冒頭に追記
2022/02/15追記:
●辞職済みの鳥取大・准教授、論文盗用で停職3か月の懲戒処分相当 【NEW】
●辞職済みの鳥取大・准教授、論文盗用で停職3か月の懲戒処分相当
2022/02/15追記:
元教員の懲戒処分相当について/鳥取大学公式ホームページ(2022年02月14日)というのが出ていましたので追記。在職中に盗用及び不適切なオーサーシップを行うといった研究活動の不正行為を行った元鳥取大学学術研究院農学系部門・准教授について、「停職3か月相当」の懲戒処分相当を決定したというリリースが出ています。
准教授は、令和3年3月31日付けで辞職しており、実際に懲戒処分を下したわけではなく、本来なら相当するであろう懲戒処分を発表したというものですね。細かい情報が全然ないのですが、もともと書いていた准教授も2021年(令和3年)3月に一身上の都合で退職しており、退職した時期は同じです。
さらに、年齢が30代で一致しており、盗用があったという不正内容も同じでした。一方、肝心の所属は、「学術研究院農学系部門」となっており、以前記事になっていた「農学部共同獣医学科」と異なります。とはいえ、同じ農学系なので所属が複数あった、呼び方が複数あるなどで、同一人物の可能性はありそうでした。
●「そのまま書き写した」鳥取大准教授の論文4本に盗用の不正
2021/12/08:<鳥大元准教授発表の論文4本に盗用した部分 大学処分の方針>(NHK 12月07日 16時42分)によると、鳥取大学農学部共同獣医学科の30代の元准教授が発表した論文4本の中に、ほかの研究者の論文から盗用した部分があったことが大学の調査でわかったとのことです。元准教授は2021年3月に一身上の都合で退職しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20211207/4040010209.html
調査には1年以上かかることが多いため、盗用の不正があるという疑惑を指摘されてから辞めたのかな?と思ったらやはりタイミング的にはそうみたいですね。2020年10月に大学にメールで匿名での告発があったことを受け、大学が調査を進めた結果、不正が明らかになったとのこと。年度末までは粘ってキリよく辞めたようです。
なお、大学は元准教授に論文を取り下げるよう求めるとともに、処分する方針だとしていました。しかし、すでに大学を辞めているために、大学側としては処分しようがありません。おそらく「懲戒解雇相当」などといった発表をするという意味だと思われます。また、肝心の不正の内容については以下のような説明でした。
<平成28年までの3年間に執筆した「キチンナノファイバー」と呼ばれる、カニの殻から開発した新素材などに関する論文4本について、海外の研究者の論文から文章を盗用していたほか、このうちの1本では、ほかの研究者の承諾を得ずに共著者としていたことが確認されたということです。(中略)
多いものでは、論文全体の6割で海外の研究者のものと内容が一致していたということで大学の調査に対し、元准教授は「そのまま書き写した」と話しているということです>
●准教授の研究していた「キチンナノファイバー」は何がすごい?
名前が報道されていなかったですし、以前の続報なのに気づかず…ということをたまにやっちゃうので、過去のうちの投稿をブログ内検索。
三浦典正・鳥取大元准教授が捏造や改ざんの不正 がん根絶目前の驚異的な発見をしていた研究者という投稿が出てきましたが、所属や内容が異なるために今回とは別件のようですね。
研究内容に興味がありウェブ検索すると、
植物分子生物学研究室 研究内容1(鳥取大)というページが出てきました。所属が違っていて別の人なので誤解なきようにお願いしますが、鳥取大学大学院工学研究科の伊福伸介教授と共同研究している研究室のページ。書いている人のお名前がわからなかったのですが、鳥取大学農学部 植物分子生物学研究室とある他、画像で「Kaminaka Lab」とあります。引用元論文の著者では上中弘典さんという人もいますので、その関連でしょうか…。
<キチンはN-アセチルグルコサミンが直鎖状に連なった天然の高分子多糖類であり、カニやエビなどの甲殻類の殻およびきのこなどの真菌類の細胞壁の主成分です。キチンは土壌改良剤をはじめ、手術用糸など、農業、食品、医療と幅広い分野で利用されており、生体に関する様々な機能が報告されています>
<近年、共同研究者である鳥取大学大学院工学研究科の伊福伸介教授により、粉砕装置を用いた微細化(ナノファイバー化)技術による「キチンナノファイバー」の効率的な製造方法が確立されました>
「キチンナノファイバー」は何がすごいのか?と言うと、ナノファイバー化することで高分子のキチンは均一に分散した状態となり、溶液と同じように均一に混合したりできるようになったとのこと。これにより、様々な分野での応用利用を促進できると期待されているそうです。おそらく応用しづらかったところでも応用できるようになるんでしょう。画期的な研究成果のようでした。
●鳥取大学・上中弘典准教授らの研究でわかった植物への効
2021/12/17追記:「キチンナノファイバー」に興味あったのでもう少し検索。
カニ殻由来成分が植物育成促す、鳥取大が効果確認: 日本経済新聞(2019年6月20日 7:30)という記事が出てきました。鳥取大学の上中弘典准教授の研究グループが、カニ殻から生成できる極細の繊維物質キチンナノファイバー(CNF)に植物の育成を促す効果があることを確認したという内容です。
この研究が鳥取大学で行われていたというのは、カニ加工業が盛んな鳥取県ではカニ殻が大量に発生するという背景があるみたいでした。動物実験では、皮膚の傷の治癒を促したり、コラーゲンを増やしたりする効果のほか、発毛を促す効果も確認されているそうです。
すでにカニ殻を活用した肥料は市販され、カニ殻に含まれるキチンなどが土壌を改良する効果を持つとされています。上中弘典准教授らの研究では、キチンをナノファイバー化(NF化)することでより成長を促すことが判明。根の部分の遺伝子を調べたところ、CNFを加えた個体の根で窒素を取り込む機能が他の2ケースよりも大幅に向上していました。
上中准教授は「植物が窒素を取り込んで成長することは基本的な仕組みだが、CNFが植物の窒素を取り込む機能を高めることで成長を促す仕組みがわかった」と説明。より多くの活性酸素を発生させ、病気への抵抗力を高め、病気を抑制することも確認できたそうです。
【本文中でリンクした投稿】
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