「人魂の正体はリン」は嘘の続きです。
昨日書いた長い説明というのは、
人魂の正体はリン(P)?? | OKWaveですが、長いだけでなく話も難しいです。
質問者は私と同じく「墓場で人魂があらわれるのは、死体に含まれるリンが自然発火しているからだという話を昔から信じて」いたものの、「人間の体には主にリン酸カルシウムという物質が骨に存在しているのであって、その物質はすでに酸化しているためそれ以上酸化することはない」「自然発火するのは猛毒である黄リン(白リン)だけ」と知って、戸惑いを覚えます。
そして、「もしかしたら人間が死ぬとリン酸カルシウムは黄リンに変化するのかもしれないし、死体が腐乱すると黄リンが自然に発生するものなのかもしれない」などと考えて、とにかく情報をくださいと言っています。
それに対し、Charlie24という方が、2度にわたって詳しく回答を寄せてくれています。
これを専門用語に注釈を加えながら整理すると、
リン酸を分解してリンにするには、Ca3(PO4)2 (リン酸カルシウム)かららP(リン)だけを取り出す必要がある。
↓
しかし、リン酸は安定な物質であり、逆にリンは不安定。(自然発火するというのは、そもそも不安定だからです)
↓
仮にリンを単体で取り出せても、すぐに酸化するのではないか?
↓
ただ「腐敗」と言うくらいだから、土中は酸素が少ない状態のはず。
↓
嫌気性消化する微生物(増殖に酸素を必要としない微生物)で、リン酸を分解してリンにするものがいれば可能かも。
という感じです。
ただ、結局リンができても酸化しやすいのですから、少しでも空気に触れれば酸化してしまいます。
空中でふわふわ浮くより先に、酸化してしまいそうです。
で、よくよく考えると、人魂ってのは浮いているわけで、これがそもそもおかしいですよね。
そこらへんは目の錯覚で済ませて、「本当は地面で燃えているよ」でいいのでしょうか。
あと、この方はリン酸カルシウムはそれ以上燃えないものなのか?いう話もされていて、
燃える=酸化する
↓
リン酸カルシウム(リン酸も)の酸化数は+5で、リンの酸化数は+5が最大値。
↓
よって、これ以上酸化されない=燃えない
とのことです。
すると、火葬された「焼骨」はバラバラになっていますが、あれは燃えているのではなく、単にバラバラになっただけなんでしょうか?
探してみると「骨を炭化する」という用例があり、これも調べたのですが、「炭化」が科学用語の「炭化(かいか)」である場合、「試料を加熱して有機化合物を焼き飛ばし、無機化合物にすること」(
サイバーユニバーシティ「鷹山」より)という意味のようですが、正直よくわかんないです。
最後は話が逸れましたが、とにかく人魂=リン説は、かなり難しそうなことがわかりました。
また、微生物に関して言うと、
狐火 Wikipedia(これも火の玉)に記載がありました。
狐火は一般に死骸がバクテリアに分解される際、リン化合物が光って狐火になる現象だったのではないかと言われているものの、根拠はないし、なぜバクテリアが減少する冬によく発生するのか説明がつきにくいそうです。
しかし、狐火がよく出た年は豊作であるという言い伝え(宮城地方)などは、化学肥料がなかった時代、動物の死骸の数と米の収穫量の関係からこの説を支持するものだとありました。
また、狐火がキツネと関係しているというのは、キツネが死肉もあさるということや、木の根付近に食べ残しを地中に埋めて忘れる習性から考えて不思議ではないともありました。
でも、結局微生物の問題がクリアできないと苦しい気がします。
死骸を分解する微生物ですから役に立ちそうですし、誰か詳しく調べないかなぁと思います。
次は、
人魂=リン説の経緯についてです。
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「人魂の正体はリン」は嘘 ■
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