Appendix

広告

Entries

高血圧の基準が変わった!新基準報道で日本人間ドック学会が謝罪


 タイトル見てトンデモ系かな?と警戒しつつ読んだお年寄りの浴槽での水死 降圧剤が引き起こすリスク存在する- NEWSポストセブン(2014年8月30日07時00分)ですが、内容はひと目でトンデモとわかるという感じではありませんでした。

 記事自体は「血圧147」で薬は飲むなの宣伝で、書籍タイトルも危うさを感じるものです。


 ただ、この本の作者の大櫛陽一東海大学医学部名誉教授が勝手に言っている…というものでもなさそうな話なのです。この春、「日本人間ドック学会」が発表した新たな健康基準というのが根拠のようです。

 この日本人間ドック学会の新基準が波紋を呼んだのは、"血圧、コレステロール、中性脂肪などで従来の健康診断やメタボ健診(特定健診・特定保健指導)で「異常」とされた数値が「正常」とされていたから"です。

 "2004年、私たちの研究チームは全国約70万人の健診結果から明らかになった日本初の「男女別・年齢別の基準範囲」を発表しており、今回の結果と非常に近"いものだと大櫛陽一名誉教授は言っていますし、"欧米の基準とも合致して"いるとのこと。

 また、降圧剤のリスクが日本では軽視されているという話もあります。重力に逆らって「脳」に血流を送り込むには高い血圧が必要であり、"医学的見地からいっても、「加齢にともなって血圧が上がる」のはむしろ正常なこと"という話もありました。


 ただ、一方でやはり危うさも感じます。たとえば、"降圧剤で少し前までよく使われていた「Ca拮抗剤」の無作為化試験では、20以上血圧を下げたグループは、少しだけ下げたグループと比較して、死亡率が1.4倍あがった"という話。これは逆に言えば、今は使うことをやめた降圧剤なのですから、問題ないともに見えます。古い情報を元に過剰に悪く見せるアンフェアさを感じる書き方です。

 また、アマゾンの「血圧147」で薬は飲むなのレビューで、「医学にも利権はあるから、患者が賢くなることは大切」としているところも危うさを感じます。一つは「利権が~」というところを強調しすぎること自体が、危ないという問題があります。医学からはなれて、思想信条の問題になりかねません。

 もう一つ、私が一番心配するのが、医者と患者との関係の悪化です。"従来の健康基準を決めてきた日本高血圧学会や日本動脈硬化学会など"は、人間ドック学会の発表を「日本国民の健康に悪影響を及ぼしかねない危険なもの」(日本動脈硬化学会4月23日)と厳しく批判していたと先の記事にありました。新基準を採用しない医者も多いのです。

 この血圧の新基準は医学会では大いに議論されるべきだとは思うものの、患者がこの本を片手に医者とバトルするようなことは危険でしょう。本当に必要な医療まで受けなくなるおそれがあります。高血圧だけに限らず、広い意味での医療拒否に繋がる可能性もあります。

 実はうちで何度も書いている降圧剤ディオバンの問題では、医療関係者から「降圧剤なんて飲まなくていいものだ」というメールも来ていました。私は実際に無駄なケースもあるかもしれないと思ったものの、この情報を下手に広めることで本当に必要とされる患者が服用をやめてしまうおそれがありましたので、良くないと感じました。患者が薬の要不要を自分で判断するというのは、危険が伴います。


 実は私が心配した医者と患者のバトルは既に見られているようで、検索して治療も薬もやめたい…「血圧147正常」で混乱する医療現場 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版(更新 2014/6/ 5 07:00) という記事を見つけました。

 ここで取材した医師は「『自分は上が147以下だから治療をやめたい』と言う高血圧の患者さんが今日も診察に来ました。高血圧に伴う脳梗塞もある方です。あなたは治療しないと危ないと言ってどうにか納得してもらいましたが、数値が独り歩きしていて、非常に危ない状況です」と言っていました。まさに心配したケースです。

 日本高血圧学会などの人間ドック学会への批判は先の記事だと利権のせいという医学的な話ではなく、思想信条・政治的な話になっており危ういと思いましたが、こちらを読んでみると全然そういう構図になっていません。

 なんと人間ドック学会も"「今すぐ学会判定基準を変更するものではない」「『健康』とされる範囲を緩和した新基準を発表したかのような一部報道は事実誤認」とホームページで表明"していたのだそうです。"騒動の火消しに追われ"てたいへんだったみたいですね。つまり、「正常の範囲が広がった」という理解は間違いだったというのです。

 東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌医師も、「正常範囲が広がったと理解するのは正解ではない」と指摘していました。桑島医師が言うには、「人間ドック学会の数値は、現時点で健康と考えられている人の血圧の分布範囲」であり、「将来、脳卒中や心筋梗塞を発症する可能性には言及して」いないものだと解説しています。

 一方、「高血圧学会の基準値は、脳卒中や心筋梗塞を予防するうえで、どのレベル以上だと危険かということを示した数値」なのだそう。高血圧学会の基準値は予防が目的だということです。


 うーん、やっぱりトンデモだったんですかね? こちらの記事でも嘘があるかも…と人間ドック学会のオフィシャルを覗いてみると、2014/8/25付で「基準範囲」についての追加のご説明(PDF)というのが出ていました。

 こちらでは4月の"中間報告後、大変残念ながら「基準範囲」の正しい意味が全く理解されないまま、あたかも健診判断値が緩和とか、正常範囲の数値が変わるとか一部マスコミに報道されたことは大変残念でございました"とした上で、患者や医師にも謝罪していました。やはり基準緩和は間違いだったといった書き方です。

 説明によると既に日本医師会・日本医学会に出向き、「基準範囲」の意味を説明して理解を得たとしていましたが、今回示した「基準範囲」というのは、健康人かどうかの「検査値を判断する一種の物差し」だとしています。しかし、「これは病気の診断やリスクの評価、さらには治療の目標のために作成されたものではありません」と断言しています。

 このような診断などに用いられるのは、従来通り「各専門学会がガイドライン等」だそうです。人間ドック学会の「基準範囲」と従来の「臨床判断値」は"設定方法や定義が全く異なりますので、医学的に全く違う指標であり、日常診療での使用意義は全く異なる"とのこと。

 ネタ元の人間ドック学会がこの認識なんですから、「血圧147」で薬は飲むなよりこちらを重視すべきでしょうね。


 関連
  ■はなちゃんのみそ汁 がんの代替医療で死を早めたというやるせない話
  ■アメリカ人が信じる「エイズの原因はHIVウイルスではない」 エイズ否認主義の魅力
  ■イレッサ訴訟と浜六郎 副作用のミスリードと「薬害ゴロ」批判
  ■アメリカ人が信じる陰謀論 携帯電話でがん,代替医療を圧力で禁止など
  ■正露丸の効能・木クレオソートで下痢を改善 効かないときは?
  ■医療・病気・身体についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?
歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など
日本で馴染みのある韓国系企業一覧
国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
橋下徹大阪市長の出自 同和地区(被差別部落)と父・叔父と暴力団
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなど
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など
楽天Edyはコンビニの公共料金の支払い(収納代行)に使える?
楽天Edyの使えるコンビニ・使えないコンビニ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
のれん代とのれん代の償却のわかりやすい説明
消滅可能性都市ランキングと一覧 1800市区町村中896自治体が危機
カルシウムの多い食材ランキングベスト20 牛乳以外に取れる食品
堀越二郎の妻は死んでないし菜穂子でもない モデルは堀辰雄の婚約者矢野綾子
創価学会、会長候補の正木正明氏左遷で谷川佳樹氏重用の理由は?
インチキで効果なし、活性水素水詐欺 誇大広告であるとして排除命令が出た商品も
高カロリー食品ランキングベスト20(100グラムあたり)
EPA、DHA(オメガ3脂肪酸)の魚油サプリ 効果なしどころか危険という説
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるのは、使い切って満充電?継ぎ足し充電?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由