昔のバナナは今のバナナが目じゃないほどうまかったと聞いたことがあり、ずっと気になっていました。これはグロスミッチェルという種のことで、絶滅してしまったとも言われていました。ところが、絶滅していないという話もあるのです。いろいろと検索してみると、どうやら日本でも手に入りそうな様子。普通のバナナよりクリーミーでおいしいらしいのですが、「絶滅した」の部分は嘘だと考えて良いみたいですね。
2020/08/30:
●バナナは1種類ではない!実は世界には数千種類ものバナナがある
●昔のバナナは今よりおいしかった?グロスミッチェルという品種
2017/09/04:
新パナマ病でバナナが絶滅する…はデマ 対策はあるし新品種を作れる可能性もでやったように、
新パナマ病って何? バナナが食卓から消える恐れも 2016年05月18日 01時08分 JST(安藤健二 The Huffington Post)はあまり良くない記事でした。ただ、絶滅した過去のバナナの話で、紹介したいところがあります。
前回も書いたように、バナナは品種改良の結果、種がなくなったため、株分けで栽培しています。その結果、同じ品種のバナナは、どれも同じ遺伝子を持つため、特定の病原体に感染しやすくなるという弱点ができてしまいました。
このせいで1960年代までにほぼ絶滅した品種というのが、グロスミッチェル(グロス・ミシェル)。カビの一種である「フザリウム」という病原体によってバナナの木が枯れてしまう「パナマ病」の感染が広がっためです。
このグロスミッチェルについては、20世紀半ばまで人気だったとしています。また、記事では、クリーミーでしっかりした味わいだったともしていました。
果実の王様と言うとドリアンを指すのですが、映画の「おもひでぽろぽろ」では、バナナを「果実の王様」と呼ぶシーンがあったと思います。私は「今あまりバナナをおいしいと思わないのは、本当においしいバナナが絶滅したため」とも聞いたことがあり、このグロスミッチェルのことをもっと知りたいと思っていました。
●グロスミッチェルは絶滅しておらず、今でもあるの?
ということで、まずは
バナナ - Wikipediaを拝見。こちらによると、かつてはグロスミッチェル種が最も多く栽培されている品種であったが、20世紀中頃に世界的に蔓延したパナマ病によって大打撃を受けたとしています。
先の記事では「ほぼ絶滅」とあったのですが、サイトでは「ほぼ」ではなく完全に「絶滅」と書いているところが多いです。私は今回調べだす前まで、本当に絶滅したのだと思っていました。
ただ、Wikipediaによると、「ほぼ絶滅」どころか、現在でも全生産量の1割ほどあるとのこと。じゃあ、知らないうちに食べたことがあるのかも。もし食べていたのでしたら、バナナ最高!とも思わなかったわけですから、その程度ということですね。もっとすごい幻のバナナなのだと思っていました。テンション下がりますわぁ…。
なお、検索していると、書籍ですら"「グロスミッチェル」という品種は疫病で全滅し、いまはない"としているものがあると知りました。どっちかがデマですね。
Wikipediaの出典を見てみると、
The World Banana Economy 1985-2002というこちらも書籍っぽいもの。信頼性の方はこちらの方が高そうに見えますが、一方で古いデータでもあります。2002年より後に絶滅した可能性もあるかもしれません。
●そもそもグロスミッチェルは絶滅していなかった
仮に絶滅していないのでしたら、誰か食べた感想があるんじゃないかということで検索。感想は残念ながら見つからなかったものの、まだ残っていそうな感じの記述はいくつか見つけました。
例えば、
ホムトンバナナとは?|タイ産無農薬栽培 ホムトンバナナというサイト。こちらで扱っているバナナホムトン・バナナは、グロス・ミッシェル種だそうです。フィリピン・バナナ(キャベンディッシュ種)よりは少しサイズは小さめで皮は薄く、 単位面積当たりの収量も三分の一から五分の一という少なさです。
ただ、やはりおいしいぞ!とアピール。熟したときの香りの強さとさっぱりした甘みはどのバナナにも負けないとしていました。
また、
サービス/製品一覧 - 株式会社ユニークBizに掲載されたこの会社が扱っている商品一覧の中にも、グロス・ミッシェル種がありました。"エクアドル産グリーンフレッシュバナナ Verude Banana「ヴェルバナ」"の他に、「エクアドル産グロスミッチェル種」を扱っているとのこと。
こちらでは、"1960年頃に蔓延したパナマ病で絶滅したといわれますが、株は残っている為、少量ながらも生産はされていました"として、絶滅説を否定。病気に弱い品種の為、現在も土壌管理に最善を尽くしながら生産しているそうです。上記のタイの説明もそうですが、手間暇はかかるみたいですね。
グロスミッチェル種の特徴としては他に、房もカーブが少なく真っ直ぐで果実が非常に大きいことも挙げています。熟成も時間がかかるため、完全に黄色づかないと美味しく頂けないものの、逆に言えば、「非常に日持ちの良い商品」とのこと。また、"味は、非常にクリーミィーでさっぱりとした食感"と説明されていました。
こうやって見ていくと、やはりかなり珍しそうな感じ。知らずに食べていたということもないでしょう。一度実際に食してみたいものです。
↓投稿直後に思いついてツイッターで検索したら、感想も出ました。パッケージはめっちゃ安そうですが、500円以上なので100円バナナよりはだいぶ高いですね。
●バナナは1種類ではない!実は世界には数千種類ものバナナがある
2020/08/30:バナナの種類に関する話で追記。どうも我々日本人が食べているバナナが1種類しかないというだけで、バナナ生産国の人はいろんな種類のバナナを食べているようですね。多くの人が好きなバナナでなおかつ輸出できるバナナとなると、過去に流行った「グロスミッチェル」と今の「キャベンディッシュ」だけってことみたいです。
これは、
新パナマ病でバナナが絶滅する…はデマ 対策はあるし新品種を作れる可能性もに追記したときに使った、
食卓からバナナが消える? 新パナマ病が南米へ | ナショナルジオグラフィック日本版サイトを読んでいてわかった話でした。
記事によると、バナナ生産国の人々は、プランテーン(調理用バナナ)などの多数の現地品種によって食料を確保しています。そもそも我々にとっては、「調理用バナナ」というのが聞き慣れませんね。我々は全然バナナのことを知らなかったようです。世界的に見れば数千種類ものバナナがあるといいます。
ところが、数千種類のバナナがあるにも関わらず、大規模商用栽培、長距離輸送、国際市場に対応できる特徴を備えたものは、ほとんどありません。今、世界的に好まれているキャベンディッシュに似た特徴や味、外見と、TR4への耐性を兼ね備えているバナナは存在しないといいます。
実際、1990年代、ある開発プロジェクトがFHIAのゴールドフィンガーとモナリザという品種をカナダで販売しようと少量を持ちこんだものの、客は寄りつかなかったとのこと。かつて米国やヨーロッパに輸出されていたバナナはグロスミシェルだけで、今はキャベンディッシュだけ…というのは、こうした事情があったようです。
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