<残業時間の長い業界ランキング 長時間労働で過労死ライン突破も>、<残業時間が長くて、有給休暇も取れないブラックな業界ランキング>などといった話をまとめています。
2022/05/03まとめ:
●残業時間が長くて、有給休暇も取れないブラックな業界ランキング
●残業時間の長い業界ランキング コンサルティングなどが上位に
2014/9/22:残業時間の長い業界・職種ランキングを紹介します。なお、後述するように、一部集計ミスと見られる奇妙な点が見られるデータがあることにはご注意ください。
<残業時間の長い業界ランキング・トップ30>
順位 分野[業種] 残業時間
1 コンサルティング・シンクタンク[コンサルティング] 83.5
2 広告代理店、PR、SP、デザイン[マスコミ] 78.6
3 建築、土木、設計、設備工事[不動産・建設、倉庫] 70.8
4 放送、出版、新聞、映像、音響[マスコミ] 66.1
5 不動産関連・住宅[不動産・建設、倉庫] 64.8
6 インターネット[IT・通信・インターネット] 63.36
7 フードサービス、飲食[サービス、小売、外食] 62.03
8 情報サービス、リサーチ[サービス、小売、外食] 58.43
9 証券会社、投資ファンド、投資関連[金融] 57.47
10 住宅設備、建材、エクステリア[メーカー] 56.59
11 ゲーム関連、玩具[メーカー] 53.71
12 印刷、紙・パルプ、書籍、パネル[メーカー] 53.05
13 Sler、ソフト開発、システム運用[IT・通信・インターネット] 52.66
14 人材、コールセンター、業務請負[サービス、小売、外食] 50.7
15 理容、美容、エステティック[サービス、小売、外食] 49.64
16 教育・研修サービス[サービス、小売、外食] 49.07
17 インテリア、雑貨、文具、スポーツ[メーカー] 49.07 (同点で順位違い)
18 食品、飲料[メーカー] 48.99
19 旅行、ホテル、旅館、レジャー[サービス、小売、外食] 48.84
20 総合商社[メーカー・商社] 48.72
21 監査法人、税理士法人、法律事務所[コンサルティング] 48.57
22 鉄鋼、非鉄金属[メーカー] 47.71
23 重電、産業用電気機器、プラント関連[メーカー] 47.45
24 IT・通信機器(メーカー・商社)[IT・通信・インターネット] 47.19
25 コンピュータ、通信機器、OA機器関連[メーカー] 47.19 (同点で順位違い)
26 医薬品、医療機器(メーカー・商社)[メディカル] 46.32
27 医薬品、医療機器[メーカー] 46.32 (同点で順位違い)
28 通信、ISP、データセンター[IT・通信・インターネット] 46.19
29 生命保険、損害保険[金融] 45.7
30 機械関連[メーカー] 45.52
※ヴォーカーズ(Vorkers)が、同サイトに登録された約6万8000件の社員による在籍企業の評価レポートから、「残業時間」を対象にデータを集計し、世代や業界、職種を軸に分析したもの
(
ホワイトカラーエグゼンプションが狙い撃ち?残業時間の長い業界・職種ランキング|ダイヤモンド・オンライン 2014年7月1日 ダイヤモンド・オンライン編集部より)
●一部集計ミスと見られる奇妙な点が見られるランキング
業種分けは
有給休暇消化率業界別ランキング 取得できる業界・できない業界で出てきた47業種とほぼ同じでした。「ほぼ」というのは、2業種異なっていたせいです。
24 IT・通信機器(メーカー・商社)[IT・通信・インターネット] 47.19
26 医薬品、医療機器(メーカー・商社)[メディカル] 46.32
ただ、この2つは集計ミスではないか?と思います。というのも、以下のように、同じ小数点以下2桁まで同点で、よく似た分類の業種がそれぞれあるためです。間違えて二重に集計している可能性が感じられます。
24 IT・通信機器(メーカー・商社)[IT・通信・インターネット] 47.19
25 コンピュータ、通信機器、OA機器関連[メーカー] 47.19 (同点で順位違い)
26 医薬品、医療機器(メーカー・商社)[メディカル] 46.32
27 医薬品、医療機器[メーカー] 46.32 (同点で順位違い)
なお、他にもう一つ「同点で順位違い」のものがありましたが、こちらは全く違う内容ですので二重集計ではないと思われます。
16 教育・研修サービス[サービス、小売、外食] 49.07
17 インテリア、雑貨、文具、スポーツ[メーカー] 49.07 (同点で順位違い)
ただ、二重集計の疑われるところでも順位違いになっているところを見ると、左の順位はただ単に上から番号を振っただけで数字を比較していないのかもしれません。要するに同点なのに、左列の順位を変更し忘れたのでは?と。こういったミスは私もやるんですけど、プロの仕事ですからね。心配になるランキングです。
●長時間労働だけでなく有給消化率も低い最悪の業界はどこ?
ランキングの不自然さだけで長々と書いてしまいましたが、
有給休暇消化率業界別ランキング 取得できる業界・できない業界と全く同じ分け方だとすれば、上記は47業種中のランキングです。
47業種中のベスト30なのですが、前述の通り二重集計だとしたなら、47業種中のベスト28ということになります。同じく47業種で考えると、真ん中は24位。二重集計の疑いのある"コンピュータ、通信機器、OA機器関連[メーカー]"が、それに該当します。
当たり前といえば当たり前ですが、
有給休暇消化率業界別ランキング 取得できる業界・できない業界で有給消化率の低いところが、上位に来ていることが多いです。
たとえば、2位の広告代理店、PR、SP、デザイン[マスコミ]は、前回8位でした。そして、3位の建築、土木、設計、設備工事[不動産・建設、倉庫]に至っては、消化率でもワースト4位という安定ぶりです。
●長時間労働でブラックに見えるが、実は有給を取れる業界も
一方、おもしろかったのが1位のコンサルティング・シンクタンク[コンサルティング]です。有給消化率では良い方から数えた方が早い21位ということで、真ん中よりちょっと良いくらいでした。元記事ではこの点を見逃して、「残業時間が最も長い業界はやっぱりコンサルだった!」などとやっていますが、有給を取れるかどうかは重要なポイントです。
ヴォーカーズは調査結果のなかで、「こうした業界は何らかの成果物を生み出す仕事であり、(中略)一定以上の品質を達成するために残業時間が長くなってしまうのではないかと推測されます」とコメント。特に1位のコンサルタントは、クライアントのために、資料集めから実際の企画立案、ときには実行を限られた短い期間で行わなければならず、しかも絶対的に成果を求められるため、大きな負担を強いられることになります。また、「顧客のため」を思えば思うほど、やることが尽きず、自然と残業時間が長くなってしまうのかもしれません。
コンサルティングの場合、おそらく休みをまとめて取りやすいんでしょうね。暇なときは暇ってこともかもしれません。ただ、残業時間が長いだけでもやっぱり辛いですけどね。有給を取れるのに残業時間が長いということは、他業界よりも長時間労働の期間が多いと思われます。大きく体に負担をかけるので相当良くないのは確かです。
あと、残業時間83.5時間って過労死の危険性の目安である80時間を突破していますからね。有給休暇を取れる分、実質的な残業時間は少なく、見かけの残業時間だけ多くなっているのかもしれませんが、長すぎるなぁという気はします。
いずれにせよ、コンサルティングは非常に特色のあるおもしろい内容になりました。逆に広告代理店や建築は、どっちもダメなんですから、悲惨です。とはいえ、広告代理店は給料がいいとも言われています。良いところは見つかるのでまだマシでしょうか。で、利点を見つけられなかった建築、土木、設計、設備工事はどうなの?というところは、お察しください…。
●残業時間が長くて、有給休暇も取れないブラックな業界ランキング
2014/10/26:ここから<残業時間が長くて、有給休暇も取れないブラックな業界ランキング>というタイトルで書いていた話。
有給休暇消化率業界別ランキング 取得できる業界・できない業界と前半の残業時間の長い業界ランキングを合わせてみてみようという企画です。
あまり特定の業界をブラックなどと決めつけない方が良いと思いつつも、タイトルは「ブラックな業界ランキング」というものに。残業時間が長くても、有給休暇も取れるのであれば、実質的な残業時間は少ない可能性があります。一方、残業時間が長くて、有給休暇も取れないとなると、もうそりゃあブラックと言われても仕方ないだろうと思います。ランキングの算出の仕方は後述することにして、とりあえず、結果を見せます。
<残業時間が長くて、有給休暇も取れないブラックな業界ランキング・ベスト20>
1位 建築、土木、設計、設備工事[不動産・建設、倉庫] 有給4位 22.55% 91.3 残業3位 70.8時間 75.0 総合 166.3
2位 不動産関連・住宅[不動産・建設、倉庫] 有給2位 22.33% 92.2 残業5位 64.8時間 68.7 総合 160.9
3位 フードサービス、飲食[サービス、小売、外食] 有給1位 22.18% 92.8 残業7位 62.03時間 65.7 総合 158.6
4位 広告代理店、PR、SP、デザイン[マスコミ] 有給8位 30.04% 68.5 残業2位 78.6時間 83.3 総合 151.8
5位 住宅設備、建材、エクステリア[メーカー] 有給3位 22.42% 91.8 残業10位 56.59時間 60.0 総合 151.8
6位 コンサルティング・シンクタンク[コンサルティング] 有給27位 41.58% 49.5 残業1位 83.5時間 88.5 総合 138.0
7位 放送、出版、新聞、映像、音響[マスコミ] 有給9位 30.96% 66.5 残業4位 66.1時間 70.0 総合 136.5
8位 インテリア、雑貨、文具、スポーツ[メーカー] 有給5位 26.75% 77.0 残業17位 49.07時間 52.0 総合 129.0
9位 教育・研修サービス[サービス、小売、外食] 有給6位 26.99% 76.3 残業16位 49.07時間 52.0 総合 128.3
10位 理容、美容、エステティック[サービス、小売、外食] 有給7位 27.43% 75.1 残業15位 49.64時間 52.6 総合 127.7
11位 印刷、紙・パルプ、書籍、パネル[メーカー] 有給12位 32.30% 63.7 残業12位 53.05時間 56.2 総合 120.0
12位 証券会社、投資ファンド、投資関連[金融] 有給15位 36.14% 57.0 残業9位 57.47時間 60.9 総合 117.9
13位 インターネット[IT・通信・インターネット] 有給30位 42.32% 48.7 残業6位 63.36時間 67.1 総合 115.8
14位 食品、飲料[メーカー] 有給11位 32.25% 63.8 残業18位 48.99時間 51.9 総合 115.8
15位 情報サービス、リサーチ[サービス、小売、外食] 有給25位 41.28% 49.9 残業8位 58.43時間 61.9 総合 111.8
16位 旅行、ホテル、旅館、レジャー[サービス、小売、外食] 有給18位 37.39% 55.1 残業19位 48.84時間 51.7 総合 106.8
17位 機械関連[メーカー] 有給16位 36.70% 56.1 残業30位 45.52時間 48.2 総合 104.3
18位 医薬品、医療機器[メーカー] 有給17位 37.35% 55.1 残業27位 46.32時間 49.1 総合 104.2
19位 ゲーム関連、玩具[メーカー] 有給37位 45.06% 45.7 残業11位 53.71時間 56.9 総合 102.6
20位 人材、コールセンター、業務請負[サービス、小売、外食] 有給29位 42.21% 48.8 残業14位 50.7時間 53.7 総合 102.5
見事に1位だったのは、上にまとめた投稿でも良いところ無しだと書いた建築、土木、設計、設備工事[不動産・建設、倉庫]です。やっぱり駄目だったよ…。何しろ有給4位、残業3位の安定ぶりでしたからね。一方、残業時間トップのコンサルティング・シンクタンク[コンサルティング]は、有給消化率が真ん中より良いワースト27位だったので6位で済みました。
有給消化率でワースト1位のフードサービス、飲食[サービス、小売、外食]はどうだったか?と言うと、3位。残業時間もワースト7位と冴えませんでしたので、この順位でした。イメージ通りのブラックっぷり。ここと建設の間に入って2位だったのは、不動産関連・住宅[不動産・建設、倉庫]。有給2位、残業5位とこれまた安定。他の人が休んでいるときに働くのがお仕事です。
●ブラック企業の代表例とされる小売業が意外にブラックじゃない
ワースト20位に入らずに済んだ27業種の皆さんも得点とともにご紹介。小売(百貨店・専門・CVS・量販店)がこっちにいるのが意外ですね。有給がワースト13位であったものの、残業時間はそれほど悪くないようでランク外でした。同様に病院、医療機関も有給がワースト10位だったものの、残業時間はランク外で総合順位は算出できませんでした。本当は残業時間が全データあって、ホワイトな業界も見れると良かったんですけどね。
Sler、ソフト開発、システム運用[IT・通信・インターネット] 有給35位 44.84% 45.9 残業13位 52.66時間 55.8 総合 101.7
総合商社[メーカー・商社] 有給24位 41.18% 50.0 残業20位 48.72時間 51.6 総合 101.6
鉄鋼、非鉄金属[メーカー] 有給26位 41.33% 49.8 残業22位 47.71時間 50.6 総合 100.4
生命保険、損害保険[金融] 有給22位 39.79% 51.7 残業29位 45.7時間 48.4 総合 100.2
重電、産業用電気機器、プラント関連[メーカー] 有給28位 41.93% 49.1 残業23位 47.45時間 50.3 総合 99.4
コンピュータ、通信機器、OA機器関連[メーカー] 有給31位 42.37% 48.6 残業25位 47.19時間 50.0 総合 98.6
監査法人、税理士法人、法律事務所[コンサルティング] 有給45位 57.26% 36.0 残業21位 48.57時間 51.5 総合 87.4
通信、ISP、データセンター[IT・通信・インターネット] 有給47位 61.57% 33.4 残業28位 46.19時間 48.9 総合 82.4
病院、医療機関 有給10位 31.97% 64.4
小売(百貨店・専門・CVS・量販店) 有給13位 32.64% 63.1
鉄鋼、非鉄金属 有給14位 33.61% 61.3
学校法人、財団法人、社団法人 有給19位 37.46% 55.0
ファッション、アパレル、繊維 有給20位 38.21% 53.9
半導体、電子、精密機器 有給21位 39.48% 52.2
化学、石油、ガラス、セラミック 有給23位 40.70% 50.6
介護、福祉関連サービス 有給32位 43.70% 47.1
日用品、化粧品 有給33位 44.19% 46.6
投信投資顧問 有給34位 44.35% 46.4
銀行(都市・信託・政府系)、信金 有給36位 45.04% 45.7
総合電機、家電、AV機器 有給38位 48.77% 42.2
航空、鉄道、運輸、倉庫 有給39位 49.27% 41.8
CRO、SMO、CSO 有給40位 49.63% 41.5
官公庁、独立行政法人 有給41位 50.64% 40.7
制御システム、組込みソフトウェア 有給42位 50.75% 40.6
クレジット、信販、リース 有給43位 50.85% 40.5
電力、ガス、エネルギー 有給44位 54.54% 37.8
自動車、自動車部品、輸送機器 有給46位 58.67% 35.1
後回しにしたランキングの算出方法の話を最後に説明。有給休暇消化率では47業種データがわかる一方で、残業時間では30業種のみ。しかも、2つがダブりっぽく、実質28業種。ただ、残業時間が短い分には問題ありませんので、この28業種だけを比較してみました。
点数は47業種の真ん中である24位を50点として計算。残業時間と有給休暇消化率のどちらかに重みをつけようかな?とも思いましたが、面倒なのでやめ。単純にこの2つを足したもので計算。それぞれの基準となる業界は以下でした。
有給休暇消化率業界別ランキング 24 総合商社 41.18%
残業時間の長い業界ランキング 24 コンピュータ、通信機器、OA機器関連[メーカー] 47.19時間
これを50として計算。たとえば、コンサルティング・シンクタンクならこういう感じにしてみました。
有給休暇消化率業界別ランキング 27 コンサルティング・シンクタンク 41.58%
残業時間の長い業界ランキング 1 コンサルティング・シンクタンク[コンサルティング] 83.5時間
41.18% ÷
41.58% × 50 = 49.52 (有給休暇消化率は少ない方がブラック)
83.5時間 ÷ 47.19時間 × 50 = 88.47 (残業時間は長い方がブラック)
49.52 + 88.47 = 137.99
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