●上司と部下で意見が対立するのは良いこと?ドラッカーの組織論
2014/8/28:<「モノ言う部下」実はありがたい存在 ドラッカー指摘>(日本経済新聞 2014/5/11 7:00)によると、ドラッカーさんは「対立を嫌うべきではない」より一歩進んで、「意図的に意見の対立を促すことを勧めている」んだそうです。以下のような言葉が書籍から引用されていました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2100I_R20C14A4000000/「マネジメントの行う意思決定は全会一致によってなしうるものではない。対立する意見が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めてなしうる」(『エッセンシャル版 マネジメント』)
ドラッカーは、意見の対立が必要な理由を3つ挙げているそうです。
1.組織の囚人になることを防ぐ
2.選択肢、代案を得る
3.想像力を引き出す
1.組織の囚人になることを防ぐ
記事の最初に意見の相違を許さずに、逆らう部下を退職にまで追い込むマネジャーの話が出てきました。後者のマネジャーはよりによって高評価だったそうです。このやり方により、イエスマンが残ったものの、その組織のストレス診断サービスは最悪だったといいます。
ですので、仕事の自由度や裁量権を与えることで満足度を増やす…という話かな?と思いましたが、さにあらず。"組織の都合に合わせた意思決定では、「本当にやるべきことか」「成果が上がるか」「社会に貢献するか」などの点が二の次になる可能性が"あり、それを防いで成果を上げるのだと書かれていました。
2.選択肢、代案を得る
"学校の試験と違って、仕事のやり方の多くは正解が1つではない。選択肢をもっておくことはリスクマネジメントになる"というもの。これはわかりやすいですし、次とも関連します。
3.想像力を引き出す
"反対意見や別の観点は、見落としていた部分を検討するきっかけになる"というもの。"もっともらしい意見には引きずられやすいからこそ、「何か見逃している点があるかもしれない」と考える姿勢や、違う発想ができる人を大切にしなければならない"ともありました。
上の2と3を読んで思い出したのが、以前私がブログコメントに関して私が書いたことでした。「賛同意見より反対意見が重要。さらに反対意見より重要なのは異なる意見。見落としている点を見れるから」といった内容だったと思います。
ただね、上は理想論であって、実際問題反対されたりすると頭に来るんですよね。否定されると逐一反論して、木っ端微塵に粉砕したくなります。難しいものです。記事では感情的な上司に関して、以下のアドバイスがありました。
・「否定された」と感じる気持ちに向き合う
・反対意見を「あって良かった」と考える
・反論ではなく「質問」する
・他のメンバーの意見を聞く
・「否定された」と感じる気持ちに向き合う
"意見の不一致は自分への否定や攻撃ではない"ともありました。これは日本人がおかしいところだと言われていますけど、ドラッカーさんがわざわざ書いているんですから海外でもそうなんでしょうね。
・反対意見を「あって良かった」と考える
"反対意見を示されたときには「こうした意見のお陰で間違った判断を下さずに済む」と考えよう"とのこと。私は筋が通った反対意見ならあまり頭に来ないので割合楽です。
・反論ではなく「質問」する
"「それは違う」の代わりに「なぜそう思うの?」を口癖にすることを勧めたい"とのこと。これは私も強く推奨します。
さっきの「賛同意見より~」の話ですが、今は閉鎖したブログコメントに対して、否定的な意見ほど詳細に書いてくださいとお願いしていました。賛同意見であれば言葉足らずであっても何となくわかるのですけど、異なる意見というのは自分が考えなかったものですので純粋にわからないということが多いです。また、なぜ?と考えて突き詰めていくのは、すべての仕事において重要だというのもあります。
・他のメンバーの意見を聞く
"それぞれの意見からさらに多角的理解が進む。メンバー同士でも意見が分かれるかもしれないが、それは議論が深まっている証拠だと言えよう"とありました。また、"意見を聞くことを通じて「メンバー尊重」の姿勢が伝わり、「意思決定に参画した」という意識を高めることにつながる"とも。これはさっきの「1.組織の囚人になることを防ぐ」で私が書いた話に繋がります。
最初に、逆らう部下を退職にまで追い込むマネジャーの話があった…と書きましたが、そういう組織はストレスが溜まって良い組織とは言えません。たいへんですけど、頑張るっきやないですね。
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