2014/9/23:
●事故ランキング上位の組み体操、唯一学習指導要領にない種目
●スポーツに怪我はつきもの…なぜ組体操だけが問題なのか?
●組体操を禁止するならスポーツ自体を禁止すべき…
●骨折事故でもやめない…危険な組体操・人間ピラミッドを続ける教師ら
●大怪我が起きる可能性が高いと明らかな種目を敢えてやる必然性は?
●事故ランキング上位の組み体操、唯一学習指導要領にない種目
2014/9/23:ちょっと前に話題になっていたものの、切り口に迷って書かなかった人間ピラミッドの問題。ついに全国紙でもアクセスランキング上位に入るようになりました
"組み体操で事故多発…「人間ピラミッド」高層化"(2014年9月23日08時57分)という記事が、読売新聞の24時間ランキングで1位になっていたのです。
・運動会で人気のある人間ピラミッドなど組み体操の小学校での事故が2012年度、6533件に上ったことが日本スポーツ振興センターの統計で分かった。
・11年度は5976件、12年度は6533件(部活動を除く)。内田准教授が種目別で調べたところ、跳び箱、バスケットボールに続く3番目で、上位10種目のうち組み体操だけが学習指導要領にある体育授業で扱う種目ではなかった。
http://news.infoseek.co.jp/article/20140922_yol_oyt1t50139
●スポーツに怪我はつきもの…なぜ組体操だけが問題なのか?
この分析は名古屋大の内田良准教授(教育社会学)がしたものだそうですが、もともとちょっと前に話題になっていたというのも同じ内田良准教授の記事。
四人同時骨折 それでも続く大ピラミッド 巨大化ストップの決断を(内田良) - 個人 - Yahoo!ニュース(2014年9月19日 6時0分)というものでした。
こういった話では「スポーツに怪我はつきもの」「伝統を安易に絶やすな」といった体育会系や保守派らしい意見が出るのではないか?と思いました。ただ、グーグル検索をかけてみても、意外にありません。
そんなものかなぁ?と上記のヤフーニュースを見ると、私が想定したコメントがちゃんとありました。あまりに予想通りのテンプレなコメントのため、やらせじゃないの?という感じです。ヤフーニュースのユーザー層ゆえでしょうね…。
<どんなスポーツでも事故やケガはつきもの
事故後また同じ事故が繰り返されたなら批判するべきだが
教訓を生かし事故が起きてないならこの批判はトンチンカン
サッカー・ラグビー・スキー・スノボ・水泳・・etc
あらゆるスポーツで悲惨な事故は起き続けていますよ
みんな止めるべきなんですか?>
<小学校の「かけっこ」、中学の「リレー」やプールの「飛び込み」。二階以上の教室の「階段登り」。修学旅行の「りんご狩り」。自分でやると進んだものでないもので怪我をする、場合によっては後遺障害や死に至ることもある。小学生から大学生までずっと在宅学習させますか。(中略)それが原因で、社交性がなくなったり団結力がなくなっても、どうでもいいでしょ。大の大人が、一面だけ見て判断するんだから、子供がどんな育ち方をしようが、他人の痛みを理解できなかろうが、どうでもいいですよね。
私はそんな子育てをする気はありません。怪我?大いに結構。>
●組体操を禁止するならスポーツ自体を禁止すべき…
納得する方もいるでしょうが、「じゃあ、他のスポーツも禁止だ」という極端な反論になるのは本来おかしいです。というのも、種目やその種目の中の技などによって怪我をする確率や怪我の中でも重大事故にまで発展する確率というのは異なるため。普通に考えると、危険性の高いものを禁止すればそれで済むはずであり、すべてのスポーツを禁止する必要性はありません。
そして、組体操は事故が極めて多い可能性が高いというもの。前述の「上位10種目のうち組み体操だけが学習指導要領にある体育授業で扱う種目ではなかった」というのは、実施数が少ないにも関わらず、多くの事故が起きている可能性が高いことを示しているためです。
また、ヤフーニュースの記事本文の方では、重大事故の危険性がわかります。ここで衝撃的だったのは、"人間ピラミッド10段の場合,おおよそ高さが7m,最大負荷が200kgとなる"という部分です。一歩間違えれば大事故が起きることは簡単に想定できますし、なぜそこまでの危険をおかさなくてはいけないのか納得の行く理由がありません。
●骨折事故でもやめない…危険な組体操・人間ピラミッドを続ける教師ら
体罰反対論もそうなのですが、重大な事故が起きてもまるっきり対策が必要ないと考える人がいるのは不思議。ヤフーニュースでは、怪我に関する話がいくつも出ています。しかし、教師らは高層人間ピラミッドを変えようとしません。
・"人間ピラミッドの頂点から地上に墜落して重傷を負い、数ヶ月間の絶対安静を強いられ"る事故後も、人間ピラミッドを毎年行った。
・日本新記録の11段を目指している天王寺川中学校では、生徒が足を骨折する事故があったが、11段に再チャレンジすると表明した。
・「関西体育授業研究会」が開いた「組体操実技研修会」では、「上から児童が降ってくると、逃げ場がないので、数人を巻き込んだ大きな事故になる恐れがあります。過去に一度に4人骨折という事故もありました」と報告しながら、大ピラミッドそのものは疑問視していない。
最後の関西体育授業研究会は、
子どもも観客も感動する! 「組体操」絶対成功の指導BOOK
という本も出しています。組体操は熱心みたいですね。
●大怪我が起きる可能性が高いと明らかな種目を敢えてやる必然性は?
事故に関しては読売新聞にも、"後遺症が残る事故も12年度までの10年間で20件発生"しているとしていました。何度も書きますけど、なぜそこまでして大ピラミッドにこだわるのでしょう?
読売新聞では学習指導要領にある種目ではないともありましたが、私自身もやったことがないです。人間ピラミッドに限らず、組体操自体をした覚えがないので、テレビで知ってるだけ…という感じです。(北海道出身です)
もちろん学習指導要領にある種目ではないものをしちゃいけないというわけではないので、組体操や人間ピラミッドそのものまでは否定しません。しかし、組体操の中でも大事故が起きる可能性が高いことの明らかな高層人間ピラミッドを続ける理由はあるのでしょうか?
あまり過激な言い方をしたくないので言葉を濁した言い方をしますけど、大ピラミッド賛成者の方や教師の方には「未必の故意」の概念が当てはまるように感じます。
(2019/05/13:その後何度か組体操について、書いています。例えば、
9人死亡・92人障害程度の危険性じゃ組み体操は廃止しません!「緊張感持って対応を」で幕引きはかるでやっているように、後遺症レベルですらなく多数の死者が出ているのに強行されている…というより悪い状況でした)
【本文中でリンクした投稿】
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