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やっぱり何か問題が?遺伝子組換え作物研究者が研究をやめる理由


 遺伝子組換え(GM)に関する話をまとめ。<やっぱり何か問題が?遺伝子組換え作物研究者が研究をやめる理由>、<約100人のノーベル賞受賞者が世界各国首脳に公開書簡、その内容は?>、<捏造研究を反論禁止の条件でマスコミに大々的に発表させた科学者>などをまとめています。

冒頭に追記
2022/07/19追記:
●捏造研究を反論禁止の条件でマスコミに大々的に発表させた科学者 【NEW】
●寄付金がっぽり!反金儲け主義を装う人たちが一番金儲け主義 【NEW】


●捏造研究を反論禁止の条件でマスコミに大々的に発表させた科学者

2022/07/19追記:捏造研究を反論禁止の条件でマスコミに大々的に発表させた科学者がいたという話を読んで驚き。この科学者は、遺伝子組換え(GM)の研究者ではなく、遺伝子組換え反対派の研究者なんですよね。「正義」ぶっている遺伝子組換えを問題視する人の方がむしろ悪徳…というわかりやすい例です。

 なお、「反論禁止の条件で」というのは、私が短くまとめた言い方であり、正確にはマスコミの論文の内容について他の科学者の意見を聞くことを禁止した…というものでした。これは科学にとって重要な正確性のチェック(査読)を禁止する行為…学術誌なら研究不正に近い行為です。

 この話を書いていた<反GM団体に偽りの理論的根拠を提供する科学者>(22/7/18(月) 14:03配信 Wedge 唐木英明)でも、最近の査読不正の話とセットでの紹介。うちでは、日本初の査読不正?友田明美・福井大教授の論文に千葉大教授協力で書いています。不正論文が大量に出るため、査読不正は絶対に許されないのです。

<実験方法の間違いは時には社会に取り返しがつかない悪影響を与えることもある。その代表が「セラリーニ事件」だ。
 セラリーニはフランス・カーン大学教授で、反遺伝子組換え(GM)団体クライジェン(CRIIGEN)の創設者でもある。彼を有名にしたのが、GMトウモロコシと除草剤ラウンドアップがラットにがんを引き起こすという2012年の論文で、そこには大きながんができたラットのショッキングな写真が掲載されている。
 セラリーニは公表の記者会見に先立ってメディアに論文を渡したのだが、それは機密保持契約と引き換えであり、論文の内容について他の科学者の意見を聞くことを禁止していた。また論文発表と同時にこの研究を基にした映画と出版物を公開した。この巧みな広報活動の結果、多くのメディアはがんができたラットの写真とともに論文の内容を大きく報道し、世界に衝撃を与えた>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9382571e243b57e6d297d3282154a90a6bba1bf

 この研究では何が捏造に近い行為だったのか?と言うと、セラリーニさんが加齢とともにがんができる系統のラットを使ったことです。がんができる系統のラットを使ったため、GM(遺伝子組換え)トウモロコシを食べたラットががんになるのは当たり前。これでは、GM(遺伝子組換え)が問題であることを証明できません。

 実際、研究では、通常の飼料を与えたラットもがんになっており、がんができる確率は統計学的には変わりませんでした。かなりずさんな研究でしたが、だからこそ他の科学者に見せることを禁止したのでしょう。アホなマスコミは、彼の「遺伝子組換えの方ががんになりやすい」という主張を信じてしまいました。


●寄付金がっぽり!反金儲け主義を装う人たちが一番金儲け主義

 また、記事では、GM(遺伝子組換え)に反対することで、多額の資金と協力者を得ることができることがわかる話もあったんですよ。反金儲け主義を装いながら、実は自分たちが一番金儲け主義…ということが他のニセ科学でもよくあり、注意が必要。金儲け主義と叩かれる人たちは、むしろ逆に広報が下手だとも今回指摘されています。

<出版社は調査の結果、「不正はないけれど、内容が不十分」として1年後の13年に論文を取り消し処分にした。(中略)そして14年に別の出版社がこの論文を再出版した。
 (中略、GM反対や農薬反対を叫ぶような)人たちがセラリーニ論文を査読し、そんな出版社がこれを公表し、批判されると「不正はない」と強弁し、別の出版社が再出版するというシナリオに協力したのだろう。「目的のために手段を選ばない」人たちはどこにでもいる。
 論文が批判され、取り下げになることはセラリーニにはむしろ歓迎だろう。「悪徳企業」モンサントや「御用学者」に攻撃されている「殉教者」を装うことができ、反GM団体は抗議運動を続けられるからだ。
 セラリーニ問題は論文と出版物と映画と抗議運動の相乗効果を最大化するために、綿密な作戦計画のもとに実行されたものであり、それが功を奏した。日本の、そして世界の反GM団体がセラリーニの講演会を開催し、彼は反GM運動の理論的な支柱になって、社会に誤解と混乱を広げている。
 12年の論文は320万ユーロ(4億3000万円)の研究費が必要と言われるが、彼が主催する反GM団体クライジェンが寄付金を集めて活動を支えたという。逆に寄付金を集めるためにGMは危険という根拠を示すことが大事なのだ。
 これに対してGM推進側は司令塔も資金も戦略もなかったことが大きな反省点だ>


●やっぱり何か問題が?遺伝子組換え作物研究者が研究をやめる理由

2018/12/22:遺伝子組換え作物(GMO)の研究者が「なぜGMOの可能性を信じつつも研究をやめるのか」を語る - GIGAZINE(2018年03月30日 07時30分)というタイトルを見た時点では、研究をやめる理由は不明。

 「遺伝子組換え作物の研究では嘘がまかり通っていて、本当は危険なことを研究している。もう良心の呵責に耐えきれないから研究をやめる」みたいな、遺伝子組換え作物を嫌う人が喜ぶような話の可能性も感じました。

 ただ、研究をやめる本当の理由は全然違うもの。遺伝子組換え作物を嫌う人たちによって虐げられるなど、あまりにも精神的につらいからやめるという内容でした。彼らのいじめは非常に効果があるようです。いじめてる人にはいいニュースではあります。


●「アメリカの子どもたちの自閉症の責任はGMOにある」と主張

 さて、記事に出ていたDevang Mehtaさんですが、チューリッヒ工科大学で過去4年間 遺伝子組み換え作物(GMO)についての研究を行ってきました。彼によると、遺伝子組み換え作物の研究を行うことは、人々から押し寄せるネガティブな反応に対処することとイコールだとのこと。

 日常的な会話に含まれるものからTwitterトロール(荒らしを意味するスラング)まで、さまざまなネガティブな反応があるといいます。さらに、抗議活動を行う人によって研究がつぶされることも考えられるとしていました。

 同僚が行ったパネルディスカッションで、抗議者たちは「アメリカの子どもたちの自閉症の責任はGMOにある」と叫んでパネルを妨害。パネリストたちが説明しても、陰謀説を強く信じて聞く耳を持たなかったそうです。

 なんでも自閉症と結びつけちゃいますね。うちでは、ワクチンで自閉症というトンデモ捏造論文で麻疹流行 日本も渡航しないように勧告されている国だったというのもやっています。


●ここ数十年の反GMO活動がもたらしたものとは何か?

 チューリッヒ工科大学というのは、過去に、開発途上国のビタミンA欠乏症を解決できるとするゴールデンライスが生み出されたところ。Ingo Potrykusさんが1999年にゴールデンライスの製造に成功したときは「偉大なる功績」だとして雑誌「タイム」の表紙を飾ったほどだったそうです。

 しかし、ゴールデンライスの誕生から約20年経過した2018年現在、何度も安全性テストを通過したにも関わらず、ゴールデンライスは、最もそれを必要とする子どもたちに届いていません。これは反GMO活動のせいだと、Mehtaさんは暗に示しているのでしょう。

 また、「裕福な国にいる反GMO活動家」と「南北問題によって科学を必要としている農家・消費者」の間に大きな溝があるといった言い方もしていました。これも反GMO活動のせいで困っている人がいるということでしょうね。


●ビタミンA欠乏で年間数百万人の子供が死亡している

 ゴールデンライスについてはもう少し第三者的な情報がほしいなと思って検索。とりあえず、知恵蔵では、以下のような説明があります。

"スイセンの遺伝子をイネに導入し、β(ベータ)カロテンを産生させている。コメがβカロテンによって黄金色を帯びることから、この名がある。開発途上国では4億人がビタミンA欠乏状態にあるといわれ、子どもは年間数百万人が死亡し、数十万人が失明している。βカロテンは人間の体内でビタミンAに変換されることから、ゴールデンライスは、コメを主食とする開発途上国でのビタミンA欠乏症を解決できると期待されている"

 遺伝子組み換え作物 - Wikipediaによると、ゴールデンライス自体を主食としてもビタミンAの必要量を満たさないとの主張が遺伝子組換え食品反対派にあったそうです。単独の食べ物で栄養素の全必要量を確保しようという食べ方は変なんですけどね。バランスの悪い考え方です。

 ただ、2005年には、新たにゴールデンライス2が発表されて、このイチャモンにも対応。これだけを摂食することでビタミンAの必要量がまかなえるようになりました。しかし、前述の通り、未だに広く栽培されていないようです。

 また、人道的な見地からゴールデンライスの開発者たちは、特許を無償公開し、特許料等の知的財産権に基づく金員の請求をしないことを表明しているとのこと。たぶんこの関係で自家採種可能ってことなのでしょう。栽培農家は無償で永続的に栽培可能になるとされていました。そういえば、さっきのMehtaさんは、GMOの研究者は特許を取ろうとするだけで非難されるとも言っていましたわ…。


●約100人のノーベル賞受賞者が世界各国首脳に公開書簡、その内容は?

 反対活動的な話はWikipediaになかったので、もう少し見ます。中国の華南農業大学が遺伝子組み換え技術により、高い抗酸化作用を持つ赤色の色素「アスタキサンチン(Astaxanthin)」を豊富に含む「蝦紅米(訳:エビのように赤い稲)」と呼ばれる新種の稲を開発したというニュースに、ゴールデンライスの反対運動に絡む話もありました。

 約100人のノーベル賞受賞者は共同で2016年6月、自然保護団体のグリーンピースと世界各国首脳に公開書簡を出し、グリーンピースとその支持者たちが遺伝子組み換えに賛同することと、遺伝子組み換え反対の行動をやめることを求めたそうです。この書簡では、特にゴールデンライスの行動への支持を求めているといいます。

 なお、この書簡へのサインはその後も増えており、2018年11月時点で、138人のノーベル賞受賞者らがサインをしているとのことでした。
(遺伝子組み換えの「ゴールデンライス」の次は「エビライス」? 中国・華南農業大 2018年11月26日 15:17 東方新報/AFPBB Newsより)


【本文中でリンクした投稿】
  ■ワクチンで自閉症というトンデモ捏造論文で麻疹流行 日本も渡航しないように勧告されている国だった
  ■日本初の査読不正?友田明美・福井大教授の論文に千葉大教授協力

【関連投稿】
  ■遺伝子組み換え作物(GM作物)は危険という論文広まる → 捏造でした? 不正疑惑が出て自己剽窃認定、論文撤回
  ■自然界では絶対起きない遺伝子組み換えの怖さ…という主張の嘘
  ■遺伝子操作赤ちゃん、デザイナーベビーに賛成46% 優生学再び…と問題視も
  ■色弱・色盲という「色覚異常」な人の存在は進化の上で有利だった
  ■がん治療期待のゲノム編集の新手法でがんリスク増大の可能性 クリスパー・キャス9法とp53遺伝子の働きの関係
  ■日本人の遺伝子は中国人・韓国人とかなり違うと判明 縄文人と東アジア人の遺伝子を比較した研究
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

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