以前にもあった気がするのですが、朝日新聞社のWEBRONZAからリンクされていました。何かな?と思って見ると、今回は
韓国に見る「論文不正のその後」 - 朝日新聞社(WEBRONZA)(2014年9月8日)の件で、
世界三大研究不正の黄禹錫元教授、まだ懲戒免職の件で裁判してたがリンクされていました。
関連情報の外部リンクで、All Aboutや日経メディカルといった大手サイトに混じって筆頭での紹介です。どうもありがとうございます。
で、気になったのがこの内容。黄禹錫(ファン・ウソク)「博士は完全に失脚したのではなかった。黄禹錫博士はいま、どうしているのか?」という話なのです。
世界三大研究不正の黄禹錫元教授、まだ懲戒免職の件で裁判してたはまだ懲戒免職に文句言ってるの?と呆れたんですけど、それどころじゃないですね。失脚していなかったとは…。衝撃です。
ただ、これについて詳しく書かれた
クローンES細胞論文を捏造した黄禹錫博士の「復活」 - WEBRONZA+科学・環境 - WEBマガジン - 朝日新聞社(Astand)(高橋真理子 2014/09/08)は、前半しか読めません。WEBRONZAの仕様です。
一応この前半部でも雰囲気がわかることが多いので…と思いましたので、読んでみることに。
記事によると、黄禹錫(ファンウソク)元ソウル大学教授の復活はもっと前から報道されていたようで、ネイチャー2014年1月14日号の「クローニング・カムバック」などで、"一度は表舞台を去った博士の復活"が伝えられていたようです。例の小保方晴子さんのSTAP細胞と同じくらいの時期にNatureに載っていたのは覚えていましたが、そういう内容だったとは!
ただ、WEBRONZAの記事の前半部はほとんど、ファンウソクさんの最初の栄光から没落までの話。支援者たちが"06年7月に350万ドル相当の基金を集めて「スワム生命工学研究財団」"(スワムとは、黄博士の愛称)を作り、「博士を救った」というところしか、復活に関する話はありませんでした。
これから…という良いところで切られてしまいましたが、同日に朝日新聞の方で
(科学の扉)韓国論文不正その後 バイオ研究加速、黄氏も戻る(2014年9月8日05時00分 高橋真理子)という話も載っていました。こちらは登録すれば読める記事です。近況がわかるかもしれません。
記事によると、ファン博士は"今年2月に韓国最高裁で懲役1年6カ月、執行猶予2年の判決を受けた"ものの、"今の活動に影響を与えていないようだ"と言います。
ここでは先ほど出てきた「スワム生命工学研究財団」の役割が出ています。"ロシアの大学と共同でマンモス再生プロジェクト"(2012年)を行ったり、"愛犬のクローンをもっとも切実に望む人にプレゼントするという奇抜なイベントを英国で実施"(2013年)したりしているようです。
たぶん研究しているから、「現場に戻ってきた」という意味みたいですね。ただ、"ヒトの細胞を使う研究をすることは政府に認められて"おらず、"新聞やテレビが取り上げることは、今はほとんどない"とのこと。
この書き方からすると韓国社会でファン博士が不正をしたことを認めない…といった空気感を醸成されたというわけでは、なさそうですね。私はてっきりそういう情けない話だと思いました。ただ、まあ、怪しい研究者に350万ドル集まるのも酷い話ですけどね。
ファン博士の活動が裏か表かと言うと一応表であり、「表舞台に戻ってきた」のかもしれませんが、「檜舞台に立っている」というわけではなさそうです。
記事はファン・ウソク博士の話というよりは、韓国の幹細胞研究の現状というのがメインだったようです。ファン博士の話は以上で終わりでした。
この後続く韓国の幹細胞研究については、ファン博士の不正でも"韓国のバイオ研究推進の熱気は冷めなかった"ため、官民ともに積極的に研究を推し進めているという話がありました。岡野栄之・慶応大教授は「すごい勢いを感じる。治療の有効性はまだはっきりしないが、ある程度資金がないとどうにもならない。日本もがんばらないと、と危機感を持つ」と話しています。
しかし、こういった過剰な熱気がファン・ウソク博士の不正やSTAP細胞問題を生み出したのではないか?とも考えられますので、記事を読んでいて複雑な気持ちになってしまいました。
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