妊婦は太るけど、妊娠中ダイエットすると太りやすい子供が生まれる?というのをやりましたが、より深刻そうな話がありました。
「小さく生んで大きく育てよ」は間違い:日経ビジネスオンライン 中室 牧子 2014年7月28日(月)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20140724/269179/?n_cid=nbpnbo_mlt 「小さく生んで大きく育てよ」はビジネスとしてしか聞いたことがなかった言葉ですが、日本では長い間、出産においてもそう言われてきたそうです。赤ちゃんは低体重の方が良いって話ですね。
なぜこういう「信仰」が生まれたのか?と言うと、"出生児の体重が軽いほうが安産になりやすいため、帝王切開の技術が十分に発達していなかった時代に、妊産婦が出産によって死亡するリスクを低下させるため"としていました。
しかし、"現代の妊産婦死亡率は、10万人中3.8人(厚生労働省、2011年)と低く"、妊婦の危険性について神経をすり減らす必要はなくなりました。
一方で、「出生児の低体重がもたらすリスク」の方が問題になってきているようです。
作者の言うリスクというのは、死の危険性が高まるということではないようです。ただ、子供の人生を考えると、非情に重要なことです。多くの研究において、"低体重で生まれると、その後の成績が振るわない"ということがわかっているのです。
たとえば、"小原准教授・大竹教授の分析では、厚生労働省の「人口動態統計」と文部科学省の「全国学力・学習状況調査」の都道府県別集計データを用いて、両者の間に負の相関関係があることを見出している"というのがあります。
ただ、"子どもが胎内にいるときに、自身の栄養・健康状態に気を配るような母親は、おそらく子どもが生まれた後に子どもの成績に関心の強い母親である可能性が高い"ということで、これだけでは「因果関係」だとは言い切れません。そこで、"一卵性双生児のデータを用いて、出生体重だけは異なっているが、ほかは大体同じであるという2人組のその後の人生を比較"した研究を見てみます。
これらの研究は、米国、英国、ノルウェー、カナダ、オーストラリアなど海外のデータを用いたものである"そうです。そして、その"いずれも、低出生体重の影響は、乳児死亡率などの短期的な影響にとどまらず、人生のかなり長期にわたって成績、学歴、賃金にまで影響することを明らか"だったとのこと。
ただし、作者の中室牧子さんが行った日本での研究はそこまで差がなく、"私立中学へ行く確率や中学校における成績"程度までで、"海外のように学歴や卒業後の賃金にまでは影響してい"ませんでした。
この低出生体重児は、これだけ「豊か」と言われている日本において、むしろ増加しているという不思議な傾向を辿っているようです。
"厚生労働省の「出生に関する統計」によると、低出生体重児(出生体重が2500g未満)の占める割合は1975年以降増加の一途を辿っており、直近の2009年では新生児の8.3%に達している"とのこと。
この低出生体重児の原因は、"近年の医学研究は、胎内での低栄養を主因として挙げている"としていました。これは「親自身の貧困」以外に、"20-30歳代女性はやせ型志向でBMIは低く、自ら望んで栄養摂取量が十分でないことを指摘する向きも"あります。ダイエットですね。
日本では海外ほど影響が見られなかったということなので、何か拍子抜けしちゃいました。しかし、妊娠中にインフルエンザなどの病気をした場合には、より顕著に学歴や所得などに負の影響があるそうです。
親の低栄養・低体重では、病気にかかりやすくなるというリスクの方を心配した方が良いかもしれません。
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