ビジネスジャーナルの話なんで非常に怪しいのですが、
セブン、サントリー新浪社長就任で取引見直し検討か 他ビールが営業攻勢、業績に悪影響も- Business Journal(2014年9月6日01時00分)という記事が出ていました。"大口仕入れ先であるサントリーとの契約見直しを求める声すら上がっているという"、""セブン内部では「サントリーは信用できない」と同社製品の扱いの見直しを求める声が数多く出ているという"といった書き方をしていますが、要するにサントリーからの仕入れを減らすぞ…という話なんでしょうね。
もともとサントリーとセブン-イレブンは仲が悪かったわけではないと思います。たとえば、サントリーの「セブンゴールド 金のビール」はその名の通り、セブン-イレブンなどで売っているビールであるだけでなく、"セブン&アイとサントリーが共同開発"したものだそうです。(
2014.4.4 ニュースリリース サントリーより)
これ以外にもサントリーはセブン-イレブンの専用商品を開発しています。仲が悪かったわけではないどころか、むしろ親密と言ってしまっても良さそうな感じにすら見えました。
ところが、サントリーの佐治信忠社長兼会長は、次期社長にセブン-イレブンのライバルであるローソンの新浪剛史前会長を持ってきました。これだけでも他のコンビニ店に対して気遣いのない人事だと言えます。「昨日までの商売敵(ローソン)がトップを務める企業と急に仲良く商売しろといわれても無理」(セブン-イレブン幹部)というわけです。
しかも、ビジネスジャーナルによれば、セブン-イレブンとローソンは単なる競合相手ではありませんでした。ローソンの新浪剛史前会長は、ことあるごとに激しくセブン-イレブンを攻撃していたらしいのです。"新浪氏はセブンについて『経営が独善的』などと強い表現を使い、鈴木会長の経営姿勢を厳しく批判してきた"と記事にはありました。
一方、セブン-イレブンもローソン&新浪剛史前会長が大嫌いだったそうです。セブン&アイ・ホールディングスを率いる鈴木敏文会長らは、新浪前会長の発言を「マスコミ向けに自分が目立つために相手を批判するというパフォーマンスと受け止め、苦々しく思ってきた」(セブン関係者)そうです。
セブン-イレブンの新浪前会長憎しエピソードはサントリー社長内定後にもあります。業界関係者の証言では、「新浪氏はサントリー社長に内定した直後に『御挨拶にうかがいたい』とセブンの鈴木会長に面会を申し入れてきたが、断られた」とのこと。また、表向きは「他社のトップ人事に関するコメントは差し控えたい」と言いつつ、鈴木敏文会長は「世間受けを狙ったサプライズ人事には我慢がならない」と強い不満を周囲に漏らしているという話もありました。
最初に書いたように、これらの話はビジネスジャーナルのものなんでどこまで本当かわかりませんが、サントリーの佐治信忠現社長に思いやりがなかった…というところは確かに感じる人事です。そういえば、この記事が流れてすぐのときのインタビューでもこの問題にも触れていた記憶がありますが、楽観的すぎ…もっと悪く言えば考えなしだった、人の心がわかなかったなどとも言えそうです。
何て言っていたっけ?と読んだ記事を見直したら、以下でしたわ。
「彼を待っていた」サントリー佐治社長を直撃 | 企業戦略 | 東洋経済オンライン 田嶌 ななみ :東洋経済 編集局記者 2014年06月24日
――他の大手流通との取引に影響は出ないか。
あまり考えていない。そんなにないのでは。仕事が始まれば、サントリーの社長として出ていかれるわけですから。
温めて読み直すと、笑ってしまいます。本当に何にも考えていなかった感じ…。まあ、これを当時読んだ私もツッコまなかったんです(と思います。ブログでは取り上げていません)から、あまり佐治社長のことを言えないんですが…。
また、同時にセブン-イレブン側、鈴木敏文会長側にも意地の悪さを感じます。佐治社長も楽観的すぎましたが、ここまでセブン-イレブンが激しい憎悪を抱えていて、それをビジネスの場まで持ち込んでくる…というのは、予想外だったかもしれません。
さらに新浪剛史前会長も他人の悪口ばっか…ということで、何か三者三様にダメでがっかりする話でした。
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