2018/11/13:
雇われ社長=プロ経営者? オーナー社長・サラリーマン社長との違い
2014/9/16:
雇われ社長・プロ経営者の成功条件は決まっている
雇われ社長のメリットは「外部出身であること」
雇われ社長がデメリットになるパターンもある
雇われ社長が失敗するのは社長の問題ではなく〇〇の問題?
アメリカで権威あるコンサルティング会社が人気の理由
●雇われ社長=プロ経営者? オーナー社長・サラリーマン社長との違い
2018/11/13:そもそも「雇われ社長」とは?という話をしていなかったので冒頭に追記。使い方を見ていると、主に「オーナー社長」の対比として使われていますね。会社の保持者や創業者一族が社長をやっているというのが、オーナー社長でしょう。
雇われ社長というのはそうではなく、オーナーと社長が別というケース。オーナーによって「雇われている」という社長です。この条件はいわゆる「サラリーマン社長」でも言えますけど、私がよく見る文章では、内部登用ではなく、外部から登用した純粋に社長をやってほしいがために呼んだ社長といった使い方が多く、ニュアンスがやや違います。
なので、「雇われ社長」は、ほぼ「プロ経営者」とイコールと考えて良いのではないかと思います。以降のもともと書いていた話も、外部から社長のために雇われた人を「雇われ社長」として使っていました。
●雇われ社長・プロ経営者の成功条件は決まっている
2014/9/16:
話題の外部招聘経営者、なぜ不振企業の再建に有効?成功/失敗する“条件”とは? | ビジネスジャーナル(中沢光昭/経営コンサルタント 2014.09.05)によると、雇われ社長として成功する経営者の最低条件は以下の4つだと言います。
・相手が若手だろうとパートタイマーだろうと他人の話をきちんと聞き、適宜自分の判断を修正できること
・自分の判断について誰に対してもフェアに説明責任を果たそうという姿勢があること
・自分が経験していない領域であっても臆さずに、必要に応じて手を突っ込める姿勢があること
・恥をかくことを恐れない勇気
"端的にいえば、プライドが異常に高くて人の話を聞き入れないようなタイプでは失敗します"とのこと。トップに立ちたがる人に一番よくいるタイプなのに、ダメなんだそうな!
●雇われ社長のメリットは「外部出身であること」
ただ、優秀な外部出身の経営者であっても、うまく行きづらいというパターンがあるようです。そもそも企業の側が、外部から社長を招聘すべきなのか、そうではなく内部出身者がいいのかという部分での話ですね。作者の中沢光昭さんはこれを非常にわかりやすく二つに分けていました。
"内部要因の課題はPDCAを粘り強く繰り返せさえいれば、どこかで本質的な問題が見えてきて道が開けて"くると、中沢さんは指摘。しかし、"過去のしがらみや慣習"がそれを邪魔しているという場合も多いです。こういう場合はたとえ社長を変えたとしても、内部出身の社長であれば、やはり社内のしがらみや慣習によって改革することは難しくなります。
その点、外部出身の社長は、しがらみや慣習がなく、うってつけ。"しがらみに引っ張られない外部経営者だからこそチャレンジできるため、そういう点で、内部要因の解決について外部招聘経営者による血の入れ替えというのは相性が良いでしょう"とのこと。
●雇われ社長がデメリットになるパターンもある
ということで、内部要因の不振では外部出身であることが、メリットとなりました。ところが、逆に言うと、内部要因ではない場合は、この魅力は全然生きないわけです。
その会社の"大きな課題が外部要因、例えば市場全体の悪化や、風評被害やコンプライアンス違反による大口契約解除・取引先の離脱などにある"となると、話が全く違ってきます。
こういう場合は、"ある意味でばくちのような先の見えないことに挑戦していくので、業界に精通した人や何をしようとも社員が黙ってついてきてくれるような人"の方が良いとしていました。業界に精通した人…となると、異業種から迎え入れる外部招聘社長は全く向かず、"再建はかなり難しくなります"。"つまり必然的に内部で見つけやすい人のほうが経営者として適任でしょう"という結論です。
●雇われ社長が失敗するのは社長の問題ではなく〇〇の問題?
一方、
外部からのCEO招聘が 失敗する4つの理由 : プレジデント(プレジデント社)(加護野忠男)は、"日本ではあまり報道されないが、米国では、このように社外から招かれたCEOが短期間で解任されるという例が少なくない"としていました。
そもそも外部から招聘されるトップは失敗しやすいという感じで、悲観的な書き方ですね。アメリカで短期間で解任…と言うと、次々とCEOが変わって大混乱していたアメリカヤフーの例が思い出されます。
この記事で作者の加護野忠男さんは、"短期での解任は、CEOの責任というよりも、適任ではないCEOを選んでしまった取締役会のほうに責任があると考えたほうがよい"として、外部からのCEO招聘が失敗する理由を4つ挙げていました。
1.候補者がどのようなポテンシャルを持っているかなどの情報が十分にないまま、決定するため。
2.投資家など社外の利害関係者を納得させるために、能力よりも経歴重視になるため。
3.秘密裏に物事をすすめるため、面接回数が不十分になるため。
4.取締役会が責任転嫁するために、権威のある経営人材リサーチ会社に頼りがち。
●アメリカで権威あるコンサルティング会社が人気の理由
最後の「取締役会が責任転嫁するために、権威のある経営人材リサーチ会社に頼りがち」に関して、米国の経営学者から聞いたというエピソードがおもしろかったです。
ある米国大企業のマーケティング担当部長は、「自分で需要予測をするような馬鹿なことはしない」と言いました。"需要予測は当たらないのが普通"なので、"自分で予測すると、予測が外れたときに責任を取らなければ"なりません。ですから、需要予測はコンサルティング会社に頼むようにしていたそうです。
しかも、コンサルティング会社は権威があって、費用も高が高い方がいいと言います。なぜかと言うと、「これだけのコストをかけて、あの有名なコンサルティング会社に頼んだのに、それでも当たらなかった。それだけこの予測は難しいのだ」と言い訳できるためです。冗談のような話に聞こえますが、あながち冗談ではないのかも知れません。
作者はこれを責任を明確化させると、より責任を回避するように動き始める…という話にしていました。この点で考えると、責任のはっきりしない官僚主義こそが理想なんだとか…。
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