ルール違反・マナー違反はそりゃダメよ…とは思うのですが、今回取り上げる野球のマナー違反というのは、素人目に見ているとなんかよくわからないものでした。(2014/8/20)
●2017/09/18:
大差で盗塁を高校日本代表が国際舞台でやらかす
2019/03/12:
●また日本代表がマナー違反の挑発行為…しかも今度はプロ
●点差が開いているときに盗塁は失礼?
2014/8/20;たとえば、"<高校野球>健大高崎は“暗黙のルール” を破ったのか- THE PAGE(2014年8月19日10時01分)文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル"で取り上げられていた盗塁に関する話でした。
http://news.infoseek.co.jp/article/thepage_20140819-00000002-wordleafs
スローガン「機動破壊」を掲げる健大高崎は、計11盗塁で引っ掻き回して10−0で勝利。走って走って走りまくって、初出場の利府を下し3回戦へ駒を進めます。ところが、その容赦なく最後まで走り続けた姿勢に批判的な声も一部から出たとのこと。ツイッターやネットの書き込みを覗くと、そのほとんどが圧巻の機動力野球の技術と姿勢と勇気を賛美する声だったものの、一方で否定的な意見もあったそうです。
「対戦相手を侮辱するにも程がある」
「野球の技術は教えても点差が開らくと盗塁しないというマナーは教えないようだ」
●プロ野球やメジャーの暗黙のルール・マナー 盗塁禁止など
プロの世界ではどうも、実際に盗塁に関する暗黙のルールというものがあるようです。アメリカメジャーリーグのアンリトン・ルール(unwritten rules:ルールブックに書かれていないルール)がベースだと説明されていました。
ここでは、派手なガッツポーズをしないことや、大差のついたゲームでカウント3−0から打たないなどの“モラルある行動”で、大差のついたゲームの終盤でのバントや盗塁を禁じているのも、そのひとつとしていました。もしやれば盗塁に成功しても公式記録とならず報復の死球が発生するといいます。公式記録にすらならないというので、ある程度慣例化しているんでしょうね。
ただ、報復OKであるかのような認識だというのは、穏やかではない話。これはメジャーリーグのものであり、日本ではやや馴染みが薄かったようですが、最近では浸透してきたとされていました。
例えば、2010年のオリックスー阪神の交流戦では、阪神の俊介が5点リードの7回に盗塁を仕掛けて、試合後、当時オリックスの監督だった岡田彰布さんが、「大変なことをしたな」と激怒し騒動となったそうです。ことの顛末を後日、岡田さんに聞いたことがあるが、「こっちが(盗塁を)警戒もしてないとこに完全な侮蔑行為。(ルールを)知らなかったではすまない。やったらあかんことよ」という話をしていたそうです。
●暗黙のルールの方にむしろ理解できず
記事では"これらの暗黙のルールは、あくまでもプロの世界の話"であり、8点差逆転の例がある"セーフティリードのない高校野球"では別の話…としていました。
私はプロの世界でもピンと来ないルールでしたが、とりあえず、高校野球での暗黙のルール適用への皆さんの反応は理解できないよというものが多かったです。
"大差つくと盗塁しちゃダメなの?!
野球って無駄なルール多いなー"
"またこんなふざけたこと言ってるくずがおるんかよ。
大差ついてても、相手には手を抜かずに全力プレーをすることが礼儀でもあるんちゃうん。
しかも、高校野球やねんからなにが起こるかわからんやん。
暗黙のルールとかプロだけで使っとけばええやん"
"勝負だからな。どんどん走れば良い。「負けて得られるモノもある」とよく言うが、それは持っている力、技術、戦略を駆使して、全力で勝ちに行った結果負けたって時の事だからな"
Ceron.jp - <高校野球>健大高崎は“暗黙のルール” を破ったのか (THE PAGE) - Yahoo!ニュース 「ルールにないなら何やって良い」とまで行くのは、どうかと思いますけどね。そういう発想が法の隙間をついた脱法行為ですから…。なお、脱法行為は法律に明記されていないというだけで、違法となることがあります。法律で禁止されていないから合法とは断言できないのです。
●超スローボールも批判された過去
あと、ツイッターの反応では、東海大四高の西嶋亮太投手の「超スローボール」にも触れている方がいました。
"スローボールだの盗塁だのこの類の批判は本当に普段高校野球見てない奴か何かはき違えてる奴ら。1点が大事の高校野球で出来ること全てやって何が悪い。"
"高校生のプレーにいちいちこんなこと言ってたら切りがないでしょ。
西嶋の超スローボールもだけど"
"カットボールにスローボール、今度は盗塁で批判。高校生相手に自分の美徳を押し付けるのはどうかと思う。一生懸命やっても正々堂々、真っ向勝負が全てではないよ、野球って"
これは以下の件を指しています。
甲子園西嶋投手の超スローボールは「世の中を舐めている」 岩佐フジテレビ元アナ、ツイッター発言で袋叩きに : J-CASTニュース 2014/8/15 17:42
西嶋投手の超スローボールは甲子園大会開催前から注目の的になっていた。身長1メートル68、59キロという体から投じられる球は指を離れたとたんにテレビ画面から消えてしまう。上空に高く投じるからで、その球がテレビ画面に再び現れ、キャッチャーミットに吸い込まれていく。
甲子園では90キロ以下のスピードは計測していないためどれくらいの速さなのかは表示されないが、西嶋投手はインタビューで「58キロくらい」と語ったことがある。バッターのタイミングを狂わせたり、自身の投球リズムを整えたりする際に使っているという。(中略)
元アナウンサーで野球にも詳しい岩佐さん(引用者注:元フジテレビアナウンサーでスポーツ実況などでも定評のあった岩佐徹さん)が14日にツイッターで、
「東海大四のピッチャーのスローカーブ・・・ダメとは言わないが、少なくとも、投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやってると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がするが。ハハハ。」
などとつぶやいた。
http://www.j-cast.com/2014/08/15213227.html?p=all
この他に元朝日新聞記者で高校野球のテレビ解説経験も豊富なスポーツジャーナリストの岡田忠さんも「私は甲子園大会を30数年以上取材してきましたが、あのようなふざけた球を投げるピッチャーを初めて見ましたよ」と批判的でした。
"スローボールというのは、普通、早いストレートを投げるフォームから繰り出すから威力を発揮する"のにそうではないため、"バッターとの間を外すためだったり、余裕があることを見せつけるパフォーマンスだろうとし"、「遊び心で使っていると思いますから、それを深読みしたり、分析しようとしても意味がないことだと思います」とおっしゃっていたそうです。
●超スローボールにはネットでも批判が多い?
この記事のJ-CASTニュースでの反応を見ると、かなり割れていた感じ。意外に超スローボール批判がありました。
ストレートと同じフォームからくり出す気がまったくない(出来ないのかもしれないが)。
だからタイミングを外せてない。
てわけで「ストレートが速く見える!」なんてこともない。
だいたいあそこまで遅いとバッターがストレート待ちから体勢を整え直せてしまう。
「ふざけてる」とまで言う気はないけど、「立派な投球術だ」と言うまでのものでもないな。
だからあれを見て怒る人もいるのは当然な気もするなぁ。
自分は超スローボールは、西嶋投手の球種の一つで投球術なんだ
から非難されることはないと思いますが、
岩佐元アナは高校野球に何を求めているのでしょう?
私の感覚からすれば、あのボールは高校生の投球術とは考えられない。
プロのあのボールをまねた感じがする。
真剣な戦いが欲しい。
遊び心も時と場を考えれば、こんなつまらん批判やバッシングも受けないだろ。
個人的にはダメと思わないし、これもま技術だとも思うけど、やはり「場」が悪い気がする。素直にそう思うけど、俺の考え方は卑屈か?
天井サーブは?あれもなめてンのか?旧ソビエトのバレーチームは、どうレシーブすればいいか徹底的に研究してた。
●花巻東の千葉翔太選手のカット打法でも賛否両論
同様に賛否が激しく割れていたのが、昨年の花巻東(岩手)の千葉翔太外野手のカット打法です。こちらは今まで緩かっただけで厳密にはルール違反の可能性があったらしく、暗黙のルール問題ではないために多少状況が異なりますが、彼のことも思い出しました。この件は後味の悪い話になりましたね。
花巻東・千葉 カット打法できず号泣敗退 - 高校野球ニュース : nikkansports.com[2013年8月21日17時17分]
試合後「自分のやりたかったことができなくて悔しいです。ファウルで粘って何としても出塁する(引用者注:四球か甘い球待ち?)のが自分の役目だったのですがそれを止められてしまって…。相手投手のコントロールも良かった。野球人生の中で一番悔しいです」と号泣しながら話した。
実は19日の準々決勝の後、大会本部と審判部からカット打法について花巻東サイドに通達があった。「高校野球特別規則に『バントの定義』という項目があります。ご理解ください」。
「バントの定義」とは「バントとは、バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルするような、いわゆるカット打法は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある」というもの。
http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/f-bb-tp3-20130821-1176631.html
●大差で盗塁を高校日本代表が国際舞台でやらかす
2017/09/18:最初で書いた「大差で盗塁禁止」を、高校日本代表が国際舞台でやって、話題になっていました。7点リードの9回、死球で一塁に出ていた清宮幸太郎選手が盗塁したところ、球審はすぐさま一塁側の日本ベンチに口頭で注意。それだけでなく、「盗塁」も記録されなかったといいます。
その前にも、7点差に広げた7回と次の8回に盗塁を試みて失敗しています。報復はやっぱりいけないと思うんですけど、敗色濃厚なカナダには、機動力が挑発に受け取られ、9回の清宮に対する“報復死球”につながったようだとしていました。
前述の通り、日本でもプロでは既に浸透しているそうなので、スタンドで見つめた球界関係者からは、ため息。「大量リードで盗塁しないのは、世界の野球界の常識。ベースボールと野球の違いじゃない。日本のプロ野球でも暗黙の了解」だとしていました。
一方、高校野球の場合は指導者もマジで知らないようで、「あのケースで走ると、アンフェアなんですか?」と、高校日本代表の小枝守監督(66)は報道陣に逆質問。監督は、注意した球審もOKだとしていたとも説明しています。
「球審に『ソーリー』って言ったんですよ。(9回裏の)メンバーチェンジのときに。『知らないで、やっちゃった』って。そしたら『18歳以下は大丈夫ですよ。ナイスゲーム。頑張ってください』って」
なお、この話があった
清宮高校最後の打席に見えた、V逸の要因と世界と甲子園の溝 スポーツ報知 / 2017年9月18日 10時0分の「V逸の要因」というのは、上記のエピソードも含めて世界の野球の常識を知らないから負けるという意味みたいですね。「木製バットへの対応」「投手の球速」などで差が出るとのこと。
あと、日本の捕手は捕球後にしばらくミットを止めてストライクをアピールするのも、国際的にはグレーな行為ということも書かれていました。これは最初の投稿でも出ていなかったマナー違反です。
●また日本代表がマナー違反の挑発行為…しかも今度はプロ
2019/03/12:またしても日本代表のマナー違反なのですけど、今回は若年層のアマチュアではなくてプロでした。強化試合でメキシコ代表と対戦した日本は、番組で解説していた野村克也さんに褒められる試合内容。6-0で勝利しています。
ただ、苦言というか心配されていたのが、5点リードの2回に日本が盗塁を成功させたシーン。「5点をリードしていて走ってくるとは何事だって、ぶつけられなきゃいいけど…」とポツリ。そして、“予言通り”に3回に大山(阪神)が死球を受けて負傷交代。「(日本の)マナー違反。恥をかかせるような野球は絶対にお返しがある」と神妙に語ったそうです。
(
ノムさん「日本のマナー違反」 大山の死球を“予言”…侍Jのある作戦に警鐘― スポニチ[ 2019年3月11日 11:18 ]より)
前述の通り、私はそもそもどちらにせよ報復は絶対ダメという姿勢。報復が許されるなんて野蛮なスポーツです。ただ、ちらっと見たツイッターの反応ではそこではなく、マナー違反かどうかという点ばかり言及。今回も賛否が割れていました。
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