●日本の貴重な文化資源・秘宝館 残るのは鬼怒川と熱海の2館だけ
2014/8/15:
愛の神秘、佐賀の秘宝館31年で幕 全国に残り2館のみ:朝日新聞デジタル 飯塚悟 2014年4月3日20時51分という記事がありました。秘宝館というのは何となく知っていましたが、もう全国にほとんど残っていないということは知りませんでした。
<昭和の高度成長期に生まれ、「大人の遊園地」などといわれた「秘宝館」。一時は全国の観光地などに約20館あったとされ、妖しげなお色気とユーモアが詰まった不思議な空間で人気を集めた。その一つ、佐賀県嬉野市の「嬉野武雄観光秘宝館」が3月末で閉館。全国でも栃木県の鬼怒川と静岡県の熱海の2館だけになった>
記事は佐賀県嬉野市の「嬉野武雄観光秘宝館」に関するもので、昔は賑わいが見られたそうです。30年以上前だという開館当時ら勤務する中野恭子さん(63)によると、開館当時は、駐車場に観光バスが何台も並び、男性の団体客でにぎわったといいます。最初はやはり男性が多かったんですね。
その後、徐々に少人数のグループが増え、女性やカップルの客も少しずつ見られるようになったとのこと。はっきりした記録はないが、80年代後半には年間10万人以上が訪れていました。一方、ここ数年は4千~5千人に減っていたという。「最近はオープン当時に来たという人がやってきて、『昔見た記憶と違っていたよ』なんて声をかけてくれて、懐かしんでくれた」といいます。
私が驚いたのが最後の解説です。「秘宝館という文化装置」の著書がある北海道大学の妙木忍・特任助教は、以下のように解説。その解説の中で「日本の貴重な文化資源」なんてたいそうな話が出ていたんですよ。そんなことは考えもしませんでした。
「秘宝館は1970年代前半、レジャーブームが訪れ、社員旅行などが盛んになった時代に誕生した。最初はドライブンに併設され、70年代後半から80年代にかけて温泉観光地の近辺にできた。秘宝館の設置者側は女性客の来館も想定して、展示の造形美を意識し、アトラクション性を強め、ユーモアに富んだ大人の遊園地へ発展した。
日本の貴重な文化資源で、なくなるのは大変残念だ」
●等身大人形製造文化と日本古来の性信仰と娯楽産業が悪魔合体!
北海道大学の妙木忍・特任助教が書いたという、アマゾンの
秘宝館という文化装置
での紹介は以下のようなものでした。
<内容紹介>
<全国の温泉地にあった性愛シーンの等身大人形や性にまつわる品々を展示した「おとなの遊艶地」――等身大人形製造文化と日本古来の性信仰と娯楽産業が融合した文化装置を訪ね歩き、「身体の観光化」の視点から成立過程と消費されてきた実態を考察する>
内容(「BOOK」データベースより)
<全国の温泉地にあった「性の博物館」―性愛シーンの等身大人形や性にまつわる品々を展示した「おとなの遊艶地」はいまや消滅しつつある。等身大人形製造文化と日本古来の性信仰と娯楽産業が融合した文化装置を訪ね歩き、「身体の観光化」の視点から成立過程と消費されてきた実態を考察する>
今のところ、レビューは一つだけ。<秘宝館という「時代の徒花」から、性と社会を考える>(2014/4/4)というタイトル。<かつて全国各地の温泉街に存在した性の博物館=「秘宝館」の成立過程とその盛衰を、観光のあり方の変化や日本の社会史的背景の変遷と合わせて考察した著作>と紹介している他、以下のように書かれていました。
<「秘宝館」というと、どうしても民間の性信仰や祭に対して抱くような、なんとなく神秘的・土着的・伝統的なイメージがあったのですが、社会学の観点からその成立過程を切り開いてみると、それとは全く正反対の、人工的かつ特殊な代物に過ぎない、という事実は、非常に面白かったです。余暇産業の社会史を含め、時代の徒花として消えゆく運命にある秘宝館という存在を通して、色々なことを考えることができる一冊>
作者の妙木忍・特任助教は、お名前が「忍」さんです。女性だとダメということではないのですが、何となくこういうのは男性の方が興味を持ちそうな気がしていたため意外でした。「忍」という名前は女性が多いものの、男性でもいらっしゃる名前です。既に亡くなっていますが、ゼンノロブロイなど「ゼンノ」の冠名を用いた馬を持つ馬主としても知られた大迫忍ゼンリン社長は男性で「忍」のパターンです。そこで気になって「妙木忍」で検索かけてみたところ、女性の写真が出てきましたので妙木忍・特任助教はたぶん女性でしょうね。
あと、「秘宝館」は個人的にくだらないと思い、行ってみたいと思ったことはなかったのですが、「佐賀の秘宝館31年で幕 全国に残り2館のみ」「日本の貴重な文化資源で、なくなるのは大変残念だ」などと言われると、死ぬまでに一度見ておいた方が良いような気がしてきました。
で、こちらも気になって「秘宝館」で軽く検索してみたんですが、正直写真でさらっと見るだけで気持ち悪くなってきました。何かやたらとピンクと言うか赤い写真ばかり。胸焼けしてきました。…貴重な日本文化だとは思いますが、やっぱり私は一生行かなくても良いです。
2015/05/22追記:
【面積最大】南区ってどうよ?【公園多し】 №3という札幌市南区の掲示板を読んでいると、「定山渓の秘宝館ってまだ営業してるんかいな?」というのがありました。私の地元・北海道では、定山渓にあったようです。ただ、うちのタイトルなどでわかるように今はもうありません。
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