2014/9/5:
寂しい老人が喜んでるんだから悪徳商法って言うな!
史上最大の悪徳商法・詐欺事件も寂しい老人狙いだった
豊田商事会長を刺殺した犯人に温情判決が出るほどひどかった
豊田商事事件の高齢者詐欺・悪徳商法の手口
今でも通用する豊田商事事件の先見性
●寂しい老人が喜んでるんだから悪徳商法って言うな!
2014/9/5:
「商品がありません」は禁句 ダイシン百貨店は住民を100%顧客にをやったときに、以下のようなエピソードが出てきました。
"20万円のコートを購入したおばあちゃん。だが、少しすると、「なんか私には似合わない」といって、店員にあげてしまった。そのコートを着ている店員を発見して、上司が「どうして君が着ているんだ!」と驚いたという。「おばあちゃんは店員にプレゼントをしたかったのだろう」(ダイシン百貨店幹部)。いつも、世間話に笑顔で付き合ってくれる店員に、何かお礼がしたかったに違いない。だけど、あからさまに「はい、これプレゼント」とは言えない。そこで、自分用に買っておいて、あとで「似合わない」といって、さりげなく渡した"
(
おばあちゃんを魅惑する店~ダイシン百貨店(上):日経ビジネスオンライン 内藤 耕 2011年3月8日(火)より)
元ネタではこれをダイシン百貨店の親身な接客の素晴らしさを示す美談として紹介していました。しかし、私はむしろ良くないことだと眉をひそめました。ダイシン百貨店の試みは素晴らしいことばかりだったのですが、上記エピソードの場合は一線を越えてしまうと詐欺・悪徳商法になりかねないためです。
実際、ある企業への悪徳商法批判に対して、「さみしい老人が癒されて、強制されたわけでもないのに買うわけだから、良いじゃないか」といった反論があったそうです。
(
"ほっと居場所・町づくり 2013-11-11 21:39"より)
悪徳商法に騙されても本人は満足ってことがあります。この反論で許されてしまうというのは、非常に危ないと思います。
●史上最大の悪徳商法・詐欺事件も寂しい老人狙いだった
実はそちらでは、以下のような例も出されていました。
覚えておられる方もあるかもしれないが、
豊田商事の悪徳商法。
[豊田商事が目をつけたのは独居 老人だった。
年金暮らしの独居老人の家にセールスマンを送り込み、
話し相手をさせたり 、生活の世話を焼いたりしていた、、、]
そして先物取引へと導く。
それは悪徳商法として取り締まられている。
これは…! よく似ていますね。
Wikipediaによると、豊田商事事件(とよたしょうじじけん)は、豊田商事による金の地金を用いた悪徳商法(現物まがい商法)を手口とする組織的詐欺事件。高齢者を中心に数万人が被害に遭い、被害総額は2000億円近くと見積もられ、2009年現在詐欺事件としては最大の被害額だそうです。
●豊田商事会長を刺殺した犯人に温情判決が出るほどひどかった
豊田商事事件と言うと、豊田商事会長刺殺事件が有名で、2ちゃんねるのテレビの衝撃映像スレでは、毎度のように出てきてます。
Wikipediaでは、"強引な勧誘によって契約させられた挙句に老後の蓄えを失った被害者も多く、会長の永野一男がマスコミの前で惨殺されたり、その犯人に対して本事件を考慮した温情判決も出されるなど、大きな社会問題となった"とありました。温情判決だったんですね。これは知りませんでした。
1985年6月18日、大阪市北区にあった永野一男豊田商事会長の自宅マンションの玄関前に「今日逮捕」との情報を聞きつけてマスコミ取材班が集まっていた。
午後4時30分過ぎ、被害者の元上司に当たる自称右翼の男2人が永野の部屋の前に姿を現した。2人は張り込んでいたガードマンに「永野に会わせろ」と要求。連絡を取るためにガードマンが階下に下りた後、2人は元部下の被害者6人から「もう金はええ、永野をぶっ殺してくれ」と頼まれたと報道陣に語った。
そして窓の格子を蹴破り、窓ガラスを破って侵入、永野の頭部など全身13箇所を銃剣で刺した。当時永野の住んでいた部屋のドアの前などには大勢のマスコミがいたが、誰も止めようとはしなかった。永野は直ちに病院へ運ばれたが、腹部を刺されたのが致命傷となり、出血多量により約45分後の午後5時15分に息を引き取った。この時の永野の所持金はわずか711円だった。部屋から出た犯人らは、「警察を呼べ。俺が犯人や」と報道陣に語り、マンションから出たところで逮捕された。また、逮捕直前にかけつけた警察に対しマスコミが「(犯人を)早く逮捕せいや」などと強い口調で言ったため犯人が激高しマスコミに襲い掛かるという一面もあった。
Wikipedia
●豊田商事事件の高齢者詐欺・悪徳商法の手口
豊田商事事件のWikipediaに戻って、その手口についてです。
"客は金の地金を購入する契約を結ぶが、現物は客に引き渡さずに会社が預かり「純金ファミリー契約証券」という証券を代金と引き替えに渡す形式を取った。このため客は現物を購入するのか確認できず、実態は証券という名目の紙切れしか手許に残らない現物まがい商法(ペーパー商法)と言われるものであった。豊田商事の営業拠点には金の延べ棒がこれ見よがしに積まれていたが、後の捜査によってそれは「ニセモノ」であったことが明らかになっている"
私が気にしている高齢者に関する説明はこの後に出てきます。やはり現在の悪徳商法に通じるものを感じました。
"また勧誘においては
主に独居老人が狙われたのも特徴だった。まず電話セールスで無差別に勧誘し、脈ありと判断すると相手の家を訪問する。家に上がると
線香をあげたり身辺の世話をしたり「息子だと思ってくれ」と言って人情に訴えるなど、徹底的に相手につけ込み、挙句の果てにインチキな契約を結ばせていった"
老人が騙されているケースでは家族がそれを指摘しても「騙されていない」と頑張ることが多いです。「あんな良い人なんだから」というわけですね。
一方、悪徳企業を擁護する人は、信用されないような扱いをしている家族が悪いとか、息子のように接してくれることに対する対価だから良いとか言ってしまいます。詐欺の片棒をかついでいるようなものです。
●今でも通用する豊田商事事件の先見性
私が一番興味あった部分は以上だったですけど、豊田商事事件の他の話も載せておきます。
客を信用させる為、知名度がある企業とブランド名を悪用したりテレビCMを多数放映したほか、主催イベントで芸能人を起用している。そもそも「豊田商事」という社名自体、トヨタ自動車の系列と錯覚させるためにつけられたものであった。トヨタを盗用した理由は、会長の永野一男が中学校を卒業後、最初の就職先がトヨタ自動車のグループ企業である日本電装(現デンソー)だったためと言われている(豊田商事とは全く無関係)。これ以前よりトヨタグループの総合商社として豊田通商がすでに存在しているが、「豊田商事」と名前が似てしまったばかりに風評被害に見舞われた。
同様に鹿島商事(後述)も鹿島建設の系列企業であるかのように装っているほか、ベルギーダイヤモンド(後述)は国内で仕入れた二束三文のダイヤモンドしか扱わないにも拘らず、ベルギー大使館が新規開設のダイヤモンド販売業者に対し、業者側から申し入れがあった場合に礼儀的に発行される挨拶文を掲載するといった手法も使われていた。これらの手口は2000年代の詐欺や悪徳商法、セクトでも模倣されているケースがある。
悪徳商法のテレビコマーシャル利用は今でもありますね。擁護者が言うには、厳格な審査を通っているので信頼性のない会社は、CMを放映できないんだそうな…。コマーシャル流している企業の不祥事なんかいくらでもあるんですけどね。
ということで、豊田商事事件の詐欺は、今でも通用する先見性のあるやり方でした。参考になりますね。
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