迷信というのは、いつの時代にもあるものです。
人魂 Wikipediaを見てみると、「正体」というところに、「戦前の葬儀は土葬であったため、遺体から抜け出したリンが雨の日の夜に雨水と反応して光る現象は一般的であり、庶民に科学的知識が乏しかった事が人魂説を生み出したとする説もある」と書かれています。
しかし、その後に「が、人や動物の骨に含まれるリンは発光しないので該当しない」と続きます。
昔の人は科学的知識に乏しかったからと言いつつ、非科学的な説を展開する……実は現代人だって大して科学的知識を持っていないのです。
というか、私が一番だまされていました。
実を言うと、かなり最近までこの説を疑うことなく、受け入れていたのです。反省しなくちゃいけません。
ところで、ここに「発光しないリン」と書かれていますが、リンによって光ったり光らなかったりするようです。
いわゆる同素体というやつで、ダイヤモンドと鉛筆の芯の関係が有名ですが、同じ元素でできているのに結晶の構造によって別物のようになってしまうという不思議なものです。
リンにもいろいろあって……という話は確か学校でもやったはずですが、正直当時も覚えてなかったので全くわかりません。
そこで頼りになる
Wikipediaさんを見てみると、白リン、黒リン、紫リン、赤リン、紅リン、黄リン、二リンって、いっぱいあるなぁ!
多分、学校ではこんなに出てこなかったと思います。
赤リンと紅リンって微妙じゃない?と思ったら実際近いものであるようで、紅リンは微細な粒子からなる赤リンと考えられているそうです。
肝心の発光に関する記述を探します。
すると、些細な事で自然発火するのが白リン、白リンの表面が微量の赤リンの膜で覆われたものなのでやっぱり自然発火する黄リン(「きりん」じゃなくて「おうりん」)、最も安定していて空気中ではなかなか発火しない黒リン……と個性豊かなことがわかりました。
「発光する、しない」というそのものズバリの話ではありませんでしたが、人魂は結構よく見られていたようですので、自然発火しやすいものだけを考えておけば良いと思います。(ちなみに白リンの発光は緑色らしいです)
まあ、どちらにしろ骨に含まれるリンは、単体の形では存在していないでしょう。
ということで、今度はそっちの観点から調べます。
リンのおはなし サプリメントアドバイザーが話す 美容,健康,ダイエット 未来の常識というページによれば、人間の体重の1%がリンで、全ての細胞にあるそうです。
ただし、やはりその多くが骨や歯の形成に使われており、リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムという形で存在しているようです。
で、これが燃えるかというと燃えません……と言うか、骨がそうそう燃えられると困るじゃないか、よく考えようよ私という話です。(一部でこれが燃えやすいと矛盾する記述もありますが、多分そちらが間違いじゃないかと)
というか、最初のWikipediaの記述の「人や動物の骨に含まれるリンは発光しない」も同素体云々ではなくて、この話かな。また見当違いの道を歩んでいたのかもしれません。
あとは、このリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムが自然発火するかとか、ここから白リンが遊離してくるかとかですが、ここらへんについて、滅茶苦茶詳しく(そして長く)書いているページがありました。
最初からそれ見ておけよという話ですが、それについては
人魂=骨のリンの可能性に続きます。
関連
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人魂=骨のリンの可能性 ■
人魂=リン説の経緯 ■
人魂の種類 ■
その他の超常現象について書いた記事
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