2018/12/01:
●タンメン(湯麺)は東日本にしかないって本当?
●「東夷の地域限定料理」ってどういう意味?
●単なる野菜ラーメンとは違うタンメン、中国のタンメンとも違う
●タンメン(湯麺)は東日本にしかないって本当?
2018/12/01:以下のようなツイートが話題に。全都道府県に留まらず世界の焼きそばを食べ歩きしているという、焼きそば名店探訪録の管理人さんのツイートです。
ただし、東日本限定というのは、言い過ぎな感じがあるようです。ここらへんは後で補足します。
●「東夷の地域限定料理」ってどういう意味?
「東夷の地域限定料理」の意味がわからない人がいるでしょうから、先にこれを補足。この話をするのに使う必要がない単語なのですけど、「東日本」をバカにした表現だと考えて良いでしょう。
コトバンクによると、まず本来「東夷」(とうい)は、以下のような意味でした。
"中国古代の民族名。中国の中原にいた漢民族が,異文化をもつ周辺の諸民族を「東夷,西戎,南蛮,北狄」と蔑称したが,東夷の住地は,ほぼ山東省から江蘇,安徽2省にかけてであった。(中略)のち東方の異民族 (東北,朝鮮,日本など) をさすようになった"(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より)
この時点だと、日本全体が「東夷」なのですけど、さらに日本国内においても差別用語として使われるようになった…という経緯です。
・東方に住む未開人。
・(京都からみて)東国に住む特に無骨で粗野なあらあらしい武者。京都の人があざけりの気持をこめて用いたことば。あずまえびす。
・東部に住む民族・蝦夷(えぞ・えみし)の異名。
・(江戸の東南隅にあったところから) 江戸深川の遊里。
(大辞林 第三版、デジタル大辞泉、日本国語大辞典より)
●タンメンは東日本どころか関東地方の料理?
タンメンの話に戻りましょう。
タンメン - Wikipediaは、東日本どころか、主に関東地方で食されている日本の麺料理、としていました。ただし、「検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分」とされている記事ですので、要注意ではあります。以下のあたりもすべて注意書きがついていました。
"北海道や西日本地域ではあまり知られておらず、中華料理店のメニューにもほとんど載っていない。ただし、愛知県・京阪神など関東圏からの出張者・移住者・旅行者が多い地域、富山県等にも関東ほどではないがタンメンを出す中華料理店が存在する"[独自研究?]。
"発祥の地や歴史は諸説あるが、東京か横浜が発祥地とされている。最初に作られた時期も戦前からあるという説と、戦後になって横浜にある中華料理店「一品香」が最初に作った説もある"[要出典]。
●単なる野菜ラーメンとは違うタンメン、中国のタンメンとも違う
ツイッターでも混乱している人が多かったのですけど、名前が似ているだけでタンタンメン(担々麺)とは違います。タンタンメンみたく辛くはありません。
また、ワンタン麺(雲呑麺)もタンメンとは異なる麺料理。野菜が入った塩ラーメンとも製法が異なり、野菜ラーメンなどとも異なる料理とのこと。タンメンは、茹でた中華麺、そしてモヤシ、ニラ、ニンジン、キャベツ、キクラゲ、タマネギ、豚肉等を炒めたものに、塩味に調製した鶏がらを主とするスープを加えたものとされていました。
さらに、ややこしいのが、中国語を使ってるのに、中国のタンメン(湯麺)とは異なるということ。こういうのよくありますね。中国における湯麺(たんめん、スープ麺)は、現地では麺の字が粉食全般を指すことから、麺(麺条=細い麺の状態になったもの)料理のうちスープ麺(汁麺)であることを表すとしていました。
和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典では、"中国語の「湯麺」は汁麺の総称で、タンメンと同様のものは「素菜湯麺(スゥーツァイタンミエン)」という"との説明。本当ややこしいですね。
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