最近取り上げることの多いリテラ。朝日新聞批判一色の中で空気を読まずに暴れているんで目立っているんですよね。今回の記事は、
朝日誤報問題は目くらましだ!マスコミが隠す吉田調書の恐ろしい本質|LITERA/リテラ(2014.09.02 伊勢崎馨)です。
これは朝日新聞が吉田調書の誤報を認める前で、これも擁護しているのかな?と最初思いました。しかし、
"吉田所長は「線量が低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言った」が、その指示がうまく伝わらなかったため9割の所員が第二原発に退避した、「よく考えれば、2F(第二原発)に行った方がはるかに正しいと思った」と語っていたとして、朝日新聞の報道は事実を歪めていると指摘したのだ"
といった産経新聞や読売新聞の指摘に対して、"たしかに朝日の記事は証言をつぎはぎして意図的に別の結論に誘導しようとする明らかなミスリードだった"としていました。しかも、朝日新聞のこの報道には以下のような背景があったのでは?としています。
「朝日のネタ元は事故当時の民主党政権幹部ではないかといわれ、細野豪志・元原子力防災担当大臣などの名前があがっている。原発事故の対応をめぐっては菅直人元首相や民主党関係者が語った『東京電力が全面撤退を言い出した』という証言の真偽が論争になっており、朝日はネタ元の民主サイドの主張を裏付けるために、無理矢理、吉田証言を切り貼りしてこじつけようとしたのではないか」(全国紙社会部記者)
出どころが細野豪志・元原子力防災担当大臣ってのはどうかな?と思います。
吉田昌郎所長・吉田調書 死んだと思った、イメージは東日本壊滅で書いたように、吉田調書の詳報を読むと、細野議員が「東電が全面撤退した」という理解をしていたようには見えませんでした。ただ、細野議員以外の民主党の誰かがゲスなことをやったのでは?という疑いはそのまま残ります。
前述の部分は朝日新聞に批判的だったわけですが、リテラが本領を発揮するのはこの後です。"政治的なふるまいをしているのは、朝日を追及している産経、読売も同じなのだ"と言っています。
「産経、読売に吉田調書を流したのは官邸です。(中略)官邸は今、本気で朝日を潰しにかかっている。官邸がこの吉田調書を本人の非公開の意志があったにもかかわらず公開にしたのは、5月に朝日の例の誤報があって、本物を出せば、民主党と朝日潰しの材料にできると考えたからです。そして、自分たちに近い産経と読売に前打ちさせた。産経のネタ元は菅義官房長官、読売のネタ元は今井尚哉首相秘書官だといわれています。とくに今井秘書官と読売の関係は有名で、TPP交渉はじめこのところの官邸がらみの重要なニュースは今井秘書官のリークでことごとく読売がスクープしている」
最初に安倍晋三議員が首相になったときは、産経新聞ばっかり優遇してそっぽを向かれたって噂を聞いたことがあるんですが、今回は読売新聞もうまく味方に引き入れているんですね。
記事ではさらに読売新聞の誤報も指摘しています。ああ、あれって読売新聞だったのか!という話。
読売新聞は事故後しばらくたった2011年5月、一面トップで当時の菅首相が「海水注入中断」を命じ、「震災翌日、55分間」に中断があったと報道しているが、吉田調書では海水注入を止めてきたのは「(東電の)武黒フェロー」であり、しかも、吉田所長は中断をせずに海水注入を続けたと証言していた。読売も完全に誤報をおかしていたわけだが、こちらの方は菅元首相がブログでひとり騒いでいるだけでまったく問題になっていない。読売、産経、官邸連合軍によって、明らかに朝日だけが狙い撃ちされているのだ。
ただ、これは「中断があった」と判断したのは、吉田所長にうまく騙されていたからです。武黒フェローが命じたのも間違いありませんが、武黒フェローに官邸の誰かが命じたという可能性も依然としてありますので、誤報でない可能性は残しています。菅首相叩きがしたくって、早まったのかな?という印象は受けますけどね。
それから、記事の核心となっているのは、吉田調書で「われわれのイメージは東日本壊滅。本当に死んだと思った」といった危機的な状況に陥ったことを重視して報じなかった、産経新聞や読売新聞を責める内容です。
せっかくいち早く吉田調書を手に入れたのに、"読売や産経は朝日新聞誤報と菅首相の対応のまずさだけを書きたてるばかりで、このもっとも重要な部分をほとんど報じなかった"という批判です。記事の最初にも"どちらの記事もメインにしているのは事故の深刻さや東京電力本社の対応の問題点ではなく、朝日報道への批判だった"とあります。
"読売は吉田所長が「東日本壊滅」を覚悟した部分の記述は一切なし、産経も第一報の9日後に、連載の最終回で触れただけだった"という惨状だったようです。
これは確かにひどい話です。安倍政権にしても、産経新聞にしても、読売新聞にしても、朝日新聞や民主党を叩きたいだけで、それ以外はどうでもいいというのが伝わってきます。彼らにとっては、吉田調書というのは、政治的な争いの道具でしかないのです。
しかし、リテラは書いていなかったものの、この内容は結局
そのまま朝日新聞や民主党にも言えるんじゃないでしょうか? 一番最初に朝日新聞は吉田調書を手に入れていたのに、大々的に書いたのが「所長命令に違反 原発撤退」だったんですから…。
ということで、結局、結論としては、朝日新聞も読売新聞も産経新聞も民主党も安倍政権も吉田調書を悪用してゲスな行為を働いていたのではないか?という話です。これをどっちもどっち…と言ってしまうと擁護しているようで嫌なので、目くそ鼻くそとでも言っておきましょうか? とりあえず、反吐が出るような話です。
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