●少年野球などの盗塁禁止に賛成?反対?…賛成者が多い理由
2021/07/28:<少年野球は盗塁禁止に」という声が出る背景事情>(7/27(火) 11:01配信 東洋経済オンライン 広尾 晃 :ライター)という記事。冒頭だけ読んで先に反応を見たら、意外なことにコメント欄でも賛成者が多くて驚きました。てっきりルール改正論で多い「なんでもかんでも禁止すればいいってもんじゃない」って声が大きいと思ったんですよね。
これは記事の作者が書いていた、なぜ少年野球では盗塁禁止にすべきなのか?という主張に説得力を感じる人が多かったためでしょう。作者によると、まず、試合前の練習ですぐにチームの強さがわかるとのこと。弱いチームは練習段階でキャッチミスが多く、この守備の弱さがそのまま試合に出るため。そして、この守備の悪さのために、野球が「盗塁ゲーム」と化してしまうのです。
<試合が始まると、強いチームはすぐに出塁する。出塁すると、走者は監督の「いけ!」の指示でどんどん走る。捕手は二塁に送球するが、アウトになることはない。それどころか二塁手が後逸して走者がそのまま帰ってくることもある。
(中略)監督は塁さえ空いていれば「走れ」と指示をする。足でかき回せば野手陣はさらに浮足立つ。強いチームはこういう感じで初回から大量点を上げ、早々にコールド勝ちを狙うのだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/79f5f773722dcd395a77fd5285a2ac1e1ad940ee
●盗塁しまくって弱いチームをいたぶる日本…海外から抗議も
盗塁は野球のプレイの中のひとつだけど、盗塁だらけのスポーツになってしまうともう別のスポーツのようになっていて、野球の魅力が薄れそうな感じ。そういう意味で理解できたのですが、記事ではその後弱いチームがかわいそう…みたいな話になっていてあまり賛同できず。ただ、これも結局、野球人口の減少に繋がるという意味からの問題意識ですので、そこは理解できます。
<昔からこういうシーンはよく見られた。スポーツは強いチームが勝つのだから当たり前のように思うかもしれないが、それにしても弱いほうのチームの子はたまらないだろうなと思う。延々と守りの時間が続いて、攻撃の時間はあっという間に終わる。そして試合もあっという間に終わる。
日本の少年野球指導者は永年、こういう野球をしてきた。弱いチームとみると、とにかく走って撹乱し、エラーを誘う。きついヤジも平気で飛ばす。そういう形で、早々に勝負を決してきたのだ>
本来なら実力差の近いチーム同志を対戦させる工夫があって良いでしょうね。ただ、少年野球チームの減少とともに、実力格差も目立つようになり、こうしたワンサイドゲームが増えているという問題があるとのこと。また、こうした戦い方は日本のお家芸で、海外の弱小国相手にも行っているとされていました。日本は勝利至上主義とも説明されています。
<実は、日本の少年野球は国際大会でもこういう試合をしてきた。(中略)国際大会では「球数制限」がある。攻撃が延々と続けば、相手チームは投手を交代せざるをえなくなる。早々にコールド勝ちをするのだが、しばしば日本の監督は相手チームの監督から抗議される>
●勝つためなら何でも…意外に日本人は勝利至上主義で卑怯?
大量得点したチームが盗塁やバントをすることは、MLBなど世界の野球では「マナー違反」「好ましくない」とされるが、日本では「大差でリードしていても攻撃の手を緩めないのは立派だ」と評する人さえいるとのこと。これは、
プロ野球やメジャーの暗黙のルール・マナー 盗塁禁止などと関係する話。私は「マナー違反」というのには、納得しづらいんですけどね。
ただ、前述の通り、作者は少年野球人口減少を危惧。悪いイメージが浸透していると分析しています。「試合を楽しむ」姿勢が大切とも言っており、これが日本に足りないという意見には賛成。話がそれますが、日本の勝利至上主義が、他の国では少ない体罰を横行させていると見る識者もいます。イメージとは逆に、日本人の方が勝利至上主義なのは間違いのかもしれません。
<スポーツマンシップの考え方では、相手チームの選手は「敵」ではなく、ともにスポーツをする「仲間」であって、勝敗以前に「互いに力を出しあってプレーできる」ようにすることが重要だ。実力差がある場合でも、姑息な手を使って相手をけちらすのではなく、互いに尊敬の念をもって「試合を楽しむ」姿勢が大切だ>
●小学生が盗塁を防ぐのはほぼ無理でほとんどが成功してしまう
前橋中央硬式野球倶楽部で小中学生を指導している春原太一理事長は「大抵の小学生は盗塁を刺すのは至難の業で、よほどの鈍足でなければフリーパス状態です。当然勝利にこだわるチームほど、節操なく盗塁をしてきます。 四球⇒二盗⇒三盗⇒パスボール等のエラーで失点という無限ループもよく見受けられます」としていました。
上記は今までの話の再確認でよりわかりやすい説明です。同様にこれまでの主張を補足する「うちでは、あまりにも大きな得点差で勝っている場合は走らないように指示しています。相手への敬意を理解させる必要があり、相手にまた試合したいと思ってもらえるようなチームにならなければならないからです」という話もありました。
さらに、「私は小学生の盗塁はなしにすべきだと思います。1つは捕手のひじへの負担が大きいからです。まだ骨が成長している時期の子どもに無理に二塁送球をさせるとOCD(離断性骨軟骨炎)などを発症する可能性が高まることが明らかになっています」という説得力が高い理由も登場。怪我の問題なので、事実なら一番これが大事ですね。
一方で「何が悪いんだ、盗塁は野球のルールのうちなんだから。勝てば子どもはうれしいし、親だって喜んでくれるし」という指導者もいるとのこと。これも勝利至上主義の再確認的な話です。よく言われる日本人の国民性とは全く正反対の話でショッキングなのですけど、前述の通り、海外から見ると日本の野球は変わっているみたいですね。
●コメント欄では賛成多数「楽しくないスポーツは寂れていく」
記事は大体以上のような話。私としては、賛成できない部分もあったのですが、最初に書いたようにヤフーニュースのコメント欄では賛成が多かったんですよ。以下は上位3つのコメントであり、すべて盗塁禁止に賛成しています。これなら少年野球の盗塁禁止がすんなり決まりそうなものですが、一方で反対する指導者も多いそうですから、今後どうなるかはわからないと思われます。
<走る方と刺す方の力が拮抗してるからこそ盗塁は面白いのであって、
子供時分では刺す側が力量的に不利なのは明白だから、そこは考えましょうよ。
ということでしょ。まったく問題ないと思うで。
大人のルールをそのまま適用するのではなくて
子供に合わせた戦い方があってもええと思うわ>
<少年スポーツの場合は大人の場合に比べ、制限があるのは当たり前。
野球で言えば、高校野球でも球数制限が必要だと言う意見も多いし、小学校では変化球を禁止をしている。盗塁禁止もあっても良いのでは。素人が参加して楽しくないスポーツは寂れていく>
<小学生用のルールとして整備するのであればいいと思います。成長途中の体への影響もあるという点では変化球も禁止されていますし筋は通るのではないでしょうか。
確かにミスを誘うのもプレイの一つなのだが、身体も脳も成長過程であれば、大人と同じ基準にはならないだろうし、エラーがなくとも走る側が有利であればゲームバランスも崩れてくるし、ルールで調整してもいいと思う>
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