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ストーカーの心理・5つの分類 「曲解する妄想癖」という共通点も


 ストーカーの心理は単純にみんな同じ…ということではなく、異なるタイプに分けられるようです。なので、「ストーカーの心理は~」みたいに、わかりやすいズバッとしたことは言えそうにありません。ただし、共通した部分も見られますし、タイプによって違っていたとしてもそのひとつひとつを見ていくことで参考になりそうでした。

冒頭に追記
2023/01/20追記:
●ストーカー殺人で「何で警察に相談した?」と逆上は典型的な心理 【NEW】

↓以下は、1997年のストーカーの心理学 (PHP新書)。アマゾンはこれしか出てきませんでした。



●ストーカー殺人で「何で警察に相談した?」と逆上は典型的な心理

2023/01/20追記:ストーカーに本人ひとりで対処するのは無理があり、相談することが推奨されています。ところが、これと矛盾するような知見もあるのです。他の人や警察などに相談していることが知られたり、間に他の人を挟んだりすると、拒絶されたと思って逆上する…というのも典型的なストーカー心理なんですよ。

 こうしたパターンで典型的だ…と感じたのが、博多駅前刺殺 元交際相手、逆恨みか 「何で警察に相談した」 | 毎日新聞(2023/1/19 11:43(最終更新 1/19 21:12))でした。この件のストーカーは元交際相手。拒絶して逆上するのは元配偶者や元恋人が多いとされており、その意味でも典型的な例でした。

 このように相談で逆上される可能性はあるのですが、最初に書いたように被害者が自分で解決する…というのは無理があります。相談せざるを得ませんし、本来なら「相談すべき」であることは間違いありません。なので、警察など相談される側がより望ましい対処法を取っていけるように、改善する必要があるでしょう。

・福岡市博多区のJR博多駅前の路上で、会社員(当時38歳)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された元交際相手の容疑者(31)が事件前、殺害された会社員が同容疑者からのストーカー被害を福岡県警に相談したことを一方的に恨み、川野さんの職場に押しかけ「何で警察に相談した? 仕事がなくなるだろう」と怒りをあらわにしていたことが捜査関係者への取材で判明した。
・2022年春ごろから交際。同年秋ごろから関係が悪化し同10月下旬、殺害された会社員が県警に「(寺内容疑者に)携帯電話を取られた」「別れを告げても、応じてくれない」などと相談していた。
・容疑者は殺害された会社員から別れ話をされた後も「自分は別れていない。許さんぞ」などとメールしていたという。県警は殺害された会社員からの相談を受け、寺内容疑者に任意同行を求めて警告。その際は川野さんの意向に理解を示し、素直に応じるような態度だったという。
・しかし約1カ月後の同11月21日、「(寺内容疑者が)職場まで来た。どうにかしてほしい」と再び県警に相談。容疑者は勤め先があるビル内に現れ、ストーカー被害を県警に相談したことに対し「何で相談した?」と詰め寄ったという。
・県警は、10月までに寄せられた相談が「別れてくれない」といった交際関係中心の内容だったのに対し、それ以降は恨んでいることが分かる内容にエスカレートし、職場にもしつこく電話していたことから、11月26日、ストーカー規制法に基づく緊急禁止命令を出した。
・命令に対し容疑者は「もう近づかない」と述べ、応じる様子を示していたという。しかし、その約2カ月後の今年1月16日夜、人通りの多い博多駅前の路上で元交際相手の会社員を襲い、殺害したとして、同18日に逮捕された。


●ストーカー常連客に「あなたのことが苦手」…拒否して殺される事件

2021/06/25追記:常連男に「あなたのことが苦手」 大阪、事件前にパブ経営女性 | 共同通信(2021/6/24)という記事が出ていて、このページのことを思い出しました。大阪市のカラオケパブ」で25歳の女性経営者が殺害された事件で、女性が事件前、殺人容疑で逮捕された常連客の56歳の会社員に対し「あなたのことが苦手です」と伝えていたことが判明したとのこと。店に来ないようにも求めていたのですが、連日のように顔を出していたといいます。

 この件はストーカーと報じられていなかった気がしましたが、内容的にはストーカーの典型。検索してみると、私が目にしていなかっただけでストーカーと報じている記事は多数ありました。「一日10回電話おっさんストーカー」カラオケ店の25歳女性を殺害した56歳常連客の素顔【大阪】〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)などの記事が出ています。

 知人は経営者が「ストーカーのように頻繁に電話してきたり、絡んでくる男がいて困っていると愚痴っていた」と説明。「『店でいきなりブチ切れて立ち上がり、怒り出したりする』『着信が1日に5回、10回とある』『本当にしつこい』と悩んでいた。怖いと話していたこともあった」とのことでした。この件についは、最後にも追記しています。


●ナルシスト、サイコパスなど…ストーカーの心理・5つの分類

2014/8/17:本当はネットストーカーについて気になって調べたいと思っていたですが、その前に普通のストーカー心理について見ておこうと、 Wikipediaを読んでいます。ここでは、精神科医の福島章さんの『新版 ストーカーの心理学』(2002年)から引用されていました。福島章さんは、ストーキングを行う者の心理を5つに分類して考察しています。

(1)精神病系
精神病によって抱く恋愛妄想、関係妄想によってストーキングを行う。現実には自分と無関係の、スターに付き纏うようなタイプが多い。警察庁の統計によれば、ストーカーに占める精神障害者の割合は、0.5%である。

(2)パラノイド系
妄想によりストーキングを行うが、妄想の部分以外は正常で、話すことは論理的で、行動は緻密であることが多い。現実の恋愛関係の挫折による付き纏い行為もあるが、現実には自身と無関係の相手に付き纏うタイプが多い。

(3)ボーダーライン系(境界人格障害)
性格は外交的・社交的で、「『孤独を避けるための気違いじみた努力』が特徴」で、病気ではなく、人格の成熟が未熟で、自己中心的で、他人・相手の立場になってみてものを考えることが出来ないタイプで、このタイプの人は精神医学の専門家でない人が想像するよりも世の中に多いという。人間関係は濃く、相手を支配しようとするところに特徴があるという。

(4)ナルシスト系(自己愛性人格障害)
自信・自負心が強く、拒絶した相手にストーキングするものが多く、行動的な分類からは『挫折愛タイプ』に属するものが多い。現実の人間関係は深い。

(5)サイコパス系(反社会的人格障害)
被愛妄想を持つ(相手が自分を好きであると信じる)のではなく、自分の感情・欲望を相手の感情と無関係に一方的に押し付けるタイプで、性欲を満たすための道具として相手を支配するものが多い。「凶悪・冷血な犯罪者」「典型的な犯罪者」というイメージが特徴で、人間関係は強引で、「相手に『取り憑く』能力を持っている」ことが特徴であるという。


●千差万別なストーカー、ただ 「曲解する妄想癖」という共通点も

 上記のうち、「パラノイド系」ってのは、「妄想の部分以外は正常で、話すことは論理的」ってのが厄介ですね。一見、それとわかりません。ただ、福島さんは"ストーキングを受けた者が最も困難に陥れられるタイプは、ボーダーライン型"だとしているそうです。Wikipediaにはなぜそう言えるのか?という記載がなく、理由は不明なんですけど…。

 また、"ストーカー一般の特徴として、『被愛妄想(エロトマニア)』という言葉を挙げている"そうです。『被愛妄想』というのは読んで字のごとく「恋愛において、自分が相手に愛されているものだと曲解する妄想癖」のことみたいです。

 私が関心あったのは、この妄想的なところ、思い込みの激しさでした。たとえば、ここでは"証拠・根拠がないのに相手が自分を好きであると信じる"というものがあります。たいへん困った話です。しかも、"逆に相手が自分を嫌っている証拠・根拠があっても相手が自分を好きであると信じる、信じて疑わない"という妄想もあります。これでは強く拒絶しても無駄でしょう。全く話が通じません。

 で、次にはその「拒絶」の話があり、「拒絶に対する過度に敏感な反応」を示すとしていました。"相手の感情に想像力を働かせない、甘え、思い込み、欲求不満を攻撃に替えて解消する"ということで、攻撃として作用することもあるようです。下手に刺激すると危険だと言えるでしょう。たいへん厄介です。


●ドメスティックバイオレンス男性の心理と一部共通部分がある

 他に、「ストーカーの心理」で検索していて、いろいろ読んでいました。その中で一番いいなと思ったのが、ストーカー対策の基本・加害者の心理:被害者、加害者にならないために 碓井 真史 | 社会心理学者/新潟青陵大学大学院教授/スクールカウンセラー 2014年5月3日 21時50分というページ。多少言葉を変更しながらまとめていくと、次のような感じでした。

<ストーカーの心理>
・好きや嫌いという思いを抑えられず、非常識な行動をする。
・とても大好きだった、あるいは信頼していた、注目して欲しかった、それなのに思いが満たされなかったために、激しい憎悪を持つ。
・自分がこんなに好きなのだから、相手も自分を好きなのに決まっていると感じる。
・相手からの断りの言葉を受け入れられない。
・周囲が邪魔をしていると妄想的に思い込む。
・一度手に入れたもの(関係)を手放せない。
・相手が思い通りに動くことを期待し、そうでないと怒りを爆発させる。
・愛され認められたい思いが満たされていない。
・自分の思い通りにならないならもう終わりだと思い込み、相手を殺して自分も死のうなどと極端な考えをする。

 「周囲が邪魔をしていると妄想的に思い込む」は、攻撃の対象が家族などの周囲に及ぶおそれがあるそうです。また、「一度手に入れたもの(関係)を手放せない」については、"幼児性が高い人、心の余裕がない人は、一度手に入れた恋人と別れるのは"、それを受け入れられないとしていました。それから、「相手が思い通りに動くことを期待し…」は、DV男性も似たようなタイプとのことです。

 被害者には、基本的には他人を頼ることを推奨。"必要に応じて、父親、上司、警察などの力も借りましょう"とのアドバイスがありました。ただ、"かつての恋人、妻、夫の場合は、少し複雑"。上記までで逆上するパターンが既に出ていたように、"いきなり拒絶すると、逆効果の場合"もあるためです。

 基本は、「おだやかに、でも、はっきりと」断りましょうとのことでした。"相手を侮辱したり、怒らせる"のは非常に危険だとされていました。非常に厄介であり、一般人どころか専門家であっても難しいのではないか?という内容。ストーカー問題というのは、このように極めて対処が難しい問題だと考えられます。


●パブ経営女性殺害事件は拒否すべきだった?すべできはなかった?

2021/06/25追記:最初に出ていた<ストーカー常連客に「あなたのことが苦手」…拒否して殺される事件>の件で、女性経営者の知人は、「コロナ禍で店を軌道に乗せなくてはなりません。来店を断ることができなかったのだと思います」「25歳と若いのに懐深いところがあった。寛容というのかな。(中略)しつこくつきまとっても、突き放せなかったのかもしれない。それが仇になってしまったのかもしれません」などとも言っていました

 しかし、「断ることができなかった」は間違い。前述の通り、実際には拒否していました。また、上記までのストーカー心理の説明でわかるように、拒絶が逆効果となることもあります。以下、おさらいとして、関係する部分をまとめました。あと、容疑者は妻帯者で子供も2人いたという情報も強調しておきます。妻帯者なら大丈夫…ということではないので注意が必要です。

・ナルシスト系(自己愛性人格障害)のストーカーは、自信・自負心が強く、拒絶した相手にストーキングするものが多く、行動的な分類からは『挫折愛タイプ』に属するものが多い。
・逆に相手が自分を嫌っている証拠・根拠があっても相手が自分を好きであると信じる、信じて疑わないという妄想がある場合は、拒否しても通じない。
・むしろ「拒絶に対する過度に敏感な反応」を示すことがある。相手の感情に想像力を働かせない、甘え、思い込み、欲求不満を攻撃に替えて解消するということで、攻撃として作用することもあり、拒絶は危険である。
・相手がかつての恋人、妻、夫などといった場合は、いきなり拒絶すると、逆効果となることがある。基本は、「おだやかに、でも、はっきりと」断るべできはあるが、相手を侮辱したり、怒らせたりするのは極めて危険である。


●69歳男性が好きな女性の店にゴキブリ死骸50匹 好きなのになぜ?

2021/11/05追記:店先にゴキブリ死骸50匹 ストーカー容疑で69歳を逮捕 福岡 毎日新聞 2021/11/3 14:37(最終更新 11/3 14:37)というニュースが出ていました。容疑者は「女性が好きだったが、急に態度が冷たくなって腹が立った」と供述しているとのこと。これもストーカー心理について知らない一般人が読むと、「好きなのになぜ?」と理解できない例だと思われます。

 知人の女性が経営する飲食店前にゴキブリの死骸をまいたなどとして逮捕されたのは、69歳のアルバイト男性。女性が福岡市内で経営する店の前にゴキブリの死骸約50匹をまき、気づいた女性が平容疑者に「もうかかわらないでほしい」と警告したにもかかわらず、翌日にも女性の携帯電話に数分間で5回電話をかけたとしています。

 警察によると、2人は約2年前に釣りを通じて知り合い、容疑者は女性が開いた飲食店に頻繁に通うようになったとのこと。男性は電話も繰り返し、女性が注意したその日にゴキブリがまかれていました。容疑者は「女性が好きだったが、急に態度が冷たくなって腹が立った」と供述しているそうです。

 どうでもいい話なのですが、この部分を読んで、ゴキブリの死骸を50匹集めるというのは結構たいへんだと思いました。しかも、女性が注意したその日にまいていたそうなので、準備期間もほとんどなかったと考えられます。普段からゴキブリいっぱいのところに暮らしていて、対策として殺してはいたものの、死骸は処分していなかった…という感じですかね。

 ゴキブリの死骸はいいとして、真面目な話を。「女性が好きだったが、急に態度が冷たくなって腹が立った」と容疑者は言っていたものの、そもそも女性は男性に好意を持って接していたわけではなく、一方的だったのでは?と最初別記事を読んだときに思いました。ストーカーだけでなく、男性によるこうした誤解は非常に多く、セクハラの原因になっています。

 さらに、私が最初に別記事に読んだときには、相手の女性と年齢差があった可能性も考えたのですが、やはりそうでした。毎日新聞の記事によると、女性は37歳。初期の段階から迷惑に思っていたものの、はっきりと伝えきれなかった可能性がありそうです。日本だと女性は男性より慎ましくするように求められるため、勘違いセクハラ多発の理由ともなっています。

 ただし、ストーカーの場合は前述したように「きっぱりとした拒絶」が凶行の引き金になりかねいという困った特徴があり、問題は複雑。また、好きな相手に嫌がらせするというのは、「相手が思い通りに動くことを期待し、そうでないと怒りを爆発させる」というストーカーの特徴のため。ストーカー体質な人への対応は、本当に注意が必要です。


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