以下の書き方だとイングランドとウェールズだけで1位なのか、イギリス全体で1位なのかわかりづらいのですが、2009年の男の子の名前はオリバー(Oliver?)が人気だったようです。
ベルギーの蚤の市、店主は中東・アフリカ系のナゼ:日経ビジネスオンライン 白壁 達久 2014年7月10日(木)
英国統計局の発表によると、2009年のイングランドとウェールズの両地方における新生児(男児)の名前において、一番人気があったのは「オリバー」だった(略)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140709/268395/?P=2
「(略)」としているように、実はこの文章には続きがあります。そこに入っていたのは、「が、“隠れ1位”としてムハンマドの名前を挙げている」というものでした。何とムハンマドという名前が「隠れ1位」だったそうなのです。
「隠れ1位」というのは妙な言い方ですが、ムハンマドを表す名前に細かなスペルの違いがあるためです。この"細かなスペルの違いをまとめると、トップのオリバーを上回った"という意味のようです。
この話は"イスラム系移民が存在感を見せているのはベルギーだけではない"という流れの中で出てきた話でした。元記事のタイトルが「ベルギーの蚤の市、店主は中東・アフリカ系のナゼ」ということでもわかるように、こちらでメインだったのはベルギーのイスラム系移民の多さの話でした。
ベルギーの都市"ブリュッセルでは数年前に、新生児につける名前の1位がムハンマドになった"そうです。また、"ベルギー全体で見ても、新生児の名前でムハンマドはトップ10に入る"といいます。ムハンマドの存在感が上がってきているのです。
こういった移民の多さは、"イスラム教とキリスト教の宗教対立による暴動が発生したり、治安が悪化したりするなどの問題"も引き起こしやすくしています。
移民の問題とも関連する「極右の台頭」をテーマとした以下の記事でも、イギリス、ベルギー両方の名前が見えていました。
極右の台頭が欧州の夢を脅かす- ニューズウィーク日本版(2014年5月9日12時29分)
ヨーロッパ各国で最近、選挙や世論調査が行われるたび、繰り返し取り上げられる言葉がある。「極右の台頭」だ。(中略)
オーストリアやイギリス、ベルギー、ギリシャ、イタリアなど、反EUを公約に掲げる政党が多数の議席を獲得しそうな国はいくつもある。欧州議会では、7カ国から25人の議員を集めれば新しく会派をつくることができる。EU懐疑派の新会派ができれば、彼らの影響力は高まるだろう。
EU懐疑派が台頭する背景にあるのは、ユーロ危機の余波に苦しむ各国の経済状況だ。高い失業率や低賃金に悩む人々の怒りの矛先は、ドイツ主導の緊縮財政政策や、他国から来て自分たちの職を奪う(ように見える)移民に向けられる。その結果、そうした現状を招いたとしてEUへの反発が強まっている。
http://news.infoseek.co.jp/article/newsweek_E125850
ただ、最初の記事ではそれよりも移民の効能を強調する内容でした。
現地で40年近くホテルを経営する女性に移民の是非を問うと「正直、移民がいなければ10年前にホテルは閉めていた」と本音をこぼした。彼女のホテルでは、アフリカ系の移民を8人雇っているという。2000年代に入って人件費が高騰し、経営がひっ迫したところで従業員をアフリカ系移民に変えたという。賃金はそれまで雇っていた従業員の6割程度。現在は移民といえども上がってきてはいるが、「もはや移民なしでの経営は考えられない」という。
しかし、この記事を読む限り、日本で同じような移民の増加が起きるか?というと難しい気がします。言葉の壁の存在です。
ブリュッセルの蚤の市の店主たちは、中東やアフリカにルーツを持つ人たちが目立ちました。彼らに"どこから来たのかを聞けば、アフリカのギニアやコンゴ、ジブチ。中東ではシリア出身という人が多かった"そうです。これらの国に"共通するのは、フランスやオランダの統治下にあったこと"です。
"公用語がフランス語やオランダ語である国であるため、言語の障壁を越えられるから大挙してやってくる"ということで、言葉の存在が重要になっています。
一方、日本では逆に"言葉の壁がネック"となっている事例が既に見られています。
フィリピンやインドネシアから看護師を呼び込もうと試みたが、過去5年で派遣された741人の看護師のうち、実際に日本の試験をパスできたのは96人。合格するには日本語の試験に通らなければならず、その大半が不合格で帰国を余儀なくされている。
言葉の壁のお陰で外国人が来ないわけですから、これは移民反対派にとっては都合の良いことです。
ただ、日本語の習得という条件を外してでも人材を確保するようになった場合には、逆に我々が「日本語以外の言葉を習得しなければ面倒を見てもらえない時代が来るかもしれない」と作者は書いていました。
私自身は日本への移民受け入れは賛成じゃないので、うーんとうなってしまいました。
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