賃貸で済まさず住宅を購入することのデメリット。家を買うことを安易に推奨する人が多いのですけど、こういう問題もあるんですよね…。
【本文中でリンクした投稿】
■
家賃と同じ返済額の住宅を購入しはいけない ローン返済地獄の罠【関連投稿】
■
マイホーム・住宅を買うなら都心か郊外か?通勤時間だけが問題じゃない ■
一生独身は「家を買う」「賃貸」どちら? メリットとデメリット ■
消費税増税で欠陥住宅・欠陥マンション続出のおそれ 見分け方は? ■
日本の住宅価値、25年で価格0に下落 上昇する欧米と異なる理由 ■
その他の人生・生活について書いた記事
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|