ちょくちょくやっている家やマンションの話。今回は持ち家。インタビューを受けているコンサルタント・不動産投資家の石川貴康さんは明確に賃貸派であり、持ち家リスクを主張されています。
2014/8/12:
●身の丈に合う住宅を買えば問題ない?実はそれが不動産屋の罠
●そもそも身の丈に合わない住宅を買うことを前提とした批判ではない
●家を買うリスク ローン地獄以外でも持ち家はデメリットだらけ…
●災害で二重ローン・ライフステージの変化・街の衰退などのリスク
●「賃貸派って老後はどうするの? 放浪?」という馬鹿げた心配
●身の丈に合う住宅を買えば問題ない?実はそれが不動産屋の罠
2014/8/12:コンサルタント・不動産投資家の石川貴康さんは
サラリーマンは自宅を買うな ―ゼロ年世代の「自宅を買わない生き方
って本も出しているくらいの賃貸派。元記事のタイトルは、その賃貸派をバカにした感じの
賃貸派って老後はどうするの? 放浪?(日経ビジネスオンライン 鈴木 信行 2014年5月22日)です。
記事を読む前にどこかで感想を見かけました。「どうして身の丈に合わない住宅を買うことを前提としている?」といったものだったと思います。おそらく高い家を買うという不利な想定で家を買うことがひりなように見せかけているのでは?という疑問なのでしょう。
ところが、この身の丈に合った住宅を買うというのは非常に難しいんですよ。売り手はこの基準を錯覚させてより高い家を買わせようとします。うちでは、
家賃と同じ返済額の住宅を購入しはいけない ローン返済地獄の罠が関連する話でした。
●そもそも身の丈に合わない住宅を買うことを前提とした批判ではない
ただ、記事を読んでみると、このインタビューはそもそもそういう内容ではありません。前述のコメントは私がうろ覚えですから間違っているかもしれませんが、そもそも中身読んでいないものかもしれませんね。
たとえば、インタビューアーは「お話を聞いていると、問題なのは、持ち家を買うことではなく、ローンを組むことのように思えてきます」という質問に、石川貴康さんは「ある程度をまとまった資産があって、一括で持ち家を買うと言うのであれば、それはそれで1つの考え方」と肯定しています。
住宅を買うこと全般を否定しているわけではないですし、身の丈に合わない住宅を買う前提で批判しているというものではないんですね。資産がある人がローンを組まずに買うのを肯定しているのですから、むしろ本当の意味で身の丈に合う購入については肯定しているわけです。
●家を買うリスク ローン地獄以外でも持ち家はデメリットだらけ…
また、この直前に一部上場企業の社員の例が出ています。住宅を買った後の収入が増えていない、あるいはむしろ収入が落ちているという想定外です。身の丈に合っていたつもりが、状況が変わるという危険性もあります。これはわかりやすいものでしょう。
さらに、記事ではそもそも分不相応な住宅を買うリスクを強調しているわけではなく、それ以外のリスクの方を強調していました。話としてもこちらの方がおもしろかったです。たとえば、「怖いのは購入した後での環境の変化です」という石川さんにインタビューアーは「やばい人が隣に引っ越してくるとか」と挙げていました。これも怖いですよ。
最近大人しいですが、うちの近所には物音がすると「殺すぞ、おら!」と怒鳴る人が住んでいて、警察も何度か来ているようです。他は全く不満ないんですけど、これだけは怖いですわ。私は賃貸なので、いよいよとなると引っ越せますが、持ち家の人には洒落にならない話だと思います。
●災害で二重ローン・ライフステージの変化・街の衰退などのリスク
ただ、石川さんのいう環境の変化は、近所の「やばい人」じゃありませんでした。違う視点だったのです。
「それ以上に深刻なのは災害でしょう。福島第一原子力発電所の事故では少なからぬ住民が自宅の放棄を事実上余儀なくされましたが、私の知る限り、損害保険では「核災害」による損害は免責です。その結果、多くの方が、事実上住めなくなった家のローンを払い続けながら、新しい家のローンも払う二重ローンの状態に陥っています」
一瞬なるほどと思いましたが、相当レアケースではありますね。損害保険の話が出ていますが、広くカバーできる保険があれば住宅を買う、でも良さそうです。その分住宅予算に上乗せして計算しないと、結局ローン地獄ですが…。
あと、住まいに関する価値観は人生のライフステージと共に移り変わるというリスクを挙げていました。こちらの方が可能性の高いリスクだと思います。結婚して子供ができたり、家族が病気になったり、親の介護が必要になったり…。
また、インタビューにはありませんでしたが、マイホームのある街が廃れてしまうということが現在でも起きており、こちらもリスクです。当然、そんな街にある家は売ろうとしたって買い手がつきません。日本では人口が減少することがわかっていますので、この先こういった事例は増えていくはずです。
●「賃貸派って老後はどうするの? 放浪?」という馬鹿げた心配
なお、タイトルになっているので、「賃貸派って老後はどうするの? 放浪?」に関する部分も。私は前にも読んだので別にどうってことなかったんですけど、以下のような話。需要があれば供給も増えるので、問題ないという話だと思われます。
<私はその手の話を聞く度に、一体何十年前の話をしているんだ、と思っています。(中略)少子高齢化が進む中、そんな理由で部屋を貸さなければ、大家だって商売が立ち行かなくなります>
この老後に関して言うと、先程の「人生のライフステージと共に移り変わるというリスク」で持ち家の人こそ心配かもしれませんね。そのときはリフォームするというのも手なのですが、リフォーム費用まであらかじめ想定している人は少ないでしょう。
そして、これは結局、最初の「身の丈に合う住宅を買う難しさ」に戻ってきます。不動産屋さんはそういう都合の悪い部分を隠して売りつけようとしているのですけど、家を買って終わりではなく、様々な費用がかかり続けるんですね。出費があることを想定して買わなくてはいけません。
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